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短編集  作者: 星 見人
27/81

写るな 写すな (都市伝説)


 「ストーリー、やばいもん写ってんぞ」


深夜1時、松永からのLINEが届いた。

俺がさっき投稿したストーリー動画。

終電を逃して歩いて帰る途中、自撮りでふざけて上げたやつだった。


「何が? 俺しか写ってねぇよ」


「、、スローで見てみ」


言われた通り確認して、ゾッとした。

0.8秒目、俺の後ろのビルの隙間。

白い服の誰かが、ピースして、笑っていた。




翌日から変なことが続いた。


自販機のガラス、電車の窓、スマホのホーム画面。

一瞬だけ、何かが[俺の後ろ]に映る。


最初はぼんやりした影だった。

でも徐々に、はっきりしてきた。

白い服、黒髪、のっぺりとした顔。


こっちを見て、笑っている。


俺はストーリーをすぐに削除したが、意味はなかった。

それは、ずっと俺の背後にいた。




「なあ松永、あの動画、、なんなんだよ」


呼び出して問い詰めると、奴は明らかに動揺していた。


「、、ごめん、送ってないやつ、まだあるんだ」


スマホを渡された。


そこには、俺のストーリーをフレーム単位でスロー再生した動画。

0.8秒目、白い服の、それが確かに笑っている。

しかも目が、見ている俺と「バチッ」と合っている気がした。


俺は「ふざけんな……なんで黙ってた」と言うと、

松永は「写った人間は、次の[写り手]になるって話、知ってるか?」と返した。


「、、は?」


「誰かの後ろにそれが写る。で、次はその写った人間が、別の誰かの後ろに、、」


「つまり、写った時点で、、もう、俺の番ってことか」


その晩、なぜか松永が失踪した。




警察の聞き込みも空振りだった。

上司は俺を疑ったが、証拠も動機もなかった。


ただ、気になったのは警察がポツリと漏らした一言。


「この1年、同じような失踪が7件あるんです。

いずれも、最後にSNSのストーリーを投稿してる。

内容は、、夜道での自撮り。

で、どれも、、誰かが[後ろに写ってる]って通報されてる」


それを聞いて、ようやく気づいた。

これは都市伝説なんかじゃない。

「写る」という行為が、何かを招く。


写すな。写るな。

じゃなきゃ、次はお前が[そこに立つ]番だ。




そして、今。

俺はこの最後の動画を投稿する。

動画の冒頭にはこうテロップを入れた。


[スクショ厳禁]


再生ボタンを押すと、俺が深夜の路地裏で自撮りをしている。

1秒目、俺の右後ろに、何かが写る。


白い服。黒髪。

にやけた顔で、ピース。


俺は画面を一時停止し、拡大した。


その顔は、、松永だった。


彼はもう、[向こう側」にいた。


画面の奥から、まるで俺にバトンを渡すように、笑っていた。



「な? 次は、お前の番だ!」

「くれぐれも夜道の撮影にはお気をつけください、、」


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