表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
短編集  作者: 星 見人
3/80

白と黒 (詩)

見て頂きありがとうございます。作る励みになりますので、良かったらブックマークと評価よろしくお願いします。


 この世界は絵の具、極彩色の輪廻図

極楽と地獄の境、踏み越えるのは真の素

俺は白、何者でもない空白の素粒子

だが手を染めた瞬間から、逃れられぬ業の譜


金色の声が囁く「ここが天国、甘く咲く」

欲望に濡れた蜜、それを愛と誰かが書く

笑顔の裏に影が鳴く、仏の顔がやがて割る

平和に見えたその景色も、俺の中で錆びて咲く


紅蓮の地に堕ちた夜、慟哭の業火が身を裂く

嘘が焼け、言葉が詫び、沈黙だけが真を語る

「ここが地獄」と誰か叫ぶ、俺にはただの輪郭

だってこの色も俺のもの、誰かに塗られたものじゃなく


輪廻の筆は止まらずに、善悪さえも薄くなる

極と極、振れ幅の中 ただ一人で浮かぶ舟

救いを問う、その問いこそ 苦の種をまた撒く術

悟りとは、無に帰ること? それとも生を編む術?


白に戻りたくて、俺は何度も手を洗う

だが落ちないこの黒こそが、俺の今を語る色

もし白が無知と呼ばれるなら、この黒は知った罪の都

でもその黒の底にさえ、仏の灯りが一つ宿る


だから俺は描く、もう逃げない、闇の先に筆を振る

極楽も地獄も紙一重、この命で綴る言葉

黒く汚れたこの手から、新しい白をまた塗る

それがもし誰かの祈りになるなら、

地獄でさえも、俺は生きて歌う


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ