第一章(プロローグ) 傭兵とスキマ
主人公
「これが俺の日常だ。文句あるか?」
イラクのとある町にて、ロシア軍とイラク政府軍の戦闘がおこなわれようとしていた。その政府軍の中にはフランスからきた傭兵を名乗る”子供達”と―、二人の日本人傭兵が混ざっているようだった――。
俺は村島秀。フリーの傭兵をやっている。まぁ、相棒が今さっきまでいたが敵に別動隊の準備が有るらしく、一人で潰しに行った。あいつならあっという間だろう。
三脚を立て、匍匐の姿勢からスコープを覗く。十字の中に敵の姿が映る。今回のターゲットは敵陣の前線の指揮官である。何人か工作員を仕込んだものの手が出せない腑抜け共ばかりだったので俺に御鉢が回ってきた、というわけである。正直こんな仕事を外部の人間たる傭兵の俺に任せる時点で間違ってる気もするが。
今回の作戦は俺が指揮官を狙撃。トップを失って生まれた動揺に乗じて制圧するものだそうだ。しかしその制圧部隊もハイディングが全くなってない。お前ら素人か。そんな岩場から身体を半分も出して相手の様子をうかがう馬鹿がどこの軍にいるってんだよ。
俺はそいつらへの愚痴を一旦置いておき仕事に専念することにした。十字を中央にそいつの心臓を捉える、体中がすぅっと冷えて鼓動も息さえも排除する。そうして開戦を告げる一撃をやつの心臓にねじ込んだ―。
案の定敵は混乱し制圧は楽…だったんだが、なにせ制圧部隊があの無能共である。時間が掛ってしょうがなかった。なので敵の指令室の籠ってやがる前線上層部のやつを全員打ち抜いといた。一人知った顔がいたがそんな事はしらん。どうせ無能共の端くれだ。
「お疲れ、シュウ」
「あぁ、あくびが出るほど楽だった…と言いたいが」
「大変だったか?」
「いや、制圧部隊が無能すぎて腹が立ってな。あくびの代わりにため息がでた」
「なるほどね、確かにあいつらは素人の動きだった」
こいつはリョウ。波佐間崚だ。こいつはアサルトを持たせたら対人戦だったらだいたい10分で終わる。まぁ、敵の量にもよるが。こいつは俺の相棒にあたる。
ちなみにあの無能部隊が制圧に成功したのはこいつが増援に入ったからだ。俺たちはクライアントに挨拶をすませ、報酬を受け取ってから帰投した。
その道すがら。車を走らせながら隣町の作戦本部に向かう。この後はまた別動隊としての任務があるのでリョウを本部に送り届けてから配置に向かう。今回は俺はフォワードなのでアサルト、ハンドガン等の潜入型前衛装備になっている。今度は毎度のお得意さんでかなり良い動きをしている…んだがなにせ15人しかいない。なので俺らもしょっちゅう呼ばれる訳だ。
俺は配置に向かいながらとてつもない違和感を感じていた。トンネルが長すぎるのだ。俺はこの「全長600メートルの」トンネルを飛ばしていて、かれこれ既に「3時間は」走らせている。ガス欠がいつ起きてもおかしくない状態だ。そして15分ほど走ってついに燃料が切れた。前も後ろも光はなく、漆黒の闇が続いている。
その時、人の気配をすぐ後ろに感じた。俺は素早く振り返り改造したハンドガンを突き付けた。そこにいたのはウェーブのかかった金髪でいかにも胡散臭い女だった…。
「ねぇ、トンネルから出たい?」
「もちろんだ。仕事に支障をきたしている。これはおまえの仕業か?」
「そうねトンネルの入口と出口を結合させてもらったわ。つまり今ここは輪っかになってる感じかしら」
ソイツは人差し指をピンと立て、くるりと輪を描きながらそう告げた。
なにを言ってるんだ?こいつは。
「とりあえず、ここから出すわね」
そう言うと彼女はスキマを広げてそこにシュウを突き飛ばした。
「大丈夫、幻想郷は全てを受け入れるから」
幻想郷…?まさかな…。でも今のはたしか、八雲――。
そんな事を考えながらスキマへと落ちていった。
違う!違うんだ!
シュウはこんなキャラじゃないんだ!
ただ、戦争の所為で荒れてるだけなんだ!
幻想郷では本来のシュウがみられると思います。
こんな感じでやっていきます。定期更新は出来ないかもですが。
ゆっくり見守っていってね!