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配信テイマー、我が道を行く!〜戻って来いと言われても知りません!僕は大切な仲間と一緒に冒険してるんだから!  作者: ゆん。
第四章

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作戦成功?魔石の真偽は

「貴様達はこの場で拘束させてもらおう。偽の配信で王国を騒がせ、勇者樣を貶めようとした罪は重い!」


「騒がせたって……そっちが原因っすよ!?勇者が魔物に街を襲わせたんじゃないっすか!」


 突然現れたのは、騎士団長ジャンヌ。僕は会った事は無かったけど、王国一の騎士だって噂になっている人だ……。


「そんな証拠があるのか?勇者様が街を襲わせた証拠が?」


「……あーもう!どいつもこいつも証拠証拠ってうるさいっす!出してやるからそこで待ってろっす!」


「落ち着けサリア、奴に構うな。……我らはクエストの報告に来たんだ。拘束される覚えは無い。」


 ギルは落ち着いてジャンヌを見る。するとジャンヌは剣の先をギルに突きつけた。






「貴様達には無くてもこちらにはあるんだ。貴様達テイマーがブラッドゴーレムを倒した……そんな事がある訳が無い。そんなデタラメで私達を騙せると思うなよ?」


「ならばさっさと鑑定すれば良い。手配はまだ出来てないのか?」


「……いいだろう、鑑定士はまだか?」


「は、はい!今お連れします!」



 受付さんはすぐに奥に入り、鑑定士を連れて来た。これで真実がはっきりする、僕達は嘘をついて無いんだから!



「では、お願いします!」


「この魔石ですね。任せて下さい、ハアッ!」


 鑑定士さんは魔力を集め、魔石に被せる。これで魔石の品質や種族を調べるんだ。それを待っている間、ジャンヌは空いた椅子に腰掛け、足を組んでいた。



「多少時間がかかるだろう。私はここで待ってやる。お前達も首を洗って待っていろ。」


「アンタ……本当にちゃんと待つっすか?隙を見て攻撃とか、無いっすよね……?」


「そんな事はしないさ。私は騎士団長だからな。しかしデタラメを暴き次第、容赦無く拘束する。」


「なら安心っすね。あーし達は嘘言ってないっすから。」









 サリアとジャンヌはずっと睨み合っている。すると鑑定士さんが受付さんと一緒にこちらに来た。


「ジャ、ジャンヌ様、鑑定が終わりました。」


「そうか。どうだった?やはり偽物だっただろう?」


「それが……。」


 鑑定士さんが彼女の耳元でひそひそ話をしている。始めは落ち着いて聞いていたジャンヌだったけど、段々と顔が青くなってきた。


「……貴様、あれは嘘では無いのか?本物だと言うのか!?」


「も、申し訳ありません。しかし、何度見てもあれは本物です。ブラッドゴーレムの魔石に違いありません!」


「そ、そうか……。」



 ジャンヌは肩をガクンと落とし、頭に手を当てていた。良かった……鑑定士さんのお墨付きもついたし、これでやっと認めてもらえるよね。












「これで理解してくれたっすか?あーし達は間違い無くブラッドゴーレムを倒したんですよ。アンタ達の言うデタラメなんかじゃ無いって事っす。」


「そうか……そうか……。アハハハハハハ!」


「ちょっ、いきなり何なんすか!?」



 ジャンヌはお腹を抱えて大笑いしている。その場に居る僕もサリアも、冒険者さん達もびっくりしちゃったよ!?



「いや、こちらの非礼を詫びさせてくれ。貴様達の言う事に間違いは無かったようだな。すまなかった。」


「えっ……それじゃ、僕達は捕まらないって事?」


「ああ。配信が嘘で無いのなら、私達を騙した訳では無いのだからな。」


「ようやく分かってくれたっすか……。」



 な、何か一気に和やかな空気に変わっちゃった。本当はいい人なのかな?……あっ。


「サリア!それなら早くこれを受付さんの所に!早く買い取ってもらおうよ!」


「そうっすね。あーし達の目的はこれなんですから。早速換金してもらうっす。……ね、本物なら出来るわよね?」


「は、はい……。」



 こっちの用事をてきぱき終わらせちゃおう!そしたらシャーユに会う心の準備をしないと。



「待ってくれ!それはこちらで買い取らせてもらえないだろうか。」


「……いやいや、魔石はちゃんとした役場で売る決まりっす。そういうのはちょっと……。」


「いや、疑ってしまったお詫びだ。相場よりも高く出そう。どうだ?」





 僕達は少し時間をもらって三人で相談する。


「……ギル、どうっすかね?」


「我は構わんぞ。復興資金は多いに越したことは無い。」


「僕も賛成!これでカインさん達も喜んでくれるよ!」


「うーん。ま、いいっすよね?それじゃお願いするっす。」


 サリアはジャンヌに話しかけ、これで交渉成立。早速換金しよう!


「分かった。それではこちらについて来てくれ。」


「ええ。……ティム、あーし達は換金してくるっすけど、もし勇者が来たら一人で平気っすか?」


「うん。僕なら大丈夫だよ!」


「サリア、ティムなら平気だろう。勇者モドキなど、ティムなら一捻りだ!それでも心配なら早く済ませるぞ。」


「あーい。じゃ、行ってくるっす!」






 サリアとギルはジャンヌの後について、一度役場を出る。受付さんの方を見ると、彼女はすごく落ち込んでいた。


「嘘でしょ、まさか本物だなんて……。たかがテイマーなのに、どうして……。」


 そう、僕達はテイマーなんだ!皆で力を合わせれば、危険な相手とも戦えるんだ!これでテイマーの事を少しでも見直してくれるといいんだけど……。とにかく今はシャーユを待ってみよう。連絡が行ったなら必ず来るはずだ!
















 ◇◇◇




「ブラッドゴーレムの魔石、緊急クエストの報酬。早くお金をもらって、カインに届けるっす!」


「我らの取り分も少しは欲しいものだ。ここまで苦労したのだからな。」


 お金の事を話していると、あーし達が降りた荷車が見えてきたっす。ジャンヌの足は止まらない、どこまで行けばいいんですかね?


「そうだ。配信が嘘で無いのなら、勇者様の事も……真実なのだろうな。」


「ウム、間違い無い。我は攻撃されたから返り討ちにしたんだ。我と証人が出れば証拠になるだろう。」



「そうか……。ところで捕まえた証人達はどこに居るんだ?貴様達は勇者様を捕まえに来たんだろう、先に私に確認させてくれないか?」


「あー。それは」

「いいだろう、そこの荷車だ。勇者への貢ぎ物として隠してある。」


「えっ!?ギル!?」



 ギル、何か考えがあるんすかね?気になったあーしはジャンヌと荷車の横を通る。このまま取り引き場所まで連れて行ってもらえればいいんですけど……。



「なるほど、これか。」


「しばらく待っていろ、確認の準備をするからな。」


「いや、大丈夫だ。」


「大丈夫?まだ中を見て無い……はっ?」



 あーしが見たのは……剣を抜き、馬車とあーしに向けて斬りつけてくるジャンヌの姿だった。

今回も読んで頂き、ありがとうございます。続きが気になる、面白かったと思って頂ければ幸いです。もしよろしければ、ブックマーク、評価を入れて頂ければ嬉しく思います。

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