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比べ者 (詩)
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ひとはね
なんでもくらべたくなるんです
あの子のほうが はやく走った
あの子のほうが きれいな服を着てる
あの子のほうが 大きなおうちに住んでる
そうして
くらべるたびに
自分が小さくなるような気がして
胸がちくんとするのです
そんな時 俺は周りを見てみるんだ
ウサギは シカの角をうらやましがります
シカは キツネのしなやかさにあこがれます
キツネは リスの木登りをながめています
リスは ウサギの長い耳をいいなあとおもいます
でもね どれだけ望んでも
どの子も 自分のからだでしか
走ったり 笑ったりできないのです
今日も俺は
ファミマの無地Tを着て
セブンのアイスコーヒーを飲み
アメスピを吸います
そのときのしあわせを
だれかの高いコーヒーと
くらべるひつようなんてありません
だって この瞬間
この香りと煙は
俺のためだけに立ちのぼっているからです
だからね 自分の好きなものを
だれかとくらべなくていいんです
今日の俺はいまの俺を
好きだと言えるといいな。




