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配信テイマー、我が道を行く!〜戻って来いと言われても知りません!僕は大切な仲間と一緒に冒険してるんだから!  作者: ゆん。
第四章

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二人のテイマー、二人のパートナー

「さぁ、こちらも勝負と行こうかのう!」


「かかって来るっす!タダではやられないっすよ!」


 拳を突き出し、格闘戦に持ち込んで来たのは魔王ライア。あーしは一発目のパンチを避け、蹴りをぶつける。


「効かぬのう、そんな攻撃!」


「そりゃそうっすよ、レベルが違うんですから!」


「ん!?」


 蹴りのガードで片腕を使わせた、次は腰から小さいナイフを取り出し、体の中心へ投げる!


「さあどう避けるっすか!」


「避ける?甘いのう!」


 投げたナイフは狙い通りに腹部に当たる。でも、それはカチンと音がした後地面に落ちてしまった。



「どうじゃ、魔王たるもの急所の防御はきちんとしておるぞ!」


「なら……これでどうっすか!」


 もちろんそれは予想してたっす!攻撃を気にせず突っ込んで来た所で、あーしは奴のドレスをナイフで地面に縫いつけたっす。


「にょっ!?」


「戦いの場に似合わないドレスっすね、動きづらいでしょう!?」


 ぐらっと態勢が崩れたライアに足払いをし、すぐにあーしは鎌を取りに走る。





「取ったっす!これで戦えるっすよ!」


 鎌を握り、あーしは高速でライアの背後へ。ここで仕留める!


「お覚悟っす!」


「しまっ……。」


 そして首に鎌を振り下ろす。その勢いでライアの体は吹き飛び、地面にゴロンと転がった。



「やった……やったっす!あーしが魔王を倒したっすよ!」







「それはめでたいのう。お祝いせねばなるまいな!」


「……へっ?」


 気づけばあーしの体は空中に浮いていたっす。






「それでお祝いは……ケーキなんてどうじゃ?それなら入刀の作業も必要じゃろう?」


 奴はあーしの遥か上で、巨大な魔力の球をこちらに向けていた。……ちょっと待つっす。大きすぎないっすか!?



「どーんとプレゼントなのじゃー!」


 巨大な魔力球が、こちらに放たれる!あの魔力、このままじゃあーしどころか街が消し飛ぶっすよ!?








「……チッ!」


 駄目だ。ティムには落ち着こうって言ってたけど、こんな状況で落ち着ける程、私は強くない!


「魔装無しでは使いたく無いけど、そんな事言ってられない!」


 私は鎌に魔力を込め、体の前に突き出す。そして目を閉じて、技の名前を詠唱する。



「[魔技]ソウルサイス!」


 鎌が黒く輝き、四つの刃が現れる。でも、魔装抜きだとサイズが小さいわね。



「行きなさい!」


 それでもやるしか無い!私は刃を動かし、魔力の球を削り取っていく。小さい分小回りは効くわね、片っ端から切り刻んでやるわ!






「ほう!繊細な魔力の動き、そして斬る威力!見事な物じゃ!」


「そりゃどうも!」


 夢中で切り進め、魔力の球もだいぶ小さくなった。これなら……。



「ぶった斬れェェェ!」


 私は魔力を鎌に込め直し、一気に振り下ろす。そこから現れた斬撃が、遂に球を消失させた!




「やっ……た……?」


「さっき言ったじゃろ?入刀が必要だと。」


 空中に居るライア、その手には……ティムのブレードなんか到底及ばない、大剣の姿があった。







「そーれ!入刀じゃーーー!」


「っ!」


 もう避けられない。魔力を使った上、空中じゃ上手く動けない!


「こんな所で死ぬ訳にはいかないのよ!奴らを見返してやるまでは……!」


 私は鎌を握る。ここで振れば、多少は狙いも逸れるかもしれない。


「これで終わりじゃ!」










「舐めるなァァァ!」


「なぬっ!?」


 私の前に居たのは……パートナーのギル。大鎌に変形させた腕で、大剣を弾いていた。


「お、お主は……!」


「我のパートナーに、手は出させん!」


 ギルは空中に高速移動。ライアはすぐに別の剣を取り出し、お互いに斬りつけ合っている。


「これ程の腕前、お主は配信の!」


「我はギルだ、覚えておけ魔王!」


 鍔迫り合いに持ち込み、お互いの得物が火花を散らす。そして一瞬の隙を突いて、ギルが斬撃を押し込んだ!


「くっ!」


「吹き飛べ!」


 ライアは地面に叩きつけられ、そこから土煙が上がる。ギルは私を抱え、民家の屋根に着地した。




「サリア!無事だったか!?」


「ええ、まあなんとかね。」


「そうか……先に行かせてしまって、悪かったな。」


「大丈夫なの?相手は魔王よ?さっき怖いって言ってたじゃない。」


「そうだ。確かに怖いさ、だがな。」






 ギルは私を地面に降ろして、肩にポンと手を乗せた。


「気づいたのだ。パートナーが居なくなる方が余程怖いとな。」


「ギル……ありがとう。……それなら、やっぱり負けられないわね!」


「さあ、勝負はここからだ!我らの力、奴らに見せつけてやろう!」


「ええ!やってやるわ!」



 そうだ、私にはギルが居る!二人で奴をぶっ倒してやるんだ!


















 ◇◇◇


「そこですっ!」


「しまった!?」


 ルーが二刀流に切り替えてから、僕は防戦一方だった。スピードもパワーも、今の僕じゃ歯が立たない!


「えいやっ!」


「あっ!」


 僕の手元に剣が当たり、ブレードを落としてしまう。拾おうとすると、その足元に深々と骨の剣が突き刺さる。


「うーん……動きは良いんですけど、何か物足りないなぁ。」


「物足りない!?僕は全力だよ!?」


「……そうか!ティム先生!パートナーの子はどうしたんです?レルちゃんでしたよね?」


「レル!?レルに何をする気なんだ!?」



 僕が焦って叫ぶと、ルーは嫌らしい顔をしながらこっちを見下していた。


「いえ、テイマーはパートナーと力を合わせて戦うんですよね。でも……来ないじゃないですか?主人を置いて逃げ出しちゃうなんて、ね?」


「レルを馬鹿にするなぁぁぁ!」


 僕は飛び掛かったけど簡単に避けられ、地面に倒れ込む。ルーはそれを見てニヤニヤと笑っていた。


「それなら助けを呼んでみればいいでしょう?あっ、相手は魔王様なんです、もう居ませんよね?」


「うう……。」


 無理だ……僕一人じゃこの人は倒せない!レル、魔王なんて怖いよね、でも、僕も怖いよ……助けて……!











「レルー!お願い、来てーーー!」


「では、ここで終わりにしましょう!お疲れ様でした!」



 倒れた僕の上から、骨の剣が迫る。






「グガァァァ!」


「キャッ!?」


 ガキンという音がして、ルーが遠くにジャンプする。倒れた僕の前には……ブレードを咥えたレルが立っていた。


「わん!わん!」


「レル!?来てくれたの!?」


「わん!わふー!」


「ごめんね……怖かったよね……。」



 僕の呼び掛けに、レルは横に首を振った。


「レル?」


「わふ!わん!わん!」


 レルは僕のブレードを持って来てくれた。そして顔をぺろぺろと舐める。



「わふー!」


「……うん!僕、頑張るよ!だからレルも力を貸して!」


「わん!」


 そうだ、僕達なら出来る!あんな人に負けるもんか!









 ◇◇◇








「私達の力を見せてやるわ!」

「僕達の連携で、お前を倒してやる!」






「「反撃開始だ!」」

今回も読んで頂き、ありがとうございます。続きが気になる、面白かったと思って頂ければ幸いです。もしよろしければ、ブックマーク、評価を入れて頂ければ嬉しく思います。

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