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配信テイマー、我が道を行く!〜戻って来いと言われても知りません!僕は大切な仲間と一緒に冒険してるんだから!  作者: ゆん。
第五章

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見習いテイマー、依頼の説明を受ける

 黒髪の、軍服を着た男性……フェイクさん。彼はロットンさんの隣に立ち、街の役場まで案内をしてくれる事になった。


「久しぶりに来ましたが、相変わらず頑丈そうな建物があちこちにありますな。」


「ここは設備の揃った街だからな。君達の街とはだいぶ違うだろう。」


「ええ。ウチの職員は皆、文官ばかりでしてね。武闘派は居ないのですよ。」


 頭に手を当てながら、ロットンさんは軽く会釈している。一方のフェイクさんは、ロットンさんの体つきをじっと見ていた。


「……貴方は相当鍛えているようだが?」


「まさか。今回は彼らの付き添いですよ。」


「では、貴方の後ろに縛られている者達は?」


「後で説明しますよ。」


 ロットンさんとフェイクさんは二人で話をしながらどんどん前に出ていく。一方僕達は周りをのんびり見渡しながら、二人の後について歩く。



「見てよティム!おっきいお家がいっぱいあるよ!」


「本当ですね。ロットンさんが言ってた通り、ここならかなり安全そうですよ!」



「見ろよあれ、大砲だぞ!それも大量の!俺達の街にはあんまり置いてないから、こう見ると迫力満点だな!」




 ラルフさんはあちこちにある設備を見て大喜び!するとフェイクさんが後ろを振り向いた。


「ほう。そんなに珍しい物かな?ならば、今回の報酬に追加しておこう。」


「マジ……本当ですか!?ありがとうございます!」


「緊張しているようだな。大丈夫だ、ここなら追手は来ない。それに敬語も気にしなくていいぞ。」


「そうですか?なら安心だ!俺も落ち着けるぜ!」





「では、こちらが街の役場だ。早速説明をさせて欲しい。あちらの部屋で待っていてくれ、すぐに準備をする。」


「分かりました。」


 僕達が案内されたのは……ボールの様に丸いデザインの街役場。黒いボディの役場には、あちこちに砲台や弓の迎撃設備が取り付けられているんだ。これって、役場というより……要塞だよね。












 役場の部屋に案内された僕達。そこのソファーに座ると、早速ロットンさんは腰に掛けた水筒を取り出してガブガブっと飲み始めた。


「あー!この一杯、堪らねぇぜ!」


「あーもう!お前もうすぐ説明を受けるんだぞ!?飲むな馬鹿!」


「こっちも緊張して喉が渇くんだよ!お前も気をつけろよ?そのうち干物になっちまうぞ?」


 ロットンさんとラルフさんはちょっと口論になってる!僕は止めようとするけど、その腕をミーさんに掴まれちゃった!?



「ねーティム?どうしてティム達はここに来たの?」


「あ、はい。僕はラルフさんの試験、それのお手伝いです。ロットンさんは試験官として来てますよ!」


「ふーん。」


「諸君、待たせたな。説明を始めさせてくれ。」



「遂に来たか……!」


 あっ、ミーさんとの会話が終わると同時に、フェイクさんが部屋に来た!ラルフさん、手が震えてる……。僕はラルフさんの手の上に、そっと手を乗せた。


「先生……。」


「大丈夫です!ロットンさんも、僕も一緒です!」


「……そうだよな!うん!」



 手の震えが止まった、これでひとまず安心だ!僕達はこのタイミングで、フェイクさんの説明を受ける事にしたんだ。











「まずはようこそ、我らの街カーノンへ。この街では、先程君達も見た設備の様な防衛用の兵器を開発、利用している。ここの装備は一級品だ。良ければ買っていって欲しい、安くしておくぞ。」


「フェイクさん、私達は武器を買いに来たわけではありません。早く説明を。」


「すまないな。これは私なりの歓迎のジョーク、という物だ。では……。」




 フェイクさんは顔を赤くした後、すぐに真顔になって椅子に座る。


「君達に依頼したいのがこの街、カーノンの近辺に出現するトロール、これの討伐だ。」


 彼は地図を取り出し、街の近くにある森を指さした。


「ここのトロールに我らの食料を盗られる事態が起こっているのだ。外に野菜を栽培している場所があるのだが、どうやら我らが眠っている間に盗りに来るらしい。」


「それは大変だ。トロールはCランククラスの相手、手強い魔物です。しかし、そちらには防衛設備があるでしょう?」


「確かに。しかしそれでは駄目なのだ。夜は暗がりで迎撃が難しい。かと言って森に砲撃などしては、トロール以外、他の動物にも被害が出る。

 それに、この攻撃で刺激を与えると他の魔物も襲ってくるかもしれない。だから冒険者の諸君に、ピンポイントで討伐をお願いしたいのだ。」


「そういう事ですか……。」




 ロットンさんは頷きながら、フェイクさんの顔を見て、ニコリと笑った。


「任せて下さい!必ず倒してみせますよ!な、ラルフ?」


「お、おう!任せてくれ、俺が必ず森の平和を取り戻すぜ!」


「頼もしい限りだ。物資の手配はこちらで済ませるから、準備ができ次第出発、討伐を頼む。」



 フェイクさんはそう言って深々と頭を下げた。ラルフさん、頑張りましょうね!






「そうだ。ロットンさん、先程の質問なのだが、貴方が引きずっている男達は一体……?」


「ああ、彼らは……。」


 次にフェイクさんの質問。ロットンさんは道中の事を簡単に説明した。それを聞いていたフェイクさんの顔は、険しい物へと変わっていく。


「人さらい、だと……!そうか、分かった。こちらでしばらく預かろう。ロットンさん、それでいいかな?」


「ええ!お願いします!」


「では、また後ほど。連れて行け。」


「はっ!」


 フェイクさんはお辞儀をした後職員さんを呼んで、一緒に男達を連れて行った。きっと牢屋に閉じ込めるんだと思う。あの顔は相当怒ってる……自分の街の側で行動してたのが許せないんだ。





 そして部屋に残された僕達。ロットンさんは思いっ切りあくびをしながらソファーで体を伸ばしていた。


「さーて!難しい話も終わったし、宿でもとって早く寝るか!しばらく忙しくなるぞー!」


「ミーもご飯食べるー!」


「ああ!で、代金はどうする?」


「今回は俺が持ってやる。出世払いな?」


「ああ!ちゃんとランクを上げて、おいしいもの食わせてやるよ!」



 僕達が話している中、レルとタルトは地面で寝ていた。ちょっと退屈だったかな?















 ◇◇◇


「フン、テイマー……それと冒険者が二人……私の計画は邪魔させんぞ……。」


 何処かの建物の一室。そこで男が呟いている。やがて彼は立ち上がり、足を動かし始める。その顔は暗がりで見えず、誰かは分からなかった。




今回も読んで頂き、ありがとうございます。続きが気になる、面白かったと思って頂ければ幸いです。もしよろしければ、ブックマーク、評価を入れて頂ければ嬉しく思います。

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