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配信テイマー、我が道を行く!〜戻って来いと言われても知りません!僕は大切な仲間と一緒に冒険してるんだから!  作者: ゆん。
第三章

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ギルとカイン、犯人への尋問をする

 我はギルだ。今は友人のカインと共に、目の前の男を尋問している。


「では話してもらおう。お前達はどうしてブラッドゴーレムを連れてきたんだ?」


「い、言う訳無いだろう?俺達の事を誰だと思っているんだ?」


 ここは役場の一室。カインと我の二人がかりで、冒険者三人を調べている最中なのだ。


「我からすれば侵略者にしか見えんな。やはりここで斬るべきか?」


「それは後にしてくれ。理由はしっかりと聞いておかないと!」


「い、言わないって言ってるだろ!?」


「どうしても言うつもりは無さそうだな。ならばこちらで少し調べてみるか。」




 我は魔導パソコンを取り出し、文字を入力する。ハイシン動画を探すのと同じ要領だ。これで情報を集めれば良い。


「ブラッドゴーレム……緊急事態……懸賞金……こんな物か。」


「ギル、何をしてるんだい?」


「何か出てるかと思ってな。ブラッドゴーレムは普段こんな所には居ない。そしてAランクの強敵だ。そんな情報があれば、あちこちで噂になると思わないか?」


「なるほどね。それで……どうだい?」


「来たぞ、こんな情報があった。王国で緊急クエスト、冒険者募集。報酬金は……ほう、100万ゴールドか!凄い大金ではないか!」 


 我は三人を見て、ニヤッと笑う。すると三人はその様子を見て震えていた。






「本当かギル、100万だって!?そんなに出るのか!?」


「これなら勇者が狙ってもおかしくはないな。しかし、それとこの街に何の関係がある?勇者なら一人で……いや、あの勇者モドキでは無理だな。それでもパーティーで挑めば良いはずだ。そうだろう?何故貴様達を使ったのか……。」


「そ、それは……。」


 まだ言わないか。ならば少し怖い思いをしてもらうか。





「カイン、奴らはどうせ喋らないだろう。ここで斬ってもいいか?」


「いや、駄目に決まって……?」



 察しろカイン!我の顔を見るんだ!



「……そうだね。直接勇者に確認した方がいいかもしれない。それならもう必要無いな。」


「「「なっ!?」」」


「良いだろう、我がやろう。ブラッドゴーレムのトドメを譲ったから、代わりに何か斬りたいと思っていたのだ!」


 我は手袋を取り、鎌を一人に突きつける。そろそろ言ってくれるとありがたいのだが……。





「わ、分かった話す!だから命は取らないでくれ!」


「ほう、やっと話す気になったか。ならば聞かせてもらおうか!」






 我が促すと、一人の冒険者がそっと話し始めた。


「ああ……。そっちの言う通り、俺達は勇者から依頼を受けて一緒にここまで来たんだ。大金が入るから手伝えって。勇者の実績が増えるとも言ってたんだ。」


「大金か、確かにそうだね。俺だって飛びつくかもしれない。もしかして独り占めを狙ったのかな?」


「それで、勇者に何を頼まれたのだ?」



 手の鎌をちらつかせ、冒険者に迫る。すると奴は怯えながら、早口で話し出した。


「ストーレの街を壊滅させるって言ってた。ここは負け組の作った街だから、壊しても何の問題も無いらしい。今回のクエストと合わせて、ブラッドゴーレムに街を襲わせた後に俺達が討伐するって計画だったんだ……。」


「…………。」


「そうすれば大金が入るし、俺達の名声も上がるって話だったんだよ……。まさか勇者が俺達を置いて逃げたり、ブラッドゴーレムを倒せる戦力が居るなんて聞いていなかった!俺達は騙されたんだ!」






「お前達……ふざけた事を……!」


「ヒッ!?」


 カインは冒険者に掴み掛かるが、怒るのも当然だろう。


「ここでは迫害された者が集まって、皆で力を合わせて生きているんだ!お前達みたいな身勝手な奴らが俺達を生んだんだよ!それを他人事みたいに……!」


「だ、黙れ落ちこぼれ共が!俺達はお前達みたいなゴミとは違うんだ!」


「もういい、分かった。」


 我はカインの肩をそっと叩く。カインはまだ怒っているが、それでもここは止めなければなるまい。


「とにかく貴様らは然るべき所へ突き出してやる。魔物を故意に街まで誘導した事、そして街の皆を皆殺しにしようとした事、控えめに言っても重罪だろう。覚悟するがいい!」


「そ、そんな!それなら勇者もだろう!」


「案ずるな、貴様らの証言で奴も問い詰めてやるさ。それに実際に我は奴を叩きのめした。我も出れば、勇者がここに来た確固たる証拠になるだろう?」


 我の言葉が決め手になったのだろう。奴らは肩を落とし、その場で震えていた。










「ギル、すまない。我を忘れてしまったよ……。」


「誰もお前を責めやしない。我ならあそこで首が飛んでただろう。よく抑えたな、流石は我の認めた男だ!」


「そうか……お前はこれからどうするんだ?」


「奴らを連れて王国に行くつもりだ。何、お前はまず街の復興に力を使えば良い!こちらは任せておけ!」


 カイン、気を落とすなよ。お前には街の仲間も、我らも居るのだからな!




「では……我らはしばらく休養した後に外に出るとしよう。それまでの食事にかかる経費、これは別勘定だ。しっかり出してもらうぞ!」


「ギル……分かった!大した事は出来ないけど、俺の責任で何とかするよ!」


 少し元気になったな。これでいい、お前がそうでないと張り合いが無いからな。我はそう思いながら、しばらくカインと一緒に居るのだった。

今回も読んで頂き、ありがとうございます。続きが気になる、面白かったと思って頂ければ幸いです。もしよろしければ、ブックマーク、評価を入れて頂ければ嬉しく思います。

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