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配信テイマー、我が道を行く!〜戻って来いと言われても知りません!僕は大切な仲間と一緒に冒険してるんだから!  作者: ゆん。
第四章

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突入!王国の街役場!

 グランド王国に入ってから、ギルは僕達を乗せた荷車を引いてひたすら進む。目的地は街役場、ここではクエストの管理をしているから、緊急クエストの受付も行われている……と思う。


「ギル、僕達はいつ頃出ればいいかな?」


「もう少し待て。役場に着いたら降ろしてやるから、それまでは我慢してくれ。」


「分かった。ギル、気をつけてね。」





 僕が荷車の端っこに寄りかかると、サリアが反対の端から話しかけて来た。


「ティム、いよいよっすね。」


「うん。」


「大丈夫っす。ティムにはレルが居るし、あーし達もついてるっす!だから、あまり緊張しすぎない事っすよ。」


「うん、分かってるよ!ありがとう、サリア!」








「さて……そろそろ着くぞ!お前達、降りる準備をしておけ!」


「了解!レル、降りるよ。準備はいい?」


「わん!わん!」


「んー。ただ乗ってるだけだと退屈っすね。ようやくあーし達の本題に取り掛かれるっすよ!」


「一応武器も持っておけ。奴らの事だ、何をしでかすか分からんからな。」


 僕達は護身用に武器を携帯する。僕は短剣、サリアとギルは小さい鎌。レルはブレードが大きすぎるから、今は出さないでもらっている。



「では……行くぞ!一気に進め!」


「うん!」


「わん!」


「任せるっす!」









 僕達が荷車から降りると、そこには大きな建物……そう、グランド王国の役場がそびえ立っていた。王国のある街の役場だけあって、その立派さは周りと比べても際立っていた。



「歩きながらでいい、簡単に手順を確認するぞ。まずは我ら皆で役場に入ってクエストの報告をする。もちろん勇者達にはすぐに連絡が行くだろう。まずはここで勇者をおびき寄せる。」


「そしてあーし達が証拠の魔石と配信動画を提出。そしてローブを外せば配信者があーし達って証明出来るから、これで確実にあーし達の実績になるっす。」


「僕はそこに現れたシャーユを問い詰めるんだ!あんな酷い事、何でやったのかはっきりさせないと!」


「後は証人を連れて来て洗いざらい話してもらえれば万事解決っす。勇者を捕まえ報酬も総取り!これであーし達は撤収っす!」


「わん!わん!」


「犬っころ、貴様はここで待っていろ。何かあった時には呼ぶ、それまで待機だ。」


「わふ!?わん……。」


「ごめんねレル。お留守番をお願い!」


「うー……わん!」






 そして僕達は遂に扉の前に着いた。ここからが正念場だ……!


「では……作戦開始だ!」


「「おーー!!」」












 僕達は扉を開け、素早く受付に向かう。そこには多くの冒険者さん達が並んで、クエストの手続きやパーティー募集をしているみたいだった。


「いらっしゃいませ!どんなご用件でしょうか?」


「ええ。あーし達、クエストの報告をしに来たんすよ。」


 そこには受付のお姉さんが立っていた。勇者パーティーも担当している人だ。


「おお!おめでとうございます!どちらのクエストですか?」


「それは……。」


 サリアは一呼吸置いて、彼女に話しかけた。








「先日の緊急クエスト、ブラッドゴーレムの討伐についてっす。」


「えっ!?……しばらくお待ち下さい!」


 受付嬢さんは目を見開いて僕達を見る。そしてすぐにこの場を離れて行く。周りの空気も一気に変わった。一斉に注目を集めているんだ……。




(予想通りっす。勇者達はここに来るっすよね?)


(おそらくな。)









 ◇◇◇


「も、もしもし?来ました、貴方の予想通り奴らが来ました!私はどうすれば……?」


「分かった。すぐにそちらに向かう。適当に足止めしておけ。いいな?」


「は、はいっ!早めにお願いします!」


 ◇◇◇













「えー……貴方達、ふざけちゃいけませんよ?」


 受付嬢さんが戻って来た。でもさっきとは違う、凄く横柄な態度だ……。


「いいですかー?ブラッドゴーレムはAランクの魔物です。貴方達三人如きで倒せる相手では無いんですよー?」


「そんな事言っても、倒したもんは倒したんすよ。」


「そうなんですか〜。……ねぇ?ティムさん?」


「えっ!?」




 嘘!?変装は完璧だったはずなのに、こんなに早くバレるなんて……何で分かったの!?


「分かりますよぉ。私達も配信業界はチェックしてるんですから。あのクソ犬と一緒に居るのなんて、世界中探しても貴方くらいですよねー?」


「れ、レルを悪く言わないでよ!どうしてそんな事」


「ティム!黙ってなさい!」





 サリアの怒号が飛び出し、僕は慌てて口を閉じる。でも、サリアも同じように手を口に当て、しまったという表情で口を閉じていた。



「やっぱりティムさんでしたか。しかし……勇者パーティーの貴方も落ちぶれましたね。あんなトリックを使った配信なんて、すぐに分かりますよ?」


「違う!僕達は嘘なんかついてない!ちゃんとブラッドゴーレムをやっつけたんだ!」


「なら出して下さいよお、証拠を。出せるならですけど?」



 





(ギル……そろそろ出すっす。作戦とは違うけど、これ以上聞いてたら鎌持ち出したくなるっす……!)


(いいぞ、ここで一回キツイのをお見舞いしてやるといい!)






「……チッ。」


「あー?何ですか貴方?貴方がティムさんと協力して配信してるのも分かってるんですよ?」


「黙りなさい。アンタ今言ったわよね?証拠出せって。いいわ、出してあげるわよ。」


「な、何を言って……トリックに証拠も何もある訳が……。」



 サリアが受付に出したのは、小さい袋。その中にはブラッドゴーレムの体の一部が入っていた。


「何ですかこの石ころは?これが証拠?……アハハハハ!やっぱりトリックじゃないですか!」


「そうよね。ならこれはどう?」


 サリアはすかさず袋の中へ手を入れ、奥にある丸い石を取り出した。





「またガラクタですか?そんな、もの……?」


「これがガラクタに見えるのかしら?」



 サリアが出したのは……間違い無く本物の、ブラッドゴーレムの魔石だった。

今回も読んで頂き、ありがとうございます。続きが気になる、面白かったと思って頂ければ幸いです。もしよろしければ、ブックマーク、評価を入れて頂ければ嬉しく思います。

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