表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
配信テイマー、我が道を行く!〜戻って来いと言われても知りません!僕は大切な仲間と一緒に冒険してるんだから!  作者: ゆん。
第六章

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

87/279

配信者三人、観光準備へ/報告と浮かぶ疑念

「ねーねー!ミー達でどこ行く?早く決めようよ!」


「俺は武具の売り場なんかを見てみたいな。ここで出来る装備は一級品だって言ってたし、なんか武器を買っておこうかな?」


「僕は道具を色々と見てみたいです。短剣もほとんど使っちゃいましたし。」


 僕達は一度宿屋に帰り、今は観光の為に準備中!どこを見て回ろうかな?




「ミーはごはーん!おいしい料理を探して配信するよ!二人もどう?」


「おっ、良いねそれ!俺もやろうかな!先生はどうする?」


「はい!やります!僕も食べたいです!」


「じゃあ、どこに行こうか?」


「そうだな……。」


 色々と見て回る前に、まずはご飯を食べないと!そう思って、僕達は宿屋にあった地図を探して、行き先を調べる。



「わん!わん!」


「かめー。」


 レルとタルトも一緒に受付へ。二人も楽しみなんだね!僕も今からわくわくしてきた、ちゃんと地図を確認しておこう!



「ありゃ、地図が無いぞ?」


「本当だ!一枚も無いよ!?こうなったら……ラルフ買って来てよ!」


「いや、ここはミーが行ってくれよ!」


「駄目だよ!ミーは怪我人だもん!」


「ええ……。」


 僕達が地図を探していると……。





「おお!ここに居ましたか!」


「貴方は……。」


 宿屋に居たのは門番さん!?何でここに?


「はい、私がリーダーより、貴方達のサポートをするよう指示を受けましたので。ここは私に任せて下さい!バッチリ名所をご紹介しましょう!」


「本当ですか!ならお願いします!」


「ああ、頼むぜ門番さん!」


 僕とラルフさんは門番さんから案内を受ける事にした。これで観光も安心だ!


「いや、しかし皆様大変でしたね。まさかトロールだけでなく、ロストガルーダまで現れるとは……。」


「まあ……俺なんか体が動かなくなっちゃったよ……。」


「大丈夫ですよラルフさん!きっとロットンさんが何とかしてくれます!」


「そうですよ!そういう時こそリフレッシュです!明日はお任せ下さい!では、失礼します!」


 そう言う門番さんの表情はとても楽しそうだった。







 それにしても、ロットンさん遅いなあ。フェイクさんとの話が長引いてるのかな。ロストガルーダの事もあるし、きっとそれ関連かも。のんびり待ってみよう。



















 ◇◇◇


「よし、皆帰ったな。」


「ロットン、どうしたんだ?報告は終わったのでは?」


「いえ、まだお伝えしていない事がありましてね。ソファーを借りますよ。」


 ロットンは部屋に二人だけになった事を確認して、フェイクへと話しかける。


「実は今回のクエスト、思ったよりも厄介そうなのです。そちらに用意した書類を見て頂きたい。」


「書類を?分かった。」


 フェイクは紙をペラペラとめくる。するとあるページでその手が止まる。


「ろ……ロストガルーダだと!?」


「ええ。」


「ロストガルーダがこの地域に……?いや、これとトロールと何か関係があるのか?」


「はい。村に来ていたトロール達、あれはロストガルーダから逃げて来たのです。山から降りて食料が足りなくなったから、あの村に来たと思います。」


 ロットンからの報告、それを受けフェイクは頭を抱えていた。



「ですからそれを踏まえて、あの村に支援をお願いします。後は防衛の為に、少し戦力を割いたほうが良いでしょう。」


「そうか。分かった、こちらで対応しよう。しかし、何故ロストガルーダが……。」







「それについてですが、どうやら子育ての為みたいですな。食料も豊富なあの山で、子どもを育てるのでしょう。」


「こ、子ども……?」


「そう、そこです。卵か雛かは知りませんが、見た所、奴の巣から子どもが居なくなっている。そして奴は森の中を探し回っていた。そのせいでトロール達が森の外に来たのでしょう。」


「そ、それではその子どもを見つければ……。」


「ええ。おそらくは森も平和になるでしょう。」



 ロットンの報告を聞き、フェイクは汗を流していた。身近にそんな脅威があるとは思っていなかったのだろう。



「では、私はここで失礼します。村の人達への支援、よろしくお願いします!」


「ああ、任せてくれ。」


 ロットンは報告を終え、扉に手を掛ける。すると、何か思い出したかのように手を叩き、もう一度フェイクの方を見た。





「…………ああ、そうだ。一つ言い忘れたことがありましたな。」


「……何だ?」








「子どもを山で探していたロストガルーダが、何故リスクのある村への襲撃を行ったのか、どうも気になりましてね。」


「……何が言いたい?」


「いえ、親は子どもの為なら何でもしますからね。……この件、おそらくこの街の人間が関わっているはずです。ロストガルーダの子ども、さぞ高く売れるでしょう。

 ……そう言えばそんな山の近く、私達が通ったもう一つの山に、たまたま人さらいが居ましてね。偶然でしょうか?」


「…………。」


 怒りの表情をするフェイク。それを見てか、ロットンは不敵な笑みを浮かべ、最後に一言付け足すのだった。






「何、ご心配無く!私はしっかりと警戒してますから!」















 ロットンが街役場から帰る時、暗い部屋からその背中を、そっと覗いている者がいた。


「忌々しい……やはり早めに始末しておくべき相手か……。」


 その顔はやはり見えない。しかし、陽の光に照らされわずかに光った体……そこからは軍服の一部が見えているのだった。

今回も読んで頂き、ありがとうございます。続きが気になる、面白かったと思って頂ければ幸いです。もしよろしければ、ブックマーク、評価を入れて頂ければ嬉しく思います。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ