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配信テイマー、我が道を行く!〜戻って来いと言われても知りません!僕は大切な仲間と一緒に冒険してるんだから!  作者: ゆん。
第六章

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少年テイマー、皆と合流する……

「これで終わりだよ!それーっ!」


「グェッ!」



「そこだっ!」


「ギャッ!」


 僕とレル、ミーさんの三人で、病院での戦いをしている最中……数は多いけど、思ったよりも強くない?これなら全員捕まえられそうだ!



「だ、駄目だ、強い!皆逃げるぞ!」


「「「オウ!」」」


 人さらい達は一斉に後ろを向き、廊下を戻っていく。でも、レルが素早く抜き去り、奴らの前にまわり込んだ!



「ガゥゥゥ!わん!わん!」


「ヒィッ!?」


 人さらい達の動きが止まり、前後を見渡している。前にはレル、後ろには僕とミーさん!これで逃げ場は無くなったぞ!



「やっと追いついたよ、先生!この状況は……よし分かった!お前達、もう逃げられないぞ!」


「かめ!」


 やった!ラルフさんとタルトだ、完璧なタイミングだよ!


「ま、またガキが増えた……。こうなったら強行突破だ!」




 ヤケになったのか、奴らはラルフさんの方へ突進する。タルトとレルが反撃の構えをとり、ラルフさんも剣を抜く。



「行くぞ!タルト、レル、頼む!」


「かめ!」


「わん!」



 僕達も後ろから攻撃する。これで全員捕まえれば、黒幕の正体が分かるかもしれない!








「お前達は!何て事をするんだ!絶対に許さないぞ!」





 えっ?




「はぎゃぁぁ!?」


「ガッ!?」


「グェッ!?」





 な、何!?









「我々の街を……よくも、よくもォォォ!」


 あれは……フォージャーさん!?フォージャーさんがラルフさんの後ろから!?



「な、何がどうなって……。」


「いやだ!助けてくれ!」


「えっ!」


 人さらいの一人が僕にしがみついてきた。な、何で……?


「頼む!何でも言う事を聞くから、殺さないでくれ!」



 そう言っている間に、フォージャーさんは人さらい達をどんどん斬り伏せてゆく。逃げ場のない中、奴らはフォージャーさんに怯えていた。



「くそっ……このうべぶぅ!?」


「き、聞いてないぞ!なんボキャァ!?」


 剣を振り、的確に急所を狙うフォージャーさん。動きも速い……。





「す、ストップですフォージャーさん!この人達は捕まえないと!」


「うぉぉぉぉぉ!」


 駄目だ、止まらない!このままじゃまずい!ブレードを持って、僕はフォージャーさんに近づいた。



「駄目ですフォージャーさん!」


「どけぇぇぇぇ!」


「うわっ!?」


 僕はフォージャーさんに突き飛ばされ、壁にぶつかってしまった。そして目を開けると……彼は人さらい達全員を仕留めていた。









「ハァ……ハァ……。」


「フォージャーさん……。」


「す、すごい!みんなやっつけちゃったよ!」


「よかった、これでこっちは大丈夫だな!」



 ミーさんもラルフさんも、二人で喜びあっている。確かに、ここの人達は守れた。でも……。








「フォージャーさん。」


「ハハ……ごめんねティム、君を突き飛ばしてしまったよ……。」


「それはいいんです。どうして皆を?」


「うん。何だか、こう、怒りが湧いてきちゃったんだよ……。」


 フォージャーさんは目を伏せていたけど、その目には涙が溜まっていた。






「ここは私の大好きな街だ。街の人も皆いい人ばかりだしね。なのにこんな酷い事を……どうしても許せなかったんだよ……。」


「フォージャーさん。」


「ハハ……門番失格だな。観光案内に夢中で、奴らに気づけなかったんだから。本当に、ごめんなさい……。」



 そうだ……元々フォージャーさんは門番さん。何でこの人を僕達の案内担当に?まさか、フェイクさんが関係してるのかな……?





「先生、フォージャーさん!早く行くぞ!病院の外を確認しなきゃな!」


「ラルフさん……。はい!今行きます!フォージャーさんも一緒に!」


「ううん。私はここに居るよ。残党が残ってないか確認しないとね。もし居たら、その時はちゃんと峰打ちにするから……。」


「お願いします。レル、急ごう!」


「わん!」



 ミーさんとフォージャーさんを病院へ残して、僕達は

 一度、ロットンさんの方へ向かうことにしたんだ。












 そして今、ロットンさんの所へ戻って来た。すると彼の周りは地面が盛り上がり、たくさん穴が空いていた。


「ロットン!無事か!?」


「やあ……まあな、俺は強いからな。」


「ここの人さらい達は?皆捕まえましたか?」


「悪い、それは出来なかった。」


「先生、しょうがないだろ?あんな人数、やらなきゃこっちがやられてるよ。」


「いや……。」




 どこかロットンさんの様子がおかしい。少しの沈黙の後、彼は口を開いた。






「死んだよ。フェイク達役場の職員によってな。」


「「えっ?」」


「わふ?」


「かめ?」











 それからちょっとして、ミーさんとフォージャーさんも合流した。僕達は荒れた街を歩きながら、今後について考える事に。




「病院の人達、怪我も無くてよかったよー!今は元通り、病室に戻ってるよ!」


「残党も確認できなかった。私が倒したのが全員だったようだね。」


「な、何とか終わりましたね。でも、これはおかしいです!だって、これだけの大事なら絶対黒幕が居そうなのに、何で殺してしまったのか……。」


「先生、そんなに気になるのか?最優先は街の人達の安全だぞ!」


「それはそうですけど……。」



 僕達はそれぞれ話し合う。すると、ロットンさんが何か決意したような表情で、こっちを向いた。




「それについてだが……今からお前達に相談したい事があるんだ。一緒に宿まで来てもらっていいか?」


「ミー達に?」


「ああ。重要な事だ。……フォージャーさん、貴方にも来て欲しいのですが、お願い出来ますか?」


「私も?……いえ、行きます。この状況、何か異様です。ロットンの言いたい事は……。」


 フォージャーさんの言葉にロットンさんは頷き、それからは無言で宿屋に戻る。







「よし、誰も入れないな?」


「ああ。バッチリ戸締まりもしてある。」


 ロットンさんとラルフさんで部屋を確認。音が漏れないようにした後、ミーさんがお菓子の袋を用意していた。


「ミーって緊張感無いよな。」


「難しい話をするなら、おいしいものを用意しないとね!」


 そう言うミーさんも、袋を開ける手が震えている。ミーさんなりに、不安を紛らわそうとしてるんだ……。




「じゃあ……始めるぞ。」


 ロットンさんが話し始める。ちゃんと聞いておかないと。僕達は彼の発言に、耳を傾ける事にした。



今回も読んで頂き、ありがとうございます。続きが気になる、面白かったと思って頂ければ幸いです。もしよろしければ、ブックマーク、評価を入れて頂ければ嬉しく思います。

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