中島みゆきの「慟哭」を聴くとロックを感じた!
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最近、暑くてむしむしして毎日うっとうしいですね。
もう外へ出るとむあぁあっと、エアコンの排出する汚れた空気の中を歩いている気分です。
先日、私は某テレビ局で中島みゆき特集を見て、久々に彼女の歌を聴きたくなってCDを購入しました。
私は世代がら未だにCD派なんです。
若い人だとCDすら知らない人もいるだろうが。
うふ、意外とまだ販売しているのです。
きっと未だに需要があるのでしょうね。CDラジカセも電気店で置いてあるし。
形のある物って落ち着きます。CDなら棚にコレクションして眺めて楽しめる。
音楽を聴く時はジャケットがあって歌詞とライナーノーツがあるとホッとする。
やはり若い時LPを購入していたからか1980年代後半、CDですら初めて購入した時は「わああ、とってもコンパクトでデジタルだなぁ」と手に取った時、不思議な感覚を覚えてます。
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それで、中島みゆきのベストってあるのかなとネット検索したら「大吟醸」がヒットしました。
ふむ「大吟醸」か。
ミーハーの私がどこかで聞いた事あるアルバムなのだから、ヒットしたのだろう。
ふむ、どんな曲が入っているの?
おお、私の好きな「悪女」「時代」「わかれうた」「ひとり上手」「狼になりたい」が入ってる。
若い頃カラオケで歌ってたな、好きな曲ばかりだなとにんまり。即、購入しました。
全曲聞いてとっても満足しました。
私の中ではこのCDはベストというだけあって好きな曲ばかりでした。
その中で私が初めて聴いた曲が一曲ありました。
タイトルにある「慟哭」です。
この曲、昔アイドルだった工藤静香が歌ってヒットしたシングル曲だから、音楽番組で何度か聴いたことはありました。
だが、歌詞を書いた中島みゆき自身が歌ってるのは知らなかったのです。
( 曲も中島みゆきかと思ったら歌詞だけ。作曲は後藤次利 )
いやあああ、はじめて聴いた時、この歌が工藤静香と同じ「慟哭」とは思えなかった。
(@_@;)))
ガーンとハンマーで殴られたような衝撃でしたわ!
何ですか? これは!
この歌、聴いた人います?(もちろんいますよね!)
この「慟哭」、中島みゆきの歌い方が、泣くほどメチャカッコいいんですよおお!!
(ToT)/~~~(ToT)/~~~(ToT)/~~~(ToT)/~~~!
もうねえ、おったまげええええええええなんですよ!!
ちょっと歌詞カードを見ないと何言ってるのかわからないくらいシャウトしてる。ん? シャウト? あ、ちと違うな……とにかく日本語に聞こえない(笑)
歌い方の崩し方が特長的というか、みゆきさん、貴方ったらなんちゅうパフォーマンスの声だよって!
リズムもタイミングも全て崩しているというか。
少なくとも私が知っている中島みゆきのイメージではなかったです。
昔、彼女の「うらみ・ます」「ファイト!」「世情」を初めて聴いた時──。
これらの歌も凄いショック受けたけど、それとはまた違う。
私が表現できる言葉で一番言い得て妙だったのは強烈な「ロック」でした。
それも私の印象ではハードロックを通り越してパンクロック。
それもビートのゆったりとした「セックスピストルズ?」いやいや稚拙な表現だなぁ。(~_~;))
ただ私にはこの曲の根底には──
「あたしはあんたが好きだけど、あんたはあたしの気持ちなんか、全然わかってないんだよ、コノヤロー!!」みたいな。
ドヤった女の叫びの歌、ヤバヤバのパンクロックでした!
そのくらいヤバいよ、みゆき嬢の歌い方!!
もしかして中島みゆき様は魔女かしら?
ああ、誰かに今すぐ聴いて欲しいくらい、そしてこのドキドキ感を誰かと共有したい!
セリフのような「慟哭」の歌詞を早口で敢えて砕かして囁く。すごい怒りを男に叩きつけてるような歌い方!
これぞまさにロック!
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「慟哭」は歌詞を読むと、男に失恋した女の悲哀の歌なんです。
でも全然女々しくないの(笑)
女々しいどころか、ヒロインは自分を振った男をギターでぶんなぐってるような感じ。
とにかく恐い! とにかく凄い! とにかくパワフル!
もう本当、工藤静香の歌い方がノーマル(正常)だとすると、中島みゆきの歌い方はアブノーマルもいっちゃってる感じです。
(少々言い方悪かったですね。中島みゆきさんのファンの人ゴメンなさい!)
でもこの歌は彼女が書いた「詩」なんです。
多分、彼女の想いがこの歌詞通りならば、やはり中島みゆきさん本人の歌い方がベストなんですよ。
その、彼女の芸術性がすさまじさが垣間見えて、私は聴いてて身震いしました。
もう気に入っちゃって、さっきからこの曲ばかりかけてます。何度も何度も聴いててゾクゾク身震いしてます。
エレキギターのサウンドを前面に出す、その唸り音と中島みゆきの失恋ソングはアンタッチャブル!
まさに慟哭、悲しみに耐えきれず激しく泣き叫ぶ女が、聴いてるとそこに確かに存在していました。
そう、中島みゆきの歌はまるで物語みたい。
一つのストーリーがある。
このアルバムの次の曲が「狼になりたい」なんですが(これも超有名曲)「慟哭」のあと「狼になりたい」を聞くと口があんぐりですよ。(@_@;)
「狼になりたい」を切々と歌う中島みゆきの静かな出だしの声と、激しく「慟哭」を歌う同一人物とは思えなかった。
いやあ「慟哭」がこんなにパワフルな歌だとは夢にも思わなかったです。
また一つ偉大なる歌姫、中島みゆき様の凄さに出会えた喜びでした。
*追記:当分この曲をBGMにして次の作品書けそうです。愛に裏切られた女の復讐と情念を書きたかったので。
最後まで読んでくださってありがとうございました。




