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配信テイマー、我が道を行く!〜戻って来いと言われても知りません!僕は大切な仲間と一緒に冒険してるんだから!  作者: ゆん。
第四章

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少年テイマー、点の下へ急ぐ

「な、何よあれは!?」


「空に二つの点……おそらく転移用の魔法だろう。今から何かがここに来るようだな。」


 私とジャンヌが同時に斬りかかろうとした時、急に異常な魔力を感じた。その場所を確認する為に上を向くと、空に丸い点が二つ出現していた。


「貴様達は後回しだ。アレの正体を突き止めなければ!」


「ま、待ちなさいよ!」


「行かせてやれ、サリア!我らも奴に構っている暇はない!」


「ギル!?」



 ジャンヌはすぐに走り出してしまった。私は戦闘を止めたギルを見ると、ブルブルと体が震えているようだった。



「もしかして武者震いかしら?この感じ……あそこから出てくる奴は、かなりのやり手のようね。私でも分かるわ。」


「いや、違うぞ。」


「違うの?それなら何?」


 ギルは深呼吸して、私の方を向いた。







「我はあれが怖いのだ。何故かは分からぬがな。」


「……えっ?」

















 ◇◇◇


「おい……何かあの点、段々と大きくなってないか?」


「あれは転移魔法!何か来るわよ、迎撃準備を!」


「何が来ても問題無い。俺達は勇者パーティーなんだからな。」



 シャーユ達三人は空中の点を見て、武器を取り出している。おそらく、出てくる物と戦うつもりだ。でも、僕は一目散にここから逃げ出した。まずはレルに合流しないと!レルの力を借りなきゃ、危険すぎる!




「レルー!こっち来てー!」


「わん!?わん、わん!」


 僕が大声で呼ぶと、街の角から慌ててレルが走って来た。僕でも怖く感じる位の魔力、レルにとってはパニックになるような衝撃だよね……。


「ごめんレル!力を貸して!」


「わふ!?わふ……わん!」


 僕はレルの背中に手を当てて力を借りる。レルはやっぱり震えていた。何か得体のしれない物が来るって分かってるんだ。


「……よし!レル、僕はあの点に向かってみるよ!レルはここで待ってて!」


「わ……わん。」


 レルに無理はさせられない。今は僕が行かないと!



 僕はレルをギューッと抱きしめた後、点に向かって走り出した。













 ◇◇◇


「おいおい何だあれ?」


「空に何か浮いているわね。」


 街の人達も異変に気づき始めた。これはまずい、何か出てくる前に避難しないと!



「皆さん!ここにもうすぐ敵がやってきます!誰かは分からないけど、ものすごく強い何かが来るんです!早く逃げましょう!」


「何だお前は!?ゴミテイマーが俺達に指図するな!」


「ぎゃっ!?」


「あれはアンタの仕業ね!勇者様に追い出されたのを根に持って、嫌がらせに来たのね!」


 大声で叫ぶ僕に、街の人達は石を投げたり、叩いたりしてくる。今はそんな事してる時じゃないんだ!早く逃げないと!




「本当に危ないんです!あそこから強い魔力を感じるんです!」


「黙れ!テイマーの言う事なんて信用できるか!そもそも何が出てくるかも分からないのに、避難なんて馬鹿げている!」


「そ、そんな……。」


 僕が注意しても、誰も言う事を聞いてくれない。どうしよう……。






「見つけたわよ!どうしたのよ、立ち止まって。」



僕が困っていると、サリアが屋根を伝って移動してくるのが見えた。彼女は僕を見て、すぐに下に降りて来た。



「ティム、無事かしら?」


「サリア……どうしよう、皆避難してくれないよぉ……。」


「ティム……。」


「僕、ちゃんと説明したよ……?あそこは絶対危ないんだ。だから……。」


「ちょっと待ってて。……すうーっ、はあーー。」



 するとサリアは深呼吸した後、屈んで僕の目線の前に来た。そしていつもの口調で、優しく話しかけてくれた。






「これで落ち着いたっす。ではティム、街の人達を助けたいっすか?」


「サリア……。」


「皆でティムの事をバカにして、レルも酷い目にあったんでしょう?それでも、助けたいと思うんですかね?」


「そりゃ、僕だって嫌な思いをしたけど……今はそんなのどうでもいいよ!今なら逃げられるんだ、早くしないと!」



 サリアは腕を組んでうんうんと頷いていた。



「そうっすか……やっぱりティムは優しいっすね。それなら、あーし達のやる事は一つっす。あそこから出てくるバケモノを、この街から引き離すっすよ!」


「サリア!?そんな事出来るの!?」


「無論、上手くいくかは分からないっす。でも、やらないで泣くよりやって泣くっす!」


「サリア……。」


「さあ、行くっすよ!ついでにここでティムの力を見せつけて、街の人達もギャフンと言わせてやれっす!」


「……うん!」



 僕とサリアは一緒に、二つの点に近づく事にした。街を守るなら、出てきた物に攻撃して、それから上手く引き付けないといけない。出来るかは分からないけど、とにかくやらなきゃ! 











「あ、あれは……。」


「ティム!お前も来たか!」


 僕達が点の近くまで来ると、既にシャーユ達がそこにたどり着いていた。その側には騎士団長のジャンヌも一緒にいる。



「勇者様、気をつけて下さい。何が来るか分かりませんから。」 


「任せておけ!俺達が転移してくる奴を倒して、より実績と名声を高めてやるさ!」


「流石です。お任せします!」


「喋ってる暇は無いっす!……いよいよ来るっすよ!」



 シャーユとジャンヌが話し終わるのと同時に、空の点はより大きくなった。そして点の周りには、稲妻がほとばしり、ピカピカと光っている。





「き……来た!皆構えて!」


 僕達は武器を持って点を攻撃する体勢に入る。すると点がピカッと輝き出し…………
















「来たぞ来たぞ!ここが勇者のいる国、グランド王国じゃな!早速先生を探すのじゃ!」


「もう……早めに済ませて下さいよ?あまり迷惑をかけないようにして下さいね?」



 そこから出てきたのは、二人の女性だった。

今回も読んで頂き、ありがとうございます。続きが気になる、面白かったと思って頂ければ幸いです。もしよろしければ、ブックマーク、評価を入れて頂ければ嬉しく思います。

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