表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
配信テイマー、我が道を行く!〜戻って来いと言われても知りません!僕は大切な仲間と一緒に冒険してるんだから!  作者: ゆん。
第五章

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

82/279

見習いテイマー、トロールとの対決

「レル、走って!」


「わん!わん!」


 僕達はオークの群れに切り込み、ブレードを叩きつける。この調子でいけば、こっちの方は問題無くやっつけられる!早くラルフさんの所へ行かなきゃ!


「ラルフさん、頑張って下さい!すぐに行きますから!」








 ◇◇◇


「か、かかってこい!お前はここで倒してやる!」


「かめー!」


「ウゴォォ!」


 トロールは俺の足下へ棍棒を振り下ろす。俺はそれをジャンプで避け、まずは剣で斬りつけた。


「そこだ!」


「ウゴォォ!」


 トロールの体に縦線の傷がつく。だけど、その傷から湯気が立ち、少しずつ塞がっていくのが分かった。



「再生能力!?これ、俺達で勝てるのかな……?」


 俺は一気に不安になってきた。横を見ると、ティム先生もミーも、それぞれトロールを倒している。


「かめ!」


「タルト……。」



 タルトは俺の横に並び、堂々としていた。「自分がいるから大丈夫!」そう言ってくれてるみたいだ。


「よーし!大丈夫、大丈夫!タルト、後ろから援護してくれ!」


「かめ!」



 俺はトロールの足下へ接近する。さっきの棍棒のお返しだ!


「ブレイブアタック!」


 剣に魔力を纏わせ突進だ!この距離なら外さないぞ!







「う、ウゴォォ!?」


「でりゃぁぁぁ!」


 剣はトロールの足に突き刺さる。それを引き抜き、今度はもう片方の足も斬りつけた。


「ウゴォォ!?」


「これで動けなくなったはずだ!今だタルト、ブレスを出してくれー!」


「かめー!」


 タルトは俺達から離れた場所で口を開け、魔力を溜めている。俺はトロールが暴れ出さないよう、攻撃を続けていた。


「ウゴォォ!」


「しまっ」



 一瞬目の前がぐらっと揺れる。その後俺はふっ飛ばされ、気づいたら空を見ていた。……やられたのか!?


「いたっ……よいしょ……。」


「ウゴォォ!」


「か、かめー!?」


 俺が立ち上がると、トロールはタルトを棍棒で叩いていた。タルトは甲羅の中に引っ込み、その攻撃に耐えている。



「や、やめろー!」


 俺はタルトの側に駆け寄り、剣でトロールを威嚇した。


「俺が相手だ!お前なんかすぐに倒してやる!」


「ウゴォォ!」


 棍棒を振り下ろすトロール。俺はそれを剣で受け止めるけど、その度に体を衝撃が襲う。


「このままじゃ攻撃できない!どうすればいいんだ!?」






「か……か……」


「ど、どうしたタルト!?」


 俺がトロールの攻撃を引きつけていると、タルトが何か唱えていた。タルトが何かする気なんだ!



「う、うわああああ!」


「ウゴォォ!?」


 もう破れかぶれだ!俺は剣を持ち直し、もう一度魔力を込める!


「このォォォ!」


 俺はトロールの攻撃をスッと避けて、もう一度足を斬りつける!


「ウゴォォ!」


「当たるかそんな攻撃!」


 振るわれた棍棒を空中で回転して避け、その勢いのままトロールの顔をキックする。


「ぶっ飛べー!」


「ウゴォォ!?」


「か、かめー!」


 態勢が崩れ、その場に倒れたトロール。このタイミングで、タルトの体が光りだした!






「かめー!」


 タルトは足を使って体を回転させる。そのスピードはだんだんと早くなって…………浮いた!?


「かめー!」


「ウゴォォ!?」


 回転の勢いでタルトは空を飛び、トロールの腹に直撃する。トロールの体は地面にめり込み、そのまま押しつけられていた。



「ウゴォォ!ウゴォォ!?」


「かめ!かめー!」












 それから数分後。俺はへなへなになって地面に座り込んでいた。


「ハハ……勝った、勝ったぞ……。」


 俺はトロールを倒す事が出来た……正確にはタルトが倒したんだけどね。俺、今回も役に立たなかったかな……。


「かめ!かめ!」


「タルト?」


 気づくとタルトは俺の足下に居た。顔をコツコツと足に当て、その後足を俺にぺたんと乗せる。何か、お疲れ様って言われてるみたいだ。




「かめー。」


「タルト…………そうだ、俺も頑張ったんだ!俺もやったんだー!」



 少し遅れて出てきた喜び。トドメはタルトだったけど、俺もちゃんと頑張った!二人で勝ったんだ!



「ティム先生!ミー!俺もやれたよ!トロールを倒したんだ!」








 俺が二人の方を見ると、二人の側にはたくさんのトロールが地面に転がっていた。








「俺、もっと頑張らないとな。」


「かめ。」















 ◇◇◇


「すみませんラルフさん、こっちはやっつけました!そっちは……大丈夫そうですね!」


「ああ、タルトのおかけで何とか勝てたよ!」


 僕はラルフさんの所へ行くと、そこには倒れたトロールが。やった!ラルフさん、ちゃんと倒せたんだ!


「よかった……。タルトも元気そうです!」


「かめ!」


「わん!わん!」


「かめ?」


「ただいまー!みんな頑張ったね!」


 そして、ミーさんもこちらに合流。これで一安心だ!



「ラルフ、ちゃんと倒せたんだね!えらいえらい!」


「ああ、頑張ったぞ!タルトも頑張ったんだ!」


「本当!?やったー!タルトもえらいえらい!」


「かめー。」



 そして僕達は、やっつけたトロールの群れを見る。



「ウゴォォ……。ウゴォォ……。」


「これに懲りたら森に帰って、人に迷惑かけないようにして欲しいですね。」


「でも、何でだろうな?最近になって襲ってきてるって事だろ?」


「ちょうどお野菜が実る頃だからじゃないかな?」


「それは山でも同じだろ?わざわざここに来る必要って、本来無いだろ?」




 僕はラルフさんの言葉に何か引っかかった。そうだよね。今は森にたくさん食べ物がある。トロールは強い魔物だから、ご飯には困らないはず。





「ま、まさか……。」


 僕はもう一度、トロール達がやって来た方向を見る。そしたら……。





「何か来る……!皆、構えて下さい!」


「ええっ!?まだ来るのかよ!」


「じゃあ、ミーが相手だ!まだ余裕あるし、ここは任せてよ!」



 奥から凄い勢いで、こちらに向かって来る魔物が見えた。……気を引き締めないと!僕はブレードを持って、それを見続けていた。



今回も読んで頂き、ありがとうございます。続きが気になる、面白かったと思って頂ければ幸いです。もしよろしければ、ブックマーク、評価を入れて頂ければ嬉しく思います。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ