表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
配信テイマー、我が道を行く!〜戻って来いと言われても知りません!僕は大切な仲間と一緒に冒険してるんだから!  作者: ゆん。
第三章

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

33/279

再びの勇者、ブラッドゴーレム襲来!

 突然響いた轟音。それを聞いた僕達は一斉に音の方向を見る。


「な、何だ一体!?」


「びっくりしたわ!敵襲かしら!?」


 周りの人達も大慌て、僕とレルはカインさんの方を見た。


「外の部隊はどうなっている?連絡係はいないか!」


「り、リーダー!今お伝えしますー!」


 カインさんの大声に反応して、遠くから声が聞こえる。そこから男性が近づき、カインさんに報告をしていた。


「ま、魔物です!街に接近しています!」


「魔物か……どんな奴だい?」


「はっ、それが……。」


「早く教えてくれ!急いで対応しなければ!」


「ぶ……ブラッドゴーレムです……。」


 その声を聞き、カインさんの顔は真っ青になっていた。


「ブラッドゴーレム!?ここに住処なんて無いだろう?何かの間違いじゃないかな!?」


「いえ、間違いありません!今はギルさんが抑えています!」


「そうか……分かった、今行こう!出れる冒険者は俺と一緒に来てくれ、それ以外の人達は役場に集まって!」


「了解しました!皆さん、避難して下さい!」


 男性はすぐに街の人を集めて、カインさんの勤める街役場に動き始めた。


「僕達も行きます!レルも行ける?」


「わん!わん!」


 よし、まだやれる!隣のサリアを見ると、彼女もやる気満々だ!


「ブラッドゴーレム……手強いっすね。あーしも行くっすよ!ちょうど体を動かそうと思ってたっす!」


「急ごう!ギルが戦ってるんだ!」


「ええ!早く行ってやるっすよ!カイン、指示を!」


「よし、皆行くぞ!」


「「「「「おーーーーーー!」」」」」


 僕達は大急ぎで街の入り口に走って行った。ギル、もうちょっと待っててね!すぐに行くから!
















 ◇◇◇


「ギルさん。そろそろ休憩したらどうですか?」


「必要無い。我が無理を言ってお前達に頼んだのだ。まさか休むわけにはいかんだろう。」


 我はギルティス。皆はギルと呼んでいる。我は今、ストーレの街での警備活動中だ。今の所異常は無い。ただ外を見ているだけだ。勇者の動きが気になるが、ティムとカインの勝負も気になっている。後で配信を見なければならないな!


「む、あれは……!」


「ぎ、ギルさん!見ましたか?奥から誰かが向かってきています!」


「ああ!奴は……間違い無い。我が出てやる!お前達は一度街の中へ行け!指示が出るまで待機を頼むぞ!」


「はい!」


 人員を街に退避させ、我は見張り台から飛び降りる。カインの部下であり、街の住人でもある。死なせる訳にはいかんのでな。







「何だ貴様は!?この俺、シャーユの邪魔をするつもりか!?」


 ……やはり来たか。勇者シャーユ!


「もう一度聞くぞ!お前は俺の邪魔をするつもりか?」


「邪魔なのは貴様だ。早く消え失せろ!」


 すると勇者は馬から降り、腰から剣を抜く。どうやら我と戦うつもりらしいな。


「俺には時間が無いんだ!早く門を開けろぉ!」


「誰が開けるものか!」


「ならば……死ね!」


 勇者は瞬間移動で我に近づく。なるほど速い、流石は勇者と言った所か。


「遅いわ!」


「ゲフッ!?」


 首元に迫る刃を手で受け止め、肘を頭に叩き込んでやった。頭を押さえた勇者を蹴り飛ばし、奴の馬の側まで返してやる。


「何を企んでいるから知らんが、早く帰れ!」


「うるさい!ブレイブアタック!」


 勇者は魔力を纏って突進をしてくる。先程よりも速いな。これが勇者の力か。






「……ゴバッ!?」


 他愛もない。確かに速いがそれだけだ。すかさず我が腕をぶつけ、剣を落とす。我にとってはそのくらい朝飯前よ。


「な、何を……?」


「先に仕掛けたのは貴様だ。死んでも文句は言うまいな?」


「な、……ハギャャャャ!?」


 我は手袋を外し、鎌の手を使って勇者を斬る。一瞬で体をズタズタにされた勇者は地面に転がった。


「な、あいつは人間じゃない!?」


「ま、まさか……あれはギルティス!?Aランクの冒険者でも手に負えない、最上位の魔物が!?何故こんな街に!?」


「さあ、何故だろうな?とにかくこれで……。」









「ゴォォォォォォ!ゴォォォォォォ!!」


 ……ほう。厄介な奴が来たものだ!ブラッドゴーレムではないか。勇者達はアレに追われてここまで来たのか。しかし何故だ?ブラッドゴーレムなぞこの地域には居ない。……まさか。


「おい、そこの勇者モドキ!貴様アイアンゴーレムから転移で逃げたな?」


「う、うるさい!とにかくこれでこの街は終わりだ!さっさとくたばりやがれ!」


「何だと?ふざけた事を。」


「今だ!撤収するぞ!」


「「「ハッ!」」」


「邪魔だ。消えろ!」


「「「グエッ!?」」」


 勇者とその手下は馬に跨り街から離れるが、我はすぐに動き、勇者以外を斬りつけ捕縛する。そして地面に叩きつけ、完全に意識を奪った。……奴らは馬鹿なのか?逃がすつもりは無いのだが。次は勇者、貴様だ!








「ゴォォォォォォ!」




「へへっ……ざまあみろ!」


「……ん?そういう事か!?我ともあろう者がしくじったか!?」


 勇者は一目散に逃走するが、ブラッドゴーレムはこちらに近づいている。……[奴ら]がここまでおびき寄せのだ。それなら雑魚勇者一人よりも、倒れた馬鹿共数人の方が実入りが良い。つまり……




「フン!街と、ついでに馬鹿共にも手を出させんぞ!」


「ゴォォォォォォ!」


 勇者も仕留めたいが、こいつ等も然るべき所へ突き出さねばならん!……全く、つまらぬハンデを背負った物だ!


「ゴォォォォォォォォォ!」


「ハハハ!ブラッドゴーレムよ、我を愉しませろ!貴様など我一人で充分だ!」


 我はわざと大声で叫びながら、手を完全な鎌へと変化させゴーレムを斬りつけた。……流石に馬鹿共を庇いながらでは限度がある。試合を楽しんでいるティム達には悪いが、ここは増援に期待させて貰うぞ!



今回も読んで頂き、ありがとうございます。続きが気になる、面白かったと思って頂ければ幸いです。もしよろしければ、ブックマーク、評価を入れて頂ければ嬉しく思います。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ