流れ星 (詩)
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流れ星は いつも急いでて
俺の「ねえ」なんて、聞いてくれない。
あれはただのガスの粒だって、ネットが言ってたけど、
小さい頃の俺には、なんでも叶えてくれる友達だった。
大人になった今、やっと気づいた。
あの星も、きっと俺から逃げてた。
だって毎晩 「有名になりたい」とか「金がほしい」とか、
同じような願いばっか 投げてくるからさ。
そりゃ逃げるわ、あの子も。
願われすぎてバーンアウトだよ。
たまには「ゆっくり休んでね」って言ってあげれば、
もう少し長く、光ってくれたのかな。
それでも俺は、まだ祈ってる。
コンビニ帰りにパーカーのポケットの奥で手を組んで、「今日も何も起きませんように」って。
夢をあきらめた大人のくせして、
静かに、ひっそり、希望のクセが抜けない。
娘が昨日、同じように祈ってた。
「私の描いた絵が宇宙に届きますように」って。
笑いそうになって、泣きそうになって、
缶コーヒー開けたら、中身がはじけた。
その音が、流れ星みたいだった。
ほんの一瞬だけで、儚く消えてった。
叶わない願いも、けっこう悪くない。
だってこうして、
今夜の缶コーヒーが、ちょっとだけ旨いんだ。
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