第十九章 傭兵と「冬の終わり」の始まり
遂に事態が動き出す―。
朝。
霊夢は布団からでられないでいた。そこに魔理沙がやってきた。
「…寒い」
「おーい、霊夢。」
「寒いのよ」
「この部屋は割と暖かいな」
「これで?」
「おぅ、外は吹雪だぜ」
「もう五月よ?」
「そんなこと言ったって吹雪なのは事実だぜ」
「これはもう、異変と言っても差し支えないわ」
「だな、じゃあ解決にいこうぜ」
「言われなくても」
こうして霊夢と魔理沙は異変解決に向けて旅立った。
「霊夢、巫女服さむくないのか?」
「結界のおかげでちょうどいい温度よ」
「ズルいぜ」
一方紅魔館。
「咲夜、いるかしら?」
「ここに」
レミリアの一言で音もなく現れる咲夜。
「この部屋少し寒くないかしら?」
「すみません。直ぐに薪を足しますので」
「ちょっと待ちなさい」
「はい、なんでしょう」
「最近こういう事多いわね。なにか理由があるんでしょう?主に雪のせいで」
「…もう直ぐ薪や食料、血液のストックが底をつきますので。節約しようと思いまして」
「そう。じゃあ私から咲夜に主として命令するわ」
「なんなりと」
「この異変の主を叩いて春を取り戻しなさい」
「御意に」
すると今までの風格はあっと言う間にきえて子供の様にレミリアは言った。
「あ、その前に毛布を頼むわ。寒いったらありゃしない…。うぅ…。」
不意に素に戻ったレミリアに苦笑しながら毛布を届け咲夜は異変解決に向かった。
紅魔館から博麗神社に向かう途中、咲夜は霊夢と魔理沙を見つけた。
「あなた達、こんなところでなにをしているのかしら?」
「お、咲夜じゃないか」
「咲夜は何しにきたわけ?」
「お嬢様の命によって異変解決に。」
「それは私たちの仕事だぜ」
「私の、仕事よ」
「まぁまぁ、いいじゃないか。頭数は多い方が楽だぜ」
「そうね、という訳で同行するわよ」
「別に。今回の首謀者は白玉楼にいそうね」
「根拠は?」
「博麗の勘よ」
「そんなことでいいの?」
「霊夢の勘は当たるからいいんだぜ」
そんなこんなで三人は白玉楼に向けて飛んでいった。
「幽々子様、博麗の巫女がこの気候を異変として動きだした様です。」
「そう」
「ほかには魔理沙と咲夜もいるな」
「シュウ、それ誰の事?」
「今来てる三人組のうちメイドが咲夜で魔女スタイルが魔理沙の事で」
「そうじゃなくて、どうゆう関係?」
ちょっと不機嫌な様子の妖夢。
「魔理沙は俺に弾幕を教えてくれた奴の一人で、咲夜はこの前の紅魔異変の首謀者の従者。紅魔館には偶にいくからそこで会うな」
俺たちは縁側でお茶を飲みながら話していた。
どうやら先ほどの話題に出てきた三人が動き出したようだ。そりゃそうだろうな、五月に吹雪がくれば異変意外の何者でもない。
「妖夢、分かってるわね」
「えぇ」
妖夢は半身に湯飲みをのせて台所に向かわせながら刀を取りにいった。半身、便利だなぁ…。お茶うめぇ。
「幽々子さんや、俺はどうする?」
「甘いものが食べたいわ」
「助太刀に行かなくていいのか?」
「妖夢なら大丈夫よ、ただしマズそうだったら向かってもらうわ」
「後手なんだな」
「余裕と言ってちょうだい」
そう言うと幽々子さんは俺が持ってきたみたらし団子をかじりながら桜を見ていた。と思いきや桜の前で幽霊に追いかけ回されているリリーをみていた。
「食べてみたいわ…」
聞かなかった事にしよう。
次回更新が遅れるかもです。あしからず