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配信テイマー、我が道を行く!〜戻って来いと言われても知りません!僕は大切な仲間と一緒に冒険してるんだから!  作者: ゆん。
第四章

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閑話 その頃の実家

 グランド王国で魔王とテイマーの戦いが起こってから数日後。テイマーと魔王が勝負していた、それも[勇者でも敵わない魔王]に[ただのテイマー]が勝負出来ていた。この事実は予想外の場所へ影響を与えていた。










 ◇◇◇


「それっ!そこだっ!」


 一人の少年が剣を持ち、素振りを行っている。彼は現在、家の前にある大木で特訓中のようだ。


「今だ!」


 魔力を込めて剣を横に振ると、それは白い斬撃となって大木に命中。小さい切り傷が付く。


「うん、いい調子だ。コントロールも完璧だぞ!後は威力を上げないと!」


 彼はこの後、背中の鞘に剣を差し、そのまま腕立て伏せを始める。


「今日の特訓ももうすぐ終わり!後で何を食べようか、今から楽しみだ!」






 少年が木陰で寝転がっていると、家の方から執事がこちらに走って来た。


「坊ちゃま!お父上がお呼びです!」


「父上が?分かりました、今行きます!」


 一体何の用事なのか気になりつつ、彼は剣を背負ったまま家に帰っていった。











 応接室に着いた少年は奥に向かう。そこには背中を見せる父親の姿があった。



「父上、ただいま戻りました!」


「そうか。最近特訓を頑張っているようだな。」


「ええ!俺は強くなります!それが剣聖の務めですから!」


 胸を張って答える少年。それに対して父親は、彼の方を向いて話しかける。


「そうだ!剣聖は民を守る為に、その力を存分に振るうのだ。だが……我々も人間、家の者も同じように大切なのだ……。」


「父上……。」






「だから、余力を残して民を守れるように、とにかく強くなれ!そして、その余った力で皆も守るのだ!お前なら出来る!」


「分かっています。俺に任せて下さい!皆守ってみせますよ!」


 少年の言葉を聞き、嬉しそうに笑う父親。すると彼は突然、機械……魔導パソコンを持ち出して少年の側に立つ。


「良し!では、そんなお前に知らせたい事があるのだ!」


「は、はい。これは?」


「待て、特訓ばかりで疲れただろう。今軽食を用意するからな!……皆の者、休憩だ!こちらに集まってくれ!」


 父親はエプロンを着て、すぐに料理を始める。その間に執事やメイドが広間に集まり、それぞれでティータイムを始めていた。





「ち、父上?」


「出来たぞ!さあ、これを食べながら見よう!」


 サンドイッチを持って少年の前に来た父親。それを頬張り、パソコンの映像を少年に見せる。


「こ、これは……!?」


 そこに映っていたのは、テイマーの少年……ティムが魔王のメイドと戦っている、今話題になっている映像だった。











「こ、この姿は!あ、兄上!兄上ですよね!」


「そうだ!家を出てからはや数年。ティムも元気にやっているようだぞ、ソード!」



 そう、ここの家に居るのはティムの弟……ソードと、父親の剣聖……ガイアであった。







「世間ではこの映像が大流行しているみたいだ。流石は私の息子だ!世界を見て、ずいぶん大きくなったようだな!」


「あ、兄上……よかった、よかったです!やっぱりテイマーは、クズスキルなどでは無かった。そういう事ですよね!」


「ああ、我々には無い才能だ!これ程嬉しい事は無い!」



 二人はサンドイッチを食べながら喜んでいる。ティムがここまで腕を上げている事を知ったソードは、目を輝かせながらガイアと話をしていた。



「俺も兄上に負けませんよ!もっと強くなって、父上の様な立派な剣聖になってみせます!」


「いや、お前なら私を超えられるさ!この調子で頑張って、ティムの事を驚かせてやろう!」


「はい!では、休憩が終わったら試合をお願いします!」


「任せておけ!一緒に特訓だ!」


 二人はパソコンを見ながら、遠く離れたティムに思いを馳せるのだった。




「あのブレードウルフ、名前はレルさんですね。兄上を支えてくれる事に感謝しなければ!」


「もし家に帰って来たら、レルさんにもご飯を作ってあげよう!好物について調べておかねばな。」


「それについては兄上がよく知っているはずですよ!」


「違いない!帰って来た時に聞いてみようか!」


「では、あっ。」


 話に集中しすぎて、あっという間にサンドイッチは無くなってしまうのだった。



今回も読んで頂き、ありがとうございます。続きが気になる、面白かったと思って頂ければ幸いです。もしよろしければ、ブックマーク、評価を入れて頂ければ嬉しく思います。


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[一言] いい親と弟さんだな
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