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配信テイマー、我が道を行く!〜戻って来いと言われても知りません!僕は大切な仲間と一緒に冒険してるんだから!  作者: ゆん。
第六章

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少年テイマー、ロストガルーダの巣へ

「貴方達は!戻って来てくれたんですね!」


「はい!」


 僕達はトロールを倒した村に立ち寄る。そうしたら、最初に会ったおじいさんがこっちに来てくれたよ!


「どうでしたか?街の職員さんには、ちゃんと伝えてもらえましたか……?」


「はい!ロットンさんがしっかりフェイクさんに伝えました!しばらくすれば、こちらに職員さんが来てくれると思います。」


「よ、良かった!助かりました!」



「ありがとうございます。それで、あれからトロールはどうでしょうか?」


 僕はトロール達の事を聞いた。もし暴れているなら、また倒す必要が出てくるかもしれない。でも、トロールも被害者なんだよね……。早くロストガルーダの所へ行かなきゃ!


「そ、それが……。」


「それが?」


「ウゴォォ!」







「おい、この声は!」


「トロールだよ!?ミー達様子を見てくるね!」


「あっ、待って下さい!」


 聞こえて来たトロールの声。僕達三人はその方向へ向かって走っていった。














「わーい!わーい!」


「ぼくもー!」


「ウゴォォ!ウゴォォ!」









「ありがたいねぇ……。そこの土も掘ってくれないかい?」


「ウゴォォ?ゴォォ!」








 …………トロール達は、村の子ども達と一緒に遊んだり、一緒に作物の世話をしていた。村の人達も、トロールも、何だが楽しそうだ!




「こ、これは……!」


「ええ。貴方達が帰った後、トロール達が村の手伝いをしてくれるようになったんです。魔物は怖いものと思ってましたが、付き合ってみたら意外と通じるものなんですな。」



「そう!そうなんですよ!人と同じで、魔物にも悪い魔物だけじゃなくて、いい魔物もいっぱい居るんですよ!つまり……」


「先生!今はもっと急ぐ事があるだろ!夜までに街に戻らないといけないんだから!」


「あっ……ごめんなさい……。」



 つい興奮しちゃった。でも、人と魔物が仲良くしてるのを見ると……凄く嬉しいなあ!









 それから僕達は、前にロットンさんが借りた小屋に入る。ラルフさんはここで待機、僕達は……。


「じゃあ、俺はここで待ってるから!早く行って来いよ!」


「はい!行ってきます!」


「寂しくなったら泣いていいんだよ?よしよし。」


「あのなぁ……俺にはタルトが居るから大丈夫だよ。ほら、早く早く!」


「じゃあ、行きますよミーさん!」


「う、うん!頑張るよ!」


 僕達は山に向けて出発!目的地はもちろん、ロストガルーダの巣だ!













「レル?結構きついから、ちゃんとついてきてね!」


「わん!わん!」


「こっちこっち!早くしないと!」



 僕は今、ミーさんと一緒に山を探索中。木々を抜け、坂を登り、ゴツゴツとした岩場を走り……ミーさんこんな所で配信してたんだね。


「あそこがミーの配信してた川だよ!お魚がいっぱい採れるんだよ!今度採ってあげるね!」


「お願いします。レルー、ちょっとお水飲んでこー?」


「わふー!」


 レルと二人で川の水を飲む。うーん……新鮮でおいしい!水筒にも淹れておこう!


「はい、ミーさんの分ですよ!」


「ありがとー!ミーも飲むよ!」


「それで、ロストガルーダの巣はどの辺りに?」


「もう少しだよ!ここを超えて、急な坂を登ると岩場があるの。そこに隠れてるんだ!早く行こうよ!」


「はい!」




 そして僕達はまた山を登り……遂に、ロストガルーダの住む岩場に辿り着いた!















「よし。レル、お願い!」


「わん!」


 まずはレルを先頭にして、周りを探る。ロストガルーダが居てくれれば、そこで話し合いを……。すると小さい穴から、よちよちと鳥の魔物が歩いて来た。この子はロストガルーダの赤ちゃんだ!



「うぴゃ?」


「わふ?わん!わん!」


「うぴゃぁぁ。」


「ぴぃ?」



 あっ増えた。もう一人居たんだね。






「わん!わん!」


「ぴぃ!」


「うぴゃぁぁぁ?」


「わふ!?わん!わん!」


「ぴぃぃぃぃぃ!ぴぃぃぃぃぃ!」


「うぴゃぁぁぁ!うぴゃぁぁぁ!」






「……なんかこれ、まずくない?」


「大丈夫……交渉は上手くいってます。もう少し、もう少しです……。」








「わん!わん!わふー!」


「ぴぃ!?ぴぃ、ぴぃ!」


「うぴゃぁぁぁ!」




 そして二人は大きな洞窟の中へ。しばらくすると、ドシンドシンと、地面を踏む音が響いてきた。く、来る……!














「ウギャァァァ?」


「ぴぃ!」


「うぴゃぁぁ!」



 来た……ロストガルーダ!すかさず僕はロストガルーダの前に飛び出す。交渉開始だ!







「あの!すみません!」


「ウギャ……ウギャァァァ!?」


 やっぱり覚えてるよね……僕達と戦った事も……。




「ウギャァァァ!」


「ま、待って!僕は話をしたくて来たの!戦う気は無いよ!」


 ロストガルーダは立ち上がり、僕達を見下ろしている。今にも襲って来そうな威圧感。でも、ここで退くわけにはいかない!



「君の探していた子が見つかったんだ!だから、ここまで返しに来たんだよ!」


「わん!わん!」


「ウギャァァァ!ウギャァァァ!!」




 話が通じてないのかも!それはそうだよね。僕達は一度戦った。まして隣に居るのは……。



「て、ティム……。これは怒ってるよね……。」


「それは……言い方は悪いですけど、ミーさんが卵を取ったのは事実ですし……。」


「ウギャァァァ!」






「わん!わん!」


「ウギャァァァ?」


「本当だよ!この人は悪い人から卵を守ろうとしたんだよ!」


「ウギャァァァァァァ!」


「そ、それは急に来たから敵だと思って……。だから、今返しに来たんだ!お願い、話を聞いて!」


「ウギャ……。」



 落ち着いた……かな?なら今のうちに!





「ミーさん!早く卵を!」


「う、うん!」


 ミーさんは卵を持ち、それをそっとロストガルーダの側へ運ぶ。そのまま置いて、両手を挙げながら僕達の所まで戻って来た!



「あの時はああしないと、ま、また悪い人が来ると思ってたの。でも、あ、あなたが来た時には返せなかったの……。それどころか、村に来たからって、な、投げ飛ばしちゃったの……。」


「ウギャァァァ……。」


「それで……ううん、こんなのただの言い訳。ミーは……あなたに卵を返せなかった!ごめんなさい!」


 ミーさんは地面に座って、頭を下げた。僕も一緒に座って、ロストガルーダの反応を見る。



「わん!わん!」


「ウギャァァァ?」


「ぴぃ!ぴぃぃ!」


「うぴゃぁぁぁ!うぴゃぁぁぁ!」


「ウギャァァァ…………。」


 ロストガルーダは卵に目を向ける。そこには、自分の子ども達が卵の周りを、くるくる回っている姿があった。



 その目は……子どもを心配する親の目……優しい目だった。










「ウギャァァァ。」


「えっ?」


「ウギャァァァ!ウギャァァァ!」


「そ、それでは……。でも……。」


「な、何て言ってるの?」




 固まるミーさん。僕は、ロストガルーダが何を言っているかを伝える事にした。



「事情は分かった。なら自分も悪い奴の所に連れて行けって。」


「え、ええ?」


「……この手で殴ってやるって。」


「ええ!?」



 これは……どうしよう……。僕達はしばらくこの場に固まっていた。

今回も読んで頂き、ありがとうございます。続きが気になる、面白かったと思って頂ければ幸いです。もしよろしければ、ブックマーク、評価を入れて頂ければ嬉しく思います。

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