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「またね」 (詩)
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「またね」
白い部屋、少し開いた窓
風がひとつ、名もない花を揺らす
言葉を探して見つからなくて
目を伏せたまま立ち尽くすだけ
時計の針が動くたび
昨日と今日がすこしずれる
声にならない、呼吸の奥で
「またね」がそっと、芽吹いていた
「またね」って、言えたから
涙を流さず、いられたんだ
じゃーね、よりも深い場所で
光も音も、君を抱いてた
靴音が静かに地面を打つ
誰もが何も言わずに帰る
君の好きだった空の色
今日も変わらず、まぶしすぎる
「次はいつ?」は、訊かないままで
ただ、この余白にそっと書く
またね、
またね、
またね、