配信者三人、レストランへ
「さあ!次はここだよ!どんどん召し上がれ!」
「「「おおー!」」」
「わん?」
「か、かめ。」
次にフォージャーさんに案内されたのは、やっぱりドーム型の建物。カラフルに塗られたその建物の中には、何と!たくさんの料理が置いてあるんだ!料理は自分でお皿に取り分け、好きな量を食べられる形式なんだね。定期的に店員さんが来て、新しい料理を追加しているよ!
「ここにある物は好きに取ってもらっていいよ。お金は今回は必要無いからね!」
「おっしゃあ!飯だ飯だ!」
「ミーもごはん!色々食べるぞー!」
ラルフさんとミーさんは二人でお皿を取り、早速料理の並んでいる場所に走っていった。
「あの、ここって魔物は入っていいんでしょうか?」
「もちろん!ここは王国とは違うからね。ルールを守ってくれれば歓迎するよ!」
「ありがとうございます!行こうレル!僕達もたくさん食べるぞー!」
「わん!」
僕もお皿を持って二人の所へ!さあ、何を食べようかな?
「皆楽しそうで良かったよ!でも、あのロットンって人はどこに行ってるんだ?皆でご飯を食べた方が旨いのにね。役場の仕事って大変なんだなあ。」
フォージャーさんは一言呟いていた。ロットンさんも来ればよかったのに……。
◇◇◇
「みんな見てるー?ミーは今、カーノンの街でご飯を食べてるよ!ミーのオススメはこのピザ!ハムもハーブもおいしいけど、一番はこのチーズの乗った生地!耳がふわふわでおいし熱っ!?」
「ミー!?顔にチーズかかってるぞ!?」
「あー!このチーズトロトロでおいしいけど、ちょっと熱すぎだよー!」
「ピザだから熱いに決まってるだろ。上に持ち上げないで、普通に食べればいいだろ?」
片手を上げ、ミーさんがピザを食べていると、そこからチーズがこぼれ落ちる。
「やーだー!こっちの方が見栄えがいいもん!」
「だったらほら。汚れてると見栄えが悪くなるぞ!」
「ぷぎゅ!?」
置いてあるナプキンを使い、顔に付いたチーズをつまむラルフさん。ミーさんはそれを見て怒っていた。
「ラルフ!ミーの食べもの取らないでー!」
「熱いって言ったのお前だろ!火傷したら痛いぞ!めちゃくちゃ痛いぞ!」
「うう……じゃあ我慢するよー。」
僕は二人の様子を見てると、二人は同時にこっちを向いた。
「ティム!ティムは何食べるの?ミーにも教えてよー!」
「あっそれ俺も気になる!先生何食べるんだ?」
「えっ!?な、内緒です!」
「駄目!みーせーろー!」
「わっ!?」
僕は慌ててお皿を後ろに隠すけど、ミーさんがそこに回り込む。……全く動きが見えなかった。やっぱりミーさんは強いんだね。
「あーーっ!」
「どうした!」
ラルフさんも来て、僕の背中を見る。
「……チキンと、ミルクかな?」
僕のお皿には、大きなチキンが乗ったプレートと、ミルクがたっぷり入ったコップが置いてあるんだ。
「はい……僕って小さいから、大きくなろうと思って、たくさん食べるようにしてるんです。でも、上手くいかなくて……。」
「「…………。」」
「どうするのラルフ!?ティムが傷ついてるよ!?」
「お、俺は悪くないぞ!覗いたのはミーじゃないか!」
「いいんです……いいんです……。」
「ああ!先生落ち込まないでくれ!きっと大きくなれるよ!」
それから僕達は食事の続きに入る。……何か腹が立ってきた!こうなったらたくさん食べて大きくなってやるぞ!僕は大きいお皿を持ち、更にたくさんのチキンをドカンと乗せる!
「えいっ!これを食べるぞー!」
「せ、先生!?食べ過ぎ、食べ過ぎだぞ!?」
「おお!ミーも負けないよ!」
「お前も煽るな!」
二人に負けるもんか!どんどん大きくなってやる!
「そうだよね!レル!」
「わふ?」
「かめ?」
……二人はのんびりとご飯を食べていた。プレートには野菜がたくさん。二人で交換しながら食べていた。
「かめー。」
「わん!」
◇◇◇
「武器の生産で、結構金がかかるみたいだな。これなら魔物の子どもを狙う理由にはなる、か。」
ロットンは民家の屋根に寝そべりながら、手元のメモに目を通す。それには街の人から聞いた話がまとめられている。どうやら、兵器工場の大幅なグレードアップの為、資金を集めているようだ。
「だが……子どもをさらえば探しに来るのは分かっているはず。いや、分かっているから武器を用意しているのか。なら……何故あの村に置かない?」
頭に浮かんだ疑問。だがロットンは屋根にそっと立ち上がる。
「分からん!どうも俺は考え事は苦手でね。もっと街を回ってみるか!」
ロットンは再び高速移動。追手が居ない事を確認しつつ、情報収集に戻るのだった。
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