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配信テイマー、我が道を行く!〜戻って来いと言われても知りません!僕は大切な仲間と一緒に冒険してるんだから!  作者: ゆん。
第五章

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試験終了、小屋の中にて

 僕達は一度、待機場所とする小屋に向かう。扉を足で開けると、先に僕とロットンさんがミーさんを抱えて入り、その後にタルトとレルがラルフさんを引っ張って入った。



「ティム君、ミーはそこに寝かせてくれ。」


「はい!」


 ロットンさんが指示をした場所である小さなベッドにミーさんを降ろす。するとロットンさんがミーさんの服を脱がせ、胸の傷を確認した。


「羽が刺さってるのか。」


「はい。今は傷は塞がってますけど、これを抜くのが怖くて……。」


「分かった、俺がやろう。ミーの手を握ってやってくれ、きっと力になる。」


 ロットンさんはミーさんに突き刺さった羽に手を掛け、少しずつ引き抜いていく。ミーさんは痛そうに顔を歪めるけど、僕は彼女を押さえながら、両手で手を握っていた。


「うっ。痛いね、やっぱり……。」


「大丈夫です!ロットンさんなら上手くやってくれます!」


「……良し!これで羽は抜けた!」


 ロットンさんは羽を抜くとすぐに、刺さっていた場所に触れ、魔力を送り込む。そして傷口を塞いだ後、薬草を傷口に貼り、包帯を巻いた。



「ひとまずこれで良しっと。ティム君、助かったよ!ありがとうな!」


「ロットンさんもありがとうございます!」


「だが、どうしてミーに羽が刺さってるんだ?トロールの討伐依頼で、別の魔物が襲って来たのか?」


「それはこちらで説明します。ラルフさん、こっちへお願いします。」


「分かった。」



 僕達はミーさんのベッドの側に机を寄せ、彼女にも聞こえるよう、話を始めたんだ。













「つまり、トロール自体は倒せたって事か。間違い無いな?」


「はい。ミーさんもラルフさんも、それぞれでトロールは倒せていました。」


「そして、ロストガルーダか……。」


「はい。今回は逃げて行きましたが、次に来たらと思うと……。」



 ロットンさんは僕達三人を見て、頭を下げた。


「すまない!俺がついていながら守ってやれなかった。本当にすまない。」


「気にしてないよ。だって、あんなのが来るなんて、分かるはずないもの。」


「ロットンさん、皆無事だったんです。大丈夫ですよ!」



「だが、これは何か考えなくちゃならない。何故ロストガルーダがここに居たのかも気になる……。」



 そしてロットンさんは、ラルフさんを見る。彼はその場でぷるぷると震えていた。



「ラルフ、お前大丈夫か?」


「あ、ああ。俺、あんなのに会った事、今まで無かったからさ。二人でも歯が立たない相手、もしランクが上がれば、あんなのを相手にしてくんだよな……。急に不安になっちゃったんだ。」


「ラルフ……。」



 力は後でつける事は出来るけど、気持ちだけはどうにも出来ない。そして気持ちで負けたら、力も出せなくなっちゃうんだ。でも、ラルフさんには……。







「ラルフさん!隣を見て下さい!」


「えっ?」


「ラルフさんの隣です!何が見えますか?」


「俺の隣……。」


 そう、ラルフさんの側にはタルトがいる。タルトは心配そうにラルフさんを見つめていた。




「か、かめ。」


「タルト。俺……。」


「かー!」


「うわっ!?」


 タルトは前足でラルフさんをペチンと叩く。その後彼の足に乗り、堂々と座った。






「怖いのは当たり前です。誰でもあんなのを見たら怖いに決まってます!でも、大切なものがあれば、きっと大丈夫です!一緒に乗り越える事が出来ますから!」


「かーめかめ!」


「そうか……タルト、一緒に頑張ってくれるか?」


「かめー!」


「うん……うん!俺、頑張るよ!だからタルト、力を貸してくれ!」


「かめー!」



 ラルフさんはタルトを撫でていた。二人とも、とても嬉しそうだ!









「んじゃ、ラルフも落ち着いたし、今後の事を真面目に話すとするか。いいな?」


「はい。」


「うん!」


「ああ。」



 そしてロットンさんは咳払いをしてから、僕達三人に向かって話しかけた。







「まず……今回の試験はここで終了になります。」


「「「えっ?」」」


「えっ?も何もねえだろ。これが本題だったんだから。……今回の結果は君達の配信や、ティムさん、ミーさん二人からの話を聞いて判断しようと思います。分かりましたね、ラルフさん。」


「ああ、頼むよ。」


 ロットンさんは頷き、言葉を続ける。


「今から一度、私が周辺の安全を確認します。そうしたらすぐにカーノンへ帰還。今回の事をフェイクさんに報告します。」


「分かりました。僕達はその間、ここで待ってますね。」


「では皆様、お疲れ様でした。」



「「「お疲れ様でしたー!」」」






 そしてロットンさんは再び咳払い、すぐに小屋の扉に向かう。


「ま、そういう事だから今から見回り行ってくるわ。ミー、お前は一緒に街まで行けるか?キツいならここで待っててもいいが。」


「問題無いよ。それに、ちゃんと怪我を見るならカーノンの街の方がいいでしょ?」


「分かった。ティム君、二人の事は任せていいかな?」


「大丈夫です!そちらもお願いします!」


「ああ!じゃあ、また後でな!」




 ロットンさんはそう言って、小屋を出ていった。









「ねーラルフー。ロットンっていつもあんな感じなの?」


「ああ。アイツは仕事とプライベートを分けるタイプなんだよ。」


「ふーん。真面目なんだね。」


「二人は休んでて下さい。僕がここを守りますから!」


「頼もしいなー。さっすがティムだよー!」


「先生、お願いします。」



 二人を見て、僕は扉の側に座る。すると側にレルが来てくれた。



「わん!わふー!」


「うん、もう少し頑張ろうね!」



 そうだ、僕はテイマーとして頑張ってきたんだ!二人の事もちゃんと守ってみせるぞ!

今回も読んで頂き、ありがとうございます。続きが気になる、面白かったと思って頂ければ幸いです。もしよろしければ、ブックマーク、評価を入れて頂ければ嬉しく思います。

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