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配信テイマー、我が道を行く!〜戻って来いと言われても知りません!僕は大切な仲間と一緒に冒険してるんだから!  作者: ゆん。
第四章

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少年テイマー、魔装を展開する!

「行こうレル!僕に力を貸して!」


「わん!わん!」


「もしかして……今よりもっと強くなります!?それなら是非お願いします!わた……お嬢様が楽しみにしていますから!」


 ルーは余裕を保った様子で僕達を見つめている。僕達はそこを利用して、切り札を使う事にしたんだ!



「そこで待っていて下さい!僕達の力を、思いっ切りぶつけてやります!」


「分かりました。準備出来たら教えて下さいね!」






 僕はレルの背中に手を置き、魔力を送る。僕とレルの力を一つに合わせるんだ。


「レル?行けるかな?」


「わふ!わん!」


 うん……いい感じに魔力が重なった!これなら出来るぞ!





「お願い、レル!」


「わふー!」


力を合わせて、僕達は魔力を開放する!


「魔装展開!」

「わふーわんわん!」



「おお!この感じ……凄い!凄いですよ!」



 僕達の体からバチバチっと魔力が放出され、煙が巻き起こる。そしてしばらくして煙が晴れ、僕は体を確認した。



「やった!成功だ!ありがとうレル!」


「わん!わん!」



 僕の体はもふもふの鎧に包まれ、お尻には尻尾が着いている。そして頭にはレルとお揃いの、ウルフの耳を模した飾りが着いていた。


「うん、違和感無し!ちゃんと動けるよ!」


「わん!わん!」


 レルの体も大きく変化している。体には金属のプレートがあちこちに付き、それらが鎧のように全身をガードしている。更にブレードも一回り大きくなった!






「か、かわいい……。」


 ルーはうっとりとした表情でこちらを覗いている。まだ余裕の表情だけど……僕達は負けないぞ!



「用意出来ました!では、行きますよ!」


「は、はい!いいですよ?掛かってきて下さい!」




「レル!」


「わん!」



 僕達は目で合図を送り、一斉にルーに向けて移動した。








「どんな感じかな?どれど……っ!?」


 ルーの顔から余裕が消え、一転して真面目な表情になる。そう、それだけの変化が起こっているんだ!



「ここだっ!」


「きゃっ!?」


 魔装によって、僕の武器は少し変化している。まずは両手の鉤爪で、彼女の腕を引っかいた。


「そこっ!」


 すぐに反撃で骨の剣が飛んでくる。でも僕は、それを体を捻って回避した!


「嘘!?その態勢で!?」


「次はここです!」


 僕は体を捻った状態から、突き出た骨の剣に乗り、ルーを蹴っ飛ばす!彼女はぐらっと体を揺らし、膝をついた。


「動きが全然違う!スピードが上がってるの!?」


「それだけじゃありません!」


 僕は地面に四つん這いになる。ルーはそのタイミングで攻撃してきたけど、僕は地面を蹴ってそれを避ける!



「今の僕には、貴方の動きが見えるんです!」


 そう。ブレードウルフの身体能力でパワーアップしたから、さっきは追いつけない攻撃でも対応出来るようになったんだ!僕は高速で動き回り、少しづつ彼女に攻撃を加えていく。










「もらった!」


「させません!」


 何度か攻撃し、僕が鉤爪を突き立てた時、彼女は同時に骨の剣をぶつけてきた。お互いの武器がバチバチと火花をあげ、しばらく硬直した状態になった。



「いいですねその動き!私も楽しくなってきちゃいましたよ!」


「えっ!?」


 彼女は剣を引っ込め、僕の鉤爪を腕に突き刺さるよう誘導した!?鉤爪は腕に食い込み、固定されちゃったよ!?


「しまった、抜けない!」


「いいですよ、その動き!でも……止まるとは思ってなかったみたいですね。」


「ギャッ!?」


 彼女は僕に向けて骨の剣をスッと伸ばす。それは僕の右肩を突き刺して、そのまま弾き飛ばした。



「いっ、一体何が……?」


 僕がルーを見ると……彼女の腕に違和感を感じた。あれは……人間の腕じゃない!?


「気づきましたか?そう、私は魔物なんですよね。」


 彼女は自分の腕に手を当て、そっと何かを引き抜く。それは、さっきまで打ち合っていた骨の剣だった。







「もしかして、その剣は!」


「はい!私の体のパーツですよ。びっくりしたでしょう!」



 僕は右肩を確認する。もふもふの毛皮のおかげで貫通はしなかったけど、自由に伸びるなら気をつけないと。




「では、ここからはもうちょっと本気を出します!」


「ほ、本気!?」


 僕はルーをじっと見て、動きを観察する。すると彼女は……あれ、姿が消えてゆく……。


「さあ、楽しませて下さいね!」


「あっ、見えなくなっちゃった……。」











「わん!?わん!わん!」


 言葉とは逆に、彼女の姿は見えなくなってしまった。きっと視界の外から攻撃する気だ。僕は周りを警戒していると、レルがブレードを持って近づいてきた。


「レル!一緒に周りを見てもらっていい?索敵をお願い!」


「わん!」


 レルは僕の胸に飛び込んでくる。


「レル?もふもふは後だよ!先にルーをやっつけないと!」


「わん!」




 レルは尻尾を振りながら僕をぺろぺろと舐める。












 するとレルは、僕に向けてブレードを振り下ろした。


「えっ!?」


「わん!わん!」


「ど、どうしちゃったのレル!?」


 鉤爪で防御し、僕はその場を飛び退く。何か雰囲気が違う!?


「わん!わん!」


「わふ!?」


 な、何!?僕を攻撃したレルが、もう一人のレルに突き飛ばされた!?








 飛ばされたレルは、地面を滑りながら僕達から離れ、息を整えていた。


「わん!わん!……ってね。」


 レルの姿が霧のように消え、そこから現れたのは……ルー!?




「やっぱり仲間には油断しますよね?私、こういう攻撃も使えるんですよ!凄いでしょう!」


「今のは幻覚!?そんな、気づかなかった……。」


 僕はルーの方を見る、すると彼女の姿は少し変わっていた。




 僕が鉤爪を突き刺した腕が変色し、真っ白い肌に。更に手の部分が鋭い剣に変わっている。そしてメイド服の下からは、骨で出来た尻尾が見え隠れしていた。



「さあ、どうします?仲間を最期まで信用出来ますか?」


「出来るよ!僕とレルは大切なパートナーなんだ!絶対に負けないぞ!」


「わん!わん!」


 僕とレルはルーと向かい合う。彼女は僕達をニコニコしながら見つめていた。




今回も読んで頂き、ありがとうございます。続きが気になる、面白かったと思って頂ければ幸いです。もしよろしければ、ブックマーク、評価を入れて頂ければ嬉しく思います。

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