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配信テイマー、我が道を行く!〜戻って来いと言われても知りません!僕は大切な仲間と一緒に冒険してるんだから!  作者: ゆん。
第四章

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作戦途中、現れたのは……。

「ジャンヌ樣。ここでの見張りも大変でしょう。我々が後はやりますから。」


「余計な気遣いは不要だ。私が続きもやる。お前達の目は役に立たないからな。」


「し、しかし、騎士団長である貴方自らとは……。」


 ここは王国の門の頂上。そこでは騎士達が目を光らせ、怪しい者を探していた。



「念のためだ。万一あの配信がトリックで無いのなら、奴らは立派な脅威だ。王国の為にも抹殺しなければならない。」


「そうですか……ん、あれは?」


「どうした?」



 ジャンヌが部下と下を覗くと、そこには荷車を通す門番の姿が見えた。


「荷車を引いていた者……怪しいな。話を聞いて来る。」


「はっ、えっ?」


 部下が隣を見ると、ジャンヌは居ない。もう一度下を見ると、そこには空中に居る彼女の姿があったのだった。


「や、やはり恐ろしいな、聖騎士ジャンヌ……。王国の騎士団長にして、非情なる騎士と噂される訳だ……。」









「おい、そこのお前。」


「はっ……ジャ、ジャンヌ樣!」


 門番はジャンヌに気づいて敬礼をする。しかし彼女は突如、門番に剣を突きつけた。


「な、何を!?」


「答えろ。何故あの荷車を通した。」


「そ、それは言えません!機密事項ですので……。」


「私に言えぬのか?それほどの機密事項なのか?」


「し、しかし……。」


 門番は口を閉ざすが、彼女は尚も剣を突きつける。


「早く言え。でないと首が飛ぶぞ。」


「お、お許し下さい!あの荷車には、勇者様への貢ぎ物が乗っていたのです。」


「貢ぎ物だと?」


「は、はい。何でも勇者様にも秘密にしているとの事で、おそらくは……。」


「……っ!分かった。ご苦労だったな。」


「い、いえ。こちらこそ申し訳ありませんでした。」


 ジャンヌは剣を仕舞うと、すぐに街の中へ歩き出して行く。そこに丁度、魔導パソコンから一つの連絡が入った。



「フン、やはり奴らだったか。よかろう、勇者樣の代わりに……私自らが出向いてやるとするか。しかし証人を連れて来たのなら厄介だ……早く始末しないとな。」


 ジャンヌは連絡した者に適当に指示を飛ばし、街役場に向けて進むのだった。


















 ◇◇◇



「さあ、これでどう?まだトリックっていう気かしら?」


「こ、これは……まさか、そんな!」


 サリアがカウンターに魔石を乗せると、受付の女性も周りの冒険者さんも、皆一斉に驚いていた。


「お、おい!あれって、間違い無く魔石だよな?」


「ああ。だが何の魔物の魔石かまでは分からない。一度鑑定してみたらどうだ?」


「なっ!?貴方達何を言い出すんですか!?」




 受付の女性は予想外の事態に困惑してるみたい。周りの人達も自分と同じだと思ってたんだ……。



「貴方達、あそこに居るのはテイマーですよ!?そんな人達が持って来た物なんて偽物に決まってるわ!」


「ならそれを確かめようぜ!俺達には本物に見えるし、真偽を確かめたほうが早い!」



「し、しかし…………。あっ、……そうですね。ならここで調べましょうか?」


「それは良いわね。アンタの目の前で本物だって証明出来るんだから。」




(これはいい流れになってきたな。大勢の前で本物か分かれば、正真正銘これが証拠になる。)


(ギル、それならこの流れに乗ろう!)





「なら鑑定士を呼ばないといけませんね。あそこの机でしばらくお待ち下さい。」


「ええ、遠慮なく座らせてもらうわ!」


 受付から示された机に僕達は向かい、そこに腰掛ける。ここで待っていれば、そのうちシャーユ達も来るはず。僕も頑張らないと!




「ふーっ。ティム、ごめんなさいっす。あーしのせいで変装の意味が無くなっちゃったっすね。」


「ううん。僕こそごめんね。反応しちゃったからすぐにバレちゃったよ……。」


「パートナーを馬鹿にされたら腹も立つものっす。しょうがないっすよ。」


 僕達は椅子にじっと座っていたけど、ギルはずっと立ちっぱなし。……何かあるのかな?



「ギル?座らないの?」


「いや、我はこのままでいい。お前達はくつろいでいろ。我は今立ちたい気分なのだ。」


「そう?疲れたらいつでも言ってね!椅子を持ってくるから!」


「ああ。任せるぞ!」













「…………遅い。」


「もしかして鑑定士さん、何か用事があるのかな?」


「ならば早く言うだろう。クエスト達成に関わっているのだ。我が受付なら、早く嘘を証明したいと喜んで手配するぞ。」


「そっか。……ねえギル、シャーユには連絡って行ってるのかな?」


「間違い無い。我らが倒したのを配信で知っていれば、まずここに押しかけて来るだろう。」


 ギルはそわそわしている様子。やっぱり心配事があるんだ!





「ギル?」


「……ティム、サリア。いつでも外に出られる状態にしておけ。作戦失敗かもしれん。」


「ギル、何言ってるんですか!?ここで実績を証明するのがあーし達の目的でしょうが!」


「さっきも言っただろう?我が受付なら喜んで鑑定士を連れて来る。それに奴らとしては、わざわざ我らを留める必要は無い。最悪勇者が押しかけて来て、我らが暴露するからな。」


「だからそれがあーし達の狙いなんですよ!?」






 サリアの言葉にに僕は頷く。だってそれが目的なんだから。何でギルは疑問に思うんだろう?


「[何でわざわざ時間をかけるのか]そうは思わないか?」


「それは……何で?どういう事っす?」


「お前はどこに手紙を出した?」


「そりゃ騎士団っすよ。街に来て欲しいって頼んだっすから。……あっ。」


「そうだ。つまり騎士団は勇者の不祥事を知っている。そして役場に話を通していれば、我らが乗り込んで来た事も分かるはずだ。つまり……!」







 ギルが何か言おうとした瞬間、ドカンと轟音が鳴り、役場の扉が吹き飛んだ。そして皆の注目が集まる中、一人の女性が姿を現したんだ。







「……ここで足止めして、時間をかけている間に直接我らを始末すればいい。そうすれば不祥事が表に出る事は無いからな。」


「ええ……何すかそれ。」




 緑色の髪をした女性は僕達を見るなり、剣を突きつけながら大声で話しだした。


「貴様達が王国を騒がせる不届き者だな。私は騎士団長ジャンヌ!貴様達はここで拘束させてもらう!」



今回も読んで頂き、ありがとうございます。続きが気になる、面白かったと思って頂ければ幸いです。もしよろしければ、ブックマーク、評価を入れて頂ければ嬉しく思います。

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