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配信テイマー、我が道を行く!〜戻って来いと言われても知りません!僕は大切な仲間と一緒に冒険してるんだから!  作者: ゆん。
第四章

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魔王、勇者達を圧倒する

「ま、魔王だと!?こんなガキが!?」


「あ、あり得ない……。そんな事あり得ないわよ!」


「勇者様、マーチ様。私も信じたくは無いですが、アレはおそらく、本当に魔王かと思われます。しかし勇者様が手も足も出ない。これ程の物とは……。」



 ジャンヌはシャーユ達と一緒に目の前の少女、ライアを睨みつけている。剣に手を掛け、いつでも斬り込めるよう準備していた。




「お主は聖騎士か。どうじゃ、儂と勝負するか?」


「ふ、ふざけた事を。勇者様達は貴様よりも強い、私の出る幕は無いんだよ。」


「そ、そうだ!俺達はまだ本気を出しちゃいない!」


 シャーユ、マーチ、ケビンは三人でライアを囲む。一斉に攻撃する気だ。でも、ライアは呑気にあくびをしながら三人を見ていた。






「思ったよりも弱かったから、眠くなってきたのう。ほれ、全員で掛かってくるといい。」


「な、舐めやがって!行くぞマーチ、ケビン!」


「ええ!」


「任せろ!」



 まずはケビンが拳を握りしめ、ライアに殴りかかる。


「喰らえ、アイアンナックル!」


 魔力で強化された、銀の輝きを纏った拳がライアの腹部を捉える。そこで力を更に強め、ケビンは彼女を吹き飛ばした。




「……な、何!?」


「それで終わりか?魔力を込めれば受けるのは容易いのう。」


 すかさずライアは手をケビンにかざす。呆然としたケビンに向け、光の光線が突き刺さる。


「か、きょぶ!?」


「い、嫌ァァァ!?」



 そ、そんな!?奇妙な声を発しながら、ケビンの体が空中で爆散した!?マーチが絶叫しながら杖をライアに向け、巨大な魔力を練り始める。


「よ、よくもケビンを!死になさい、ヘルブリザード!」


 マーチが放ったのは、とてつもなく冷たい吹雪。実際に放たれた吹雪は地面を凍らせ、それが一瞬で砕ける事で深々と地面を抉っていった。



 それでも……ライアには届かない!?



「ぬるいのう。攻撃とは……こうやるのじゃ!」


 ライアがかざした手からも吹雪が現れ、マーチの吹雪とぶつかる。でも、ぶつかったのは一瞬だけ。たちまちライアの吹雪が突き抜け、マーチの胸に直撃した。



「がっ……えっ……?」


 胸の部分が凍り、マーチはその場に倒れ込む。すると同時に全身が凍りながらひび割れ、バラバラに砕けてしまった。








「う、嘘だ!?マーチ、ケビン!?」


「ティム、落ち着いて前を見るっす!奴はまだ何もしてないっす!」


「でも、二人は……あっ!」



 僕は自分の目を疑った。爆散し、粉々になったはずの二人は、目を回しながら地面に倒れているだけ。今のは……もしかして幻覚!?



「きゅー……。」


「ぐう……ぐう……。」


「全く、この程度で勇者パーティーとは……。それで勇者、お主はどうする?まだ戦う気か?」



「お、俺は……。」


 シャーユは剣を握り、ライアの下に。タイミングを測ってるんだ。でも、彼女は剣をじっと見ている。おそらく攻撃のタイミングは読まれているんだ。





「あっ、体は動く。今ならブレードで……。」


「ティム、今は動いたら駄目っす。」


「サリア!?何でよ、今がチャンスなのに……。」


「いいから静かにしてるっす。勇者が仕掛けて、奴が迎撃したその瞬間を狙うっすから。あーしに合わせて下さいっす!」


 サリアも鎌を拾わず、足で自分の前に移動させた。ここはチャンスを見極めないと……。













「お、俺は勇者だ!魔王を倒す力を持った勇者なんだ!こんなガキに負けるものかぁぁぁ!」


「……ふん。」


 シャーユが剣を振り、ライアはつまらなそうに片手を出す。その一瞬を突いて、サリアが鎌を蹴り飛ばした!


「もらったっす!」


「ほう!不意打ちか!」


「うりゃぁぁぁ!」


 首をクイッと動かし、鎌の先端を避けるライア。そこに僕はブレードを思いっ切り投げつけた。


「おお!?それ投げる物じゃないじゃろう!?」


 ここでライアは両手を出し、ブレードを挟んで防御した。今なら背中ががら空きだ!



「今だよシャーユ、攻撃してー!」


 僕はシャーユに呼びかけた。そしてシャーユは……。
















「お、俺はこんな所にいられるか!俺には王国を守る義務があるんだ!俺は王の城に行くから、後は勝手にやってくれ!」




 えっ。




「勇者様、私もお供します!」



 えっ!?



「な、何ふざけた事言ってるんすか!?ここでやらなきゃ街の人達全滅するっすよ!?」


「貴様には一度言わなかったか?王や勇者様の為なら、他の有象無象がどうなろうと知ったことではない!」


「そ、それをアンタが言うんですか!?アンタはこの王国の騎士団長でしょう!?」


「くどい!さあ、行きましょう勇者様!早く王の下へ!」


「ああ!」



 二人はこの場を走って移動し、王様のお城へ向かってしまった。この場に残されたのは僕とサリア、眠っているマーチとケビンの四人になった。









「な……何て奴らじゃ……。民を置いて逃げるとは……。」


「わ、私もあんな勇者、今まで見た事がありません……。」


 ライア、そしてこの様子を観察していたルーの二人は、シャーユ達の行動に顔を引きつらせていた。



「いや、そもそも儂らが用があるのは勇者達であって、ここの者達に何かする気は無いのじゃが……。」


「と、とにかく目標は達成出来ましたね!では後は。」



 二人は僕達の方を向く。そして……。





「お主達はどうするかの?」


 ライアがニコリと笑って、こちらの様子を伺っていた。

今回も読んで頂き、ありがとうございます。続きが気になる、面白かったと思って頂ければ幸いです。もしよろしければ、ブックマーク、評価を入れて頂ければ嬉しく思います。

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