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配信テイマー、我が道を行く!〜戻って来いと言われても知りません!僕は大切な仲間と一緒に冒険してるんだから!  作者: ゆん。
第四章

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戦い終わって……少年テイマー、怒りをぶちまける

 突如現れた魔王ライア。彼女は僕の頭に手を当てて魔力を込めている。凄い、触られてると痛みが抜けていく……。これが魔王……。


「うむ、これで良し!どうかの?痛くないかの?」


「う、うん。あっ、レル!レルの所へ行かなきゃ!」


「あのブレードウルフの事じゃな。どこに居るのじゃ?」


「ルーに蹴っ飛ばされて、あっちに行っちゃったんだ!」


「ああ…………。」


 僕が建物の穴を指さすと、ライアは頭を抱えていた。その後、ルーに向かって大声で怒りだした。


「こ、この馬鹿者!どれだけ儂を困らせるのじゃ!?」


「ひぇっ!ご、ごめんなさいー!」


「ええい!派手にやりおって!……ちょっと待つのじゃ、すぐに迎えに行ってくるからな!」



 ライアはすぐに空に浮き、レルの飛ばされた方向へ飛んでいったんだ。









 ◇◇◇


「わ、わふー……。」


「そこにおったか!いや、痛かったじゃろう?本当にすまん……。」


「わ、わん!わん!」


「おおっ!?お主噛みつくのは駄目なのじゃ!後できつーく言い聞かせるから、勘弁してくれ!」


「がうっ!わん!わん!」


「痛たた!もう戦いは終わったのじゃー!許してくれー!」









 ◇◇◇


 ちょっとすると、ライアはレルを抱えて僕達の所へ戻って来た。


「あっ、レル!」


「わん!わん!」


「怒るのは分かるが酷い目に遭ったわ……。傷は治したから、とりあえず安心じゃろう。後は……。」







「な、何よ!?」


「お主達も治しておかねばな。」


 ライアはマーチとケビンの元へ向かい、手をかざす。傷が消えていくのを確認しながら、二人に語りかけていた。







「お主達、腕は悪くなかったのう。マーチとやら、儂らを相手に即座に魔法を放つとは大した胆力じゃな。」


「えっ?」


「ケビンとやら、お主の拳も鍛えればもっと強くなると思うぞ?その性格さえ直せればな。」


「な、何を言って」



 ライアは二人にそっと話しかけた。


「勇者の奴はさっさと逃げ出したぞ?騎士団長と二人で。まるで駆け落ちじゃな。」


「「なっ!?」」


「奴は知らんが、お主達ならまだ間に合うじゃろ。その性格を直して、初めからやり直す事じゃ。」


「そ、それじゃ勇者パーティーの栄光は……?」


「そんな物無くてもやっていけるじゃろう。それにさっき話してたのは……そういう事じゃないかの?」


「そ、それは……。」



 ライアは二人を見ると、二人は下を向いていた。何を話してるんだろう。





「どうするかは二人で決めると良い。じゃが、どうするにしても、最初にやる事は目の前にある。今なら分かるじゃろうな。」



「……ええ。」


「……俺もだな。」


「ならやっておくべきじゃ!たとえ駄目でも決着はつけておかねば後悔するぞ!」




 ライアが二人に話し終わりこちらに戻って来る。するとマーチとケビンも同じようにこちらに立って、向かって来た。








「あ、あのね、ティム。」


「待ってくれマーチ。俺にも言わせてくれ。」


「……二人とも?」


「そ、その……。」



 マーチとケビン、二人は僕に向かって頭を下げていた。



「ご、ごめんなさい!」

「すまなかった!」


「えっ?」


 僕は突然の出来事に困惑していた。でも、困惑した後に……あんなに酷い事を言って追放したのに、何を今さらって思っちゃったんだ。



「私達、ティムの戦いを見て感じたの。貴方の言ってた事は、嘘じゃ無かったって。本当に貴方が私達を支えてくれてたんだって。」


「俺も同じだ。なのに俺達はお前に酷い事を……。」


「……知らないよ。」


「えっ。」



 何だろう。急に、急に凄く腹が立ってきたんだ。





「知らないよそんな事!パーティーに居た時も、困って相談しても何も言葉を返してくれない!レルの事だって完全に無視してた!さっきの会話だって聞こえてたんだ!二人もシャーユと一緒に馬鹿にしてたじゃないか!僕は都合のいいサンドバッグじゃないよ!」



 僕は大声で二人に怒鳴っていた。やっぱり僕は、二人の事を……。



「わ、分かってるわ。私達が自分勝手なのは。だけど、どうしてもここで謝らないといけないって思ったのよ……。」


「本当にすまなかった……。」


「そ、そんな事言ったって……。」





 僕が言葉に詰まっていると、マーチはまた口を開いた。


「私達……勇者パーティーを抜けようと思うの。」


「えっ……?」


「お前を見て、それとそこの魔王と戦って気づいたんだ。……今の俺達では、魔王どころか普通の敵にも通用しなくなるだろう。勇者パーティーだからと、その栄光にしがみつくだけだったんだ。」


「だから、私達は二人でやり直そうと思うのよ。もちろん、今まで勇者の特権を使って色々してきたから、その償いはきちんとする。そうしたら」



「そんなの、そんなの知らない!僕が戦ってる中、そんな事考えてたの!?それなら一緒に戦ってよ!僕は必死だったのに、そんなの酷いよ!」




 僕は頭の中がごちゃごちゃになっていた。思いついた言葉が勝手に飛び出して、二人を責めていたんだ。



今回も読んで頂き、ありがとうございます。続きが気になる、面白かったと思って頂ければ幸いです。もしよろしければ、ブックマーク、評価を入れて頂ければ嬉しく思います。

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