謎の二人組/テイマー達、王国での目的を確認する
とある場所にある、一つの粗末な家。そこには二人の女性が座り、何やら話をしているようだった。
「ただいま戻りました。」
「おお、戻ったか!で、どうじゃったか!?その先生について、調べられたか!?」
「はい、こちらになります。」
古い洋服を来た銀髪の女性が、同じく椅子に座った金髪の少女に紙を手渡す。その紙を読みながら、少女は目を輝かせていた。
「ほうほう……凄いのう!しかし、紙で見るだけでもわくわくしてきた!もしこれを実際に見れたら、儂は大喜びなのじゃ!」
「ありますよ、映像。」
「……………………そうなのか?」
「ええ。その先生は配信者をやっておられるそうです。先日の冒険者様が宣伝していたでしょう?」
「そ、そうじゃったかの……?なら、早速見てみるのじゃー!」
銀髪の女性が魔導パソコンを持って、少女を膝に乗せる。そして、ある一人の少年の配信した映像を見始めるのだった。
「「……………………。」」
二人は映像で起きている出来事に沈黙していた。
「み、見事です!ブラッドゴーレムをたった四人で……!」
「わ、儂ら何か凄い先生を見つけたのじゃ!この先生に今すぐ面会して、その力を体験するのじゃ!早く早く!」
よそ行きの服を古いタンスから引っ張り出し、おめかしを始める少女。それを慌てて女性が引き止める。
「だ、駄目です!貴方様は余程の用事が無ければ外に出てはいけません!」
「で、では余程の用事があればいいのじゃな?それなら今すぐに出発じゃ!早速先生を探すのじゃー!」
「は、はあ!?何ですかその用事は!?」
銀髪の女性の質問に対し、金髪の少女は宣言するのだった。
「当代の勇者の力を見極める事じゃ!そのついでに元メンバーの様子を見に行っても問題は無かろう。今はフリーじゃろ、きっと。」
「…………。」
「では早速始めるかの!お前も早く支度をするのじゃ!」
「はあ……。分かりましたよ。しばらく待ってて下さいね。」
家の中には、女性の大きなため息が響くのだった。
◇◇◇
「ギル!いい加減起きるっす!いよいよ出発なのに、いつまで寝てるんすか!?」
「サリア、お前はもう少し心にゆとりを持つべきだ。5分位では何も変わらんだろう?」
「ギル……自分で決めたんだからちゃんと起きようよ……。」
「わん……。」
僕達は今日、ストーレの街を出る事になった。ブラッドゴーレムを倒してからはや数週間。本当はもっと早く出るつもりだったけど、街を直すお手伝いをしていたら遅くなっちゃったんだ。
「しかしサリア、緊急クエストの報酬も狙うのなら急いだ方が良かったのではないか?」
「あーしは一応王国の役場に連絡はしたっすよ!?そしたらこんな返事が帰ってきたっすからね!向こうの都合なんて知らないっす!」
サリアは手紙を出すと、それを僕達の前に叩きつけた。
「ブラッドゴーレムを倒した事。勇者の指示でブラッドゴーレムが街に来た事。街の復興を優先しているから、騎士団を派遣して欲しい、魔石はその時に提出するって事。全部伝えたっすよ!それの返事がこれっすよ!」
「どれどれ……テイマー如きに緊急クエストが達成出来る訳が無い。報酬金を騙し取りたいなら、もっと手段を考えた方がいい……何だこれは!?ふざけているのか!?」
「あーし達が騙したって言うなら、それこそ騎士団を派遣して現地を確認すればいい事っす!なのにこれっすよ?言いがかりもここまで来ると呆れるっす……。」
「あっ!ここにも小さく何か書いてある。……勇者はこの事件に一切関係が無い、ホラを吹くのも大概にしろ。……文面は丁寧だけど、書いてあることは相当乱暴だよね。」
「わふー……。」
僕とレルはサリア達の方を見る。彼女達も怒っている様だったけど、すぐに落ち着きを取り戻していた。
「ま、いいっす!ブラッドゴーレムの魔石と、捕まえた冒険者達。この二つがあれば勇者の奴をとっちめる事が出来るはずっす!」
「ああ!直接乗り込んで暴露してやろう。そうすれば、我らの力も認めざるを得なくなるだろう!」
「うん!それじゃ、この事も踏まえてもう一度目的をおさらいしようか!」
「わん!わん!」
一通り荷物をまとめ終わり、僕達は今家の入り口にいる。そしてサリアが口を開き、目的の説明を始める。
「では。あーし達の目的は緊急クエストの報酬金と、ブラッドゴーレムの魔石を換金する事っす。復興はまだ途中っすから、これを資金として使いたいと思ってるっすよ。ついでに勇者を捕まえるっす。」
「僕はシャーユが何であんな事をしたのかを知りたいよ……。マーチもケビンも居るのに、何でだろう……?」
「何とも言えんな。だが、何をするにしても、まずはグランド王国へ行かねばなるまい。……覚悟は出来てるか?ティム。」
「うん!僕にはレルも居る、サリアとギルも居るんだ!大丈夫だよ!」
「なら、そろそろ行こうっす!皆、張り切って行くっすよ!」
「うん!」
「わん!わん!」
「任せておけ!」
さあ、出発だ!僕達は家のドアを開け、外に一歩踏み出したんだ!
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