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夜を超えて (詩)
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西へと歩む あの人は
沈む夕日のふりをした
声のない旅人で
ただ静かに 今日を抱いていた
「ポッケ重そうだね?預かろうか?」
そう言われた気がした
ポッケにパンパンに詰めた
涙の形 言えなかった本音
そのすべてを そっと託した
光と影が混ざり合い
空は知らない色に染まる
渡し人はふり向かずに
「預かったよ」とだけ
夜は繭のように降りてきて
世界はみんなうつむいた
だけど胸のどこかで
誰もが静かにこう思った
この夜を超えられたなら
また朝日が見れたなら
こんな憂鬱も 少しは変わるのかな?
やがて東から 朝の人が来る
名前も知らない光を連れて
「きょうもここまで よく来たね」
そんな声が 胸を照らす
だから大丈夫 今日を越えて
見えない誰かも 同じように越えてる
泣いたぶんだけ 火を灯して
みんなで また歩いて行こう




