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配信テイマー、我が道を行く!〜戻って来いと言われても知りません!僕は大切な仲間と一緒に冒険してるんだから!  作者: ゆん。
第一章

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少年テイマー、配信者になる決意をする

「君は……サリア!どうしてこんな所に!」


「いやー!風のうわさで勇者パーティーからテイマーがいなくなったって聞いて、慌てて飛んできたんですよ。勇者パーティーのテイマーなんて、あーしの知ってるのはティムだけっすからね。」


 そう言って頭を掻いているピンク髪の女の子……僕よりも身長も高く、すらっとした身体つきのこの子はサリア。僕と同じ鑑定の儀でテイマーになった、同期の子……って言えばいいのかな?同じテイマーって事もあって、よく一緒に会ったり、情報交換もしてる仲なんだ。



「しっかし鑑定の儀を受けてから、はや二年っすか……。時の流れは早いっすねー。」


「わふー!わん!」


「よーしよし。レルも元気してたっすか?」


「わん!わん!」


「ありゃ、くすぐったいっすよー。」


 レルは尻尾を振りながらサリアを舐める。そして彼女は僕に一つ、提案を出してきた。




「それでティム、今言った配信者についてっすけど……。」


「サリア、その配信者ってどんな仕事なの?」


「ふむ。ちーっと長くなるから、しっかりと聞くっすよ。」


 そして彼女は、その提案について話し始めた。








「今の世の中、魔王がなんだ、勇者がなんだっていう時代は終わったっす!これから覇権を握るのは配信!配信っすよ!」



「配信ってのは、あーし達冒険者がクエストで戦ったり、生活したりする活動を映像にして、お外に公開するんすよ。」



「外に公開することで、あーし達は自分の力を公の場に見せつける事ができる。そうすれば、強い冒険者向けのいいクエストなんかも入ってきて、安定した収入が手に入るって事っす!」


 一通り説明したサリアは、深呼吸をして更に話を続ける。










「……って言うのは建前で、本命は[影響力]なんですよ。例えば珍しいスキルを使った戦いとか、誰も知らないアイテムを見つけるとか、注目される配信をするっすよね?すると[スポンサー]から、ウチの装備を使ってくれ、道具を宣伝してくれって依頼が来る事があるんすよ。

 たくさんの人が見るから、それが宣伝になるんす。するとあら不思議!そこからの収入も入るわ、貴族や王族、果ては他の国からも認められるわ、いい事だらけ!夢の豪遊生活が待ってるっす!」



 配信者について熱く語るサリア。すごい熱気……それだけこの仕事はやりがいのある物なんだ!


「そ、そうなの!?でも、」


「それに……もし配信で有名になれば、ティムが頑張っている事、お父上にもお知らせ出来るっすよ?」


「!」


「もっと言うと、ティムを追い出した勇者パーティーの奴らを見返す事ができるっす!ティムはすごいテイマーなんだから、もっと自信を持っていいっすよ!」


 そうか!僕が配信者になれば、父上やソードが僕の成長を見てくれる!僕が一人前になったのを、伝えられるんだ!そして勇者パーティーの事も……。



「で?どうっすか?やってみたくないっすか!」


「やりたい!僕、その配信者のお仕事やってみたいよ!」


「よし来た!それじゃ、初心者サービスで機材はこっちで用意しておくっすから、住む場所とか気持ちが落ち着いたら連絡くれっす!」


「うん!」







 僕達が話していると、サリアの後ろから一人の男の人が出て来た。


「……サリア。もう終わったのか?我らも暇ではないのだ。何をしてるんだ?」


「あーい。今ティムと話してたっす。ギルも話してみるっすか?」


「……ティムか!なら、我も会話に混ぜろ!」


 現れたのは両手が鎌になっている男の人。名前はギルティス。そう、この人も僕の友達で、魔物なんだ。


「久しいな!ティム、それと犬っころ。」


「わん!?わー!わー!」


「落ち着いてレル!うん、ギルは元気そうだね!」


「無論だ。今の話の通り、我らはハイシンをやっているのだ。お前もこの世界に来るなら歓迎するぞ?」


 一見スーツを着たかっこいい大人に見えるギル。でもその正体は、本人曰く一流のエリート魔族らしい。僕はそんな気はしないけど……。


「そうだね。僕もやってみたいから、落ち着いたら連絡するよ!」


「そうかそうか!ならば待ってやるぞ、お前の初舞台を!」


「うん!」


「では、伝えたい事は伝えたし、あーし達はここで失礼するっす!……頑張るっすよ、ティム!」


「またね、サリア、ギル!」


 そして、サリアとギルは二人で僕達の出ていった街の方へと向かって行った。




「配信者かー!僕もお金は欲しいし、父上にも姿を見てもらいたいよ!レルはどう?」


「わん、わふー?」


「うん。ちょっと不安だけど、僕はやってみたいな!」


「うー。わん!」


「ありがとう!よーし、頑張るぞー!」



 僕達は草原を歩きながら、夢を膨らませていた。もうあの街には戻らない。サリアや父上、ソードに僕の成長を見せるんだ!僕はそう意気込んで、レルと一緒に草原を駆け抜けていった。

今回も読んで頂き、ありがとうございます。続きが気になる、面白かったと思って頂ければ幸いです。もしよろしければ、ブックマーク、評価を入れて頂ければ嬉しく思います。

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