表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
配信テイマー、我が道を行く!〜戻って来いと言われても知りません!僕は大切な仲間と一緒に冒険してるんだから!  作者: ゆん。
第六章

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

96/279

作戦会議、黒幕を探る方法は

 僕達は静かに、ロットンさんが口を開けるのを待つ。ロットンさんは緊張してるのか、何回も深呼吸をしていた。




「まず、俺達はここで帰還するように通達があった。」


「ええーっ!何でよ、こんな状況で帰るの!?」


「ああ、そうするようにフェイクに言われたんだよ。」


「あっ呼び捨てしてる。」


「今は仕事じゃねぇからな。」


 ロットンさんはラルフさんの言葉を流し、机にたくさんのメモを置く。フォージャーさんは、それを見て質問していた。



「ロットン、これは?」


「はい。これは私がフェイクについて調べたのですがね……この街の前のリーダー、最近亡くなっていますよね?」


「はい。ご病気が急に悪化したとの事です。」


「ですよね。これを。」


 ロットンさんは机に新聞の記事を乗せる。



「フェイクと前のリーダー、武器の生産で揉めていたらしい。フェイクは今より生産を増やすべきだと主張し、リーダーと対立してたんだ。」


「それがどうしたんだ?今回とは関係無いだろ?」


「まあ聞け。理由は分からんがその後リーダーは死亡、実権を握ったフェイクは真っ先に武器工場のアップグレードを始めたんだ。これが偶然とは思えない。何か手を回して、リーダーを暗殺したのかもな。」


「そうなのか?……それと何か関係が?」


 首を傾げるラルフさん。ロットンさんは少し苛立ってきた。




「黙って聞いてろ!それには多額の金が必要なんだよ。だが現状、武器を売るだけでは上手く資金が集まらないんだ。そりゃそうだろ、給料とか素材の購入で、思ったよりも使っちまうからな。それで考えたのが……ロストガルーダの卵だ。」


「「えっ!?」」


 僕とミーさんは同時に反応する。だって、関係無さそうだもん!







「ちょっと調べたが、ロストガルーダの卵って物凄く高く売れるんだよ。幸運のおまもりになるみたいでな。だが、奴の住処周辺の環境が大変な事になる。だから冒険者や配信者での動向調査に留めているんだ。」



「それを……アップグレードの資金にする気か!」


「そういう事だ。だから、あの人さらい達に頼んで入手しようと企んだ訳だ。」


「……何で人さらいなんだ?」


「さっき言ったろ?普通の冒険者や配信者は受けないし、資金はたくさん欲しいのさ。稼ぐのに手段は関係無いんだよ。」


「マジかよ……。」












「ちょっと待って下さい!リーダーがそんな事をするわけがない!」


フォージャーさんは声を上げる。自分のリーダーが疑われてるんだから、怒るのは当たり前だよね。


「しかし、私が人さらい達を拘束した時、フェイクはタイミング良く現れ、奴らを撃ち抜いた。しかも、牢から出したのは誰か、それを聞くタイミングで。」


「そ、そうなんですか!?」


「ええ。更に奴らは、この街に仲間が居ると言っていた。上手く一般人に紛れたのかもしれないが、ここの職員達が常に目を光らせている。怪しい素振りを見せれば警戒出来たはず。」


「まさか……いや、そんな馬鹿な……。」


「直接リーダーが隠してたなら納得がいく。そして何より……。」




 ロットンさんは、大きく息を吸って、口を開いた。





「フェイクは俺達が帰ると言った時、慌てて引き留めたよな?」


「ロットンさん、それはこの街の観光を楽しんで欲しいってフェイクさんが……。」


「ティム君も少し静かに聞いてくれ。あの場で連れて帰ったら、そのまま秘密が漏れると思ったんだろう。ここに留めて暴れされ、俺達を始末出来ればそれで良し、駄目なら鎮圧名目で奴らを始末すればいい。一応筋は通る。」


「でも……。」









 するとロットンさんは、窓から外を覗く。



「最も、これは俺の妄想だ。だから明日の夜……直接街役場を叩く。」


「えっ?」


「はあ!?何言ってんだお前!?」


 キョトンとしているフォージャーさん、一方のラルフさんは驚いてひっくり返ってしまった。





「奴がロストガルーダの卵を狙ってるなら、偉ーいお方との取引の証文が絶対ある。あの男ならきっちり証拠を持っているはず。証拠があれば無理やり引っ張れるだろ?」




 その後ロットンさんは、僕達の方を見た。





「で、お前達には最初に言った通り、ここで帰ってもらおう。ここからは俺一人でやる。」


「ロットン……。」


「悪いな。ただの昇格試験だったのに、ここまで大事になるとは思わなかったんだ。これ以上巻き込む訳にはいかないんだよ。」


「でも、」


「分かったな?お前達五人には今日別の部屋を取ってある。そこで休んで、明日帰るように。」


「うーん……。」




 そして彼は、フォージャーさんと二人きりになり、僕達は三人で別の部屋に行く事になった。





















「なあ、どうする?俺達、帰った方がいいのかな?」


「はい、帰りましょう。」


「先生?」


驚くラルフさんに、僕は言葉を続ける。


「はい。僕達が居なくなれば、敵の警戒はロットンさんに集中する。そうすれば……また僕達が入っても気づかないかもしれません。」


「ねーティム、それって。」




 でも、ここまで来て……僕達だけ帰るわけにはいかないよ!


「ロットンさんとは別方向から、その証文を狙うんです。それがあれば、黒幕を暴く事が出来る!」


「マジかよ!?」


「でも、これは危険な賭けです。僕達はやりますが、ラルフさんはどうしますか?」


「わん!わん!」


「かめ?」


「俺は……。ちょっと考えさせてくれ。」


 うん、やっぱり悩むよね……。









「ねー二人とも。ちょっと相談があるんだけど……。」


「どうしたミー?お前も悩んでるのか?」


「いや、その……。」


「何だよ相談って。早く教えてくれよ!」


 ラルフさんはミーさんを急かす。すると……。




「うん、これの事なんだけどね……。」


 ミーさんは配信の機材を入れているカバンを取り出す。そこから出てきたのは……。









 両手に乗る位のサイズの、小さい卵だった。

今回も読んで頂き、ありがとうございます。続きが気になる、面白かったと思って頂ければ幸いです。もしよろしければ、ブックマーク、評価を入れて頂ければ嬉しく思います。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ