早すぎる進撃、トロール襲来!
「みんなー!今日もミーの配信に来てくれてありがとー!今日は何と!冒険者さんの昇格試験に密着しちゃうよー!」
「皆さん、僕は今から試験官として、昇格試験に挑戦します。緊張するけど、よろしくお願いします!」
「わん!」
「って事で、今回はコラボ配信……って奴なのかな?俺の昇格試験だ!配信者のミー、そしてティム先生と一緒にクエストに行ってくるよ!よろしくな!」
「かめ!」
僕達は三人、それぞれ魔導カメラを引っ張り出して、配信をスタートさせる!映像も参考にするってロットンさんは言ってたから、後で見返せるよう用意しておかないとね!
「おいおい、配信ばっかに気を取られんなよ。本命のクエストはちゃんとやってくれないと困るぞ?」
「分かってるよ!それでロットン、目的地は?」
「あそこだ。ちょうど人も居るし、話をしてくるかな。」
ロットンさんは駆け足で目の前の小さな村へ。あそこがフェイクさんの言ってた、野菜の栽培施設なんだね。
ロットンさんは、畑で水やりをしているおじいさんに、そっと声をかけた。
「あのー。すみません。」
「おお!貴方がクエストを受けてくれた方ですな!」
「ええ。フェイクさんから話は聞いています。トロールが荒らしているのは、ここで間違いありませんね?」
「はい……せっかく作った野菜が全部食べられてしまって……。今は皆、怖がってしまって家に閉じ籠もっております。」
「そうですか……貴方はどうして外に?」
「この野菜は、皆で丹精こめて育てたのです。自分の子のようで、どうしても面倒を見ていたいのです……。」
ロットンさんは、おじいさんの話を聞いて、頷いていた。
「分かりました!任せて下さい、必ずここの平和を取り戻します!」
「おお!ありがとうございます!」
「では、早速こちらへ。奴らはだいたい夜に来るのです。皆様にはこちらの小屋で待機してもらって、奴らをやっつけて欲しいのです。」
「それでは行きましょう!……お前達早くしろ!配信は試験の時でいいだろ!」
「ま、まあ、そうなんだけどさ……。」
「お前……のんびりしてる暇があったら作戦考えろよ?これはお前だけの問題じゃ無いんだからな!」
ラルフさんは浮かない顔をしている。何だろう……嫌な予感がする。僕とミーさんはラルフさんの向く方向を見た。
「先生、あれってやっぱり……。」
「えっ!?ロットンさん、大変です!」
「どうしたティム君?」
「あ、あれを見て下さい!」
「ん、どれどれ……。」
僕達の向いた方向に見えたのは緑色の巨体、棍棒を持った魔物。トロールの大群だった。
「ほう……これは大変だな。」
「おい、どうする!?トロールは夜に来るんじゃ無かったのか!?」
「何か慌ててるねー。まだ明るいけど、お腹がすいてここに来ちゃったのかな?」
「ロットンさん、これは試験どころではありません!すぐに対処しないと!」
僕がそう言うと、ロットンさんはすぐに動き出した。
「おじいさん、家に入って下さい!ここは私達に任せて!」
「で、でも……。」
「さあ、家に行きましょう!背中に乗って!……お前達、悪いがしばらく足止めしてくれ!俺もすぐ行く!」
おじいさんを背負って僕達に指示を出すロットンさん。ラルフさんはやる気満々だ!
「ああ!試験開始だ!」
「ねー。ミー達も参加していい?これって試験って量じゃ無いよ?」
「頼む!最優先はここの人達の安全だ!」
「うん!任せて!ミーがみんなやっつけちゃうから!」
「行くよレル!力を貸して!」
「わん!」
「タルト、頼む!」
「かめー!」
僕達はパートナーから力を借りて、準備を整える。急ごう、村が危ないんだ!
「ウゴォォ!ゴォォォ!」
「ゴォォォォォォ!」
僕達は村とトロールの間に入り、迎撃の構えを取る。トロールの大群は村に一直線だ。なら……。
「まずはこれだ!えいっ!」
僕は爆薬の付いた短剣を地面に何本も突き刺す。トロール達は直線上……その短剣の刺さった道に差し掛かる!
「先生、どうする?」
「こうするんです!」
僕は短剣を投げ、地面に刺さった短剣に当てる。すると火花が起きて……。
ドガァァァァン!
ドガァァァァン!
「ウゴォォ!?」
爆発にトロールがひるんだ!ここで攻める!
「レル!攻撃するよ!」
「わん!」
僕とレルはブレードを持って同時に走り、まずは先頭のトロールへ。気づいたトロールは棍棒を振り回すけど、僕とレルはジャンプで避ける。
「うりゃぁぁぁ!」
「ガゥゥゥ!」
「ウゴォォ!?」
僕とレルはトロールに一閃、するとトロールはバランスを崩して転倒する。
「レル、次だ!」
「わん!」
僕達は近い位置に居るトロールを狙い、ブレードを構えながら走り出す!ここには近づけさせないぞ!
◇◇◇
「おー!やっぱりトロールって大きいねー!」
ミーの目の前にはおっきなトロール!あの巨体に棍棒……まともに当たれば結構痛そうだよ!
「ウゴォォ!」
「えいっ。」
でも、ミーにはそんなの当たらないよ!ステップしながら華麗に避ける。どう?すごいでしょ!
「ウゴォォ!」
「まだまだー!」
他のトロールも混じって一緒に叩いてくるけど、遅い遅い!ミーには全部見えてるんだもん!
「よいしょ!」
「ゴォォォ!?」
ミーはトロールの足を持ち上げる。そしたら何をするか……配信を見ているみんななら分かるよね!
「それーーーっ!」
「ゴォォォ!?」
ミーの投げたトロールは他のトロールに当たって倒れ込む!ナイスショットだよ!
「さあ、どんどん行くよー!……あっ。」
向こうを見ると、ティムがレルと一緒に戦ってる。短剣を使って足止め、それからブレードで強烈な攻撃!
「おお!さっすがティムー!負けられないよー!」
ミーはトロール達の所へ走り出す!どっちがたくさん倒せるか、競争だよ!
◇◇◇
「す、凄え……ティム先生はもちろんだけど、ミーも凄く強い……。」
「かめ!かーめー!」
「そ、そうだよな!頑張れラルフ、俺も負けられないぞ!」
俺は自分を鼓舞しながら、前にいる強敵を見る。緑の巨体、トロール。大丈夫だ……俺なら出来る……!
「行くぞタルトー!」
「かめー!」
「ウゴォォ!!」
負けないぞ!俺達だって勝ってみせるんだ!
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