表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
配信テイマー、我が道を行く!〜戻って来いと言われても知りません!僕は大切な仲間と一緒に冒険してるんだから!  作者: ゆん。
第三章

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

32/279

激突、ティムVSカイン

「ギルさん!こちらは異常無しです!」


「ご苦労!すまないな、お前達も試合を見たかっただろうに。無理矢理駆り出してしまったな。」


「いえ、後で配信を見ますので平気です!それよりも今は勇者の動向を探りましょう!」


「お前達には後で埋め合わせをするから、よろしく頼む!奴らが何か企んでいなければ良いが……。」


 ティムとカインの試合が行われている中、ギルはカインの部下を連れて外の警戒に当たっていた。



「このまま何も無ければそれで良い……。ティム、お前は皆に力を見せてやるのだ!」











 ◇◇◇


「さあ……どうする!?これで終わりでは無いだろう?」


「もちろんです!勝負はまだ始まったばかりですから!」


 僕はレルとの距離を測る。ダッシュすれば追いつく事は出来るけど、きっと妨害が入るはず。僕は少し考え、カインさんに短剣を構えた。


「君はテイマーだろう?仲間の力を借りないのかな?」


「その為に準備をしてるんです!行きます!」


 僕はカインさんに向けて突撃する。対するカインさんはその場から動かない。


「そこだっ!」


「よっと。」


 僕の剣の一振りは簡単に避けられる。すると彼は僕の腕を掴んで、地面に叩きつけた。


「痛っ!」


「まだだよ!ハアッ!」


「ギャッ!?」


「わん!」


 反動で浮き上がった僕に、カインさんは蹴りを入れる。その勢いで僕は吹き飛ばされ、地面に激突した。


「痛っ……でも、まだまだやれます!」


「わん!」












 ◇◇◇



「あの子、何か作戦があるんじゃないか?テイマーなのに、魔物の力を使って無いだろう?」


「でも、カインさんには敵わないわよ!ここのリーダーであり、凄腕冒険者なんだから!」


 周りで見ている人達は、各々感想を述べ合っているっすね。もちろんカインは強い、それはあーしも知ってるっす。


「でも、ティムは負けないっすよ!頑張れー!ティムー!」


 あーしも精一杯応援しないとっすね!声を張り上げて行くっすよ!









 ◇◇◇


 僕達の様子を見て、カインさんは頭を捻っていた。


「動きは悪くないが、ギルが注目するほど強いとは思えないな。……何か考えがあるのか、或いはギルの見込み違いか。」


 すると彼は魔力を放出し、風の渦を剣に纏わせる。この感じ……強い攻撃が来る!


「君の実力、ここで測らせてもらう!受け止めるか、倒れるか、君はどちらかな?」


「来るよ!レル、力を貸して!」


「わん!」


「させないよ!ウインドカッター!」


「うわっ!?あ、危ない!」


 風の斬撃!今の状態でも、レルに触れる隙は無い!やっぱり時間を稼がないと!


「行くぞ!ウインドソード!」


 風の渦が剣の先に集まり、刀身が伸びる。そしてカインさんはこちらに高速で移動してきた!


「わん!」


 レルが自分のブレードで一閃!それをカインさんは難なく受け止める。


「中々の重さだ!でも、風の刃には関係無い!」


「わん!?」


 嘘、レルの体が浮いている!?


「吹き飛べ!」


「キャウウン!?」


 レルは勢いよく弾き飛ばされてしまった。だいぶ距離が離れている。これだと近づけない!


「次は君だ!どうする!?」


「僕は……これで勝負です!」


「……また短剣か!?君は一体……。」


 僕はカインさんに向けて短剣を投げる。それは風によって止められ、本人には届かない。でも……!






 ドガァァァァン!


「何!?」


 僕の投げた短剣は、カインさんの目の前で爆発した。すかさず僕は、さっき弾かれ、地面に落ちた短剣に向かって剣を投げる。



 カキン……ドガァァァン!



 カキン……ドガァァァン!




 次々と爆発を起こす短剣。すると辺りにはもくもくと煙幕が漂ってきた。


「しまった……どこから仕掛けてくる!?」


「今だレル!後ろから攻撃して!」


「わん!」


「何っ!?後ろか!?」


 カインさんは後ろを振り向き、風の剣を振るう。でもそこにはレルは居なかった。


「今度は左から突撃!」


「わふっ!」


「何だって!?」


 カインさんは左を向く。そこにもレルは居ない。


「そこだ!一閃!」


「わん!わん!」


「クソっ、そこか!」


 不意をついたレルはカインさんの剣に体当たりする!さっきと違ってレルが押し込んでる、今のうちだ!


「喰らえーー!」


「な、何だって!?」


 僕はもう一度短剣を投げると、それはカインさんの顔に向かって行く。カインさんはレルの対処で動けない中、風で短剣を弾く。でも、それは予想してた事だ!





 ピカッ!


 短剣に括りつけた玉が勢いよく爆発する。すると一瞬、まばゆい光が辺りを包みこんだ。




「くっ、閃光か!?目が……!」


「今だレル!こっちに走ってー!」


「わん!わん!」


 膝をついて目をおさえているカインさん。その隙をついて、僕はレルと合流。すかさず背中をさすり、力を借りる!








「レル!ブレードを借りるよ!」


「わん!」


 よし、レルの力を借りられた!これで一気に攻め込む!


「ハァァァァ!」


 僕は高速でカインさんに接近する。カインさんはちょうど目を開けた所、僕の姿を捉えると驚愕していた。


「な、速い!これがテイマーの力か!?」


「一気に叩きます!勝負です!」


 僕は真っ向からカインさんに斬りつける。カインさんも剣を使って防御するけど、今なら僕の方が勝ってるはずだ!





「うりゃぁぁぁ!」


「くっ!?甘いな!」


 ブレードを振り下ろした時、カインさんは遠くに移動していた。高速で移動したんだ……見えなかった。


「まだです!行こう、レル!」


「わふー!」


「ぐっ……さっきまでとは大違いだ!強いな君は!」


 僕とレルは同時に攻撃するけど、カインさんは回避に集中していて、全く当たらない。


「レル!ここまで来たら一気に決めるよ!」


「わん!」


 僕とレルは同時にブレードを構える。カインさんは高速で地面を走ってるんだ。それなら……


「レル!突っ込んで!」


「わふー!」


「まだまだ!当たらないよ!」


 レルは再びカインさんに突撃する。もちろんカインさんは回避するけど……。


「今だ!グラウンドブレイク!」


 僕は魔力をたくさん込めて、地面にブレードを突き刺した。すると地面がひび割れ、大きく揺れだす!


「なっ!?……しまった!」


「ここがラストチャンスだ!」


「ガウウッ!」


 地面から足が浮き、無防備になるカインさん。そこにレルがもう一度斬りつける。




「っ!?危ないな!シールド!」


「キャウウン!?」


 カインさんは風で盾を作り、レルを弾く。ここで完全に体勢が崩れた!


「トドメだぁぁぁ!」


「三度も同じ手は通用しないよ!」


 カインさんは咄嗟に顔をガードする。でも僕が狙っていたのは……左足だ!


「ぐっ……ああああああ!?」


 ガードの無い足にブレードを叩き込み、地面に叩きつける!


「まだだ!追撃しないと!」


 僕は力いっぱい足を動かして、カインさんの体を蹴りつける。でも、咄嗟に腕でガードされ、僕の足は捕まってしまった。


「……ここまでかな。君達の強さ、見せてもらったよ!」


「えっ……ひゃあああ!?」


「わふう!?わーー!?」


 僕は風で吹き飛ばされ、地面にぶつかった。そして前を見ると、カインさんの姿は再び消えていた。







「いや!いい動きだったよ!ティム君は強いね!」


「えっ……えっ?」


 突然後ろから肩を叩かれた。そこに立つのはカインさん。それじゃあ、僕の前に居たのは?


「不思議そうな顔をしてるね。君の張った煙幕の中で分身を用意したんだ。どう?驚いたかな?」


「ぶ、分身!?全然気づかなかったです。」


「ハハハ!そうだろう!俺のとっておきだからね!」


「そ、それで……戦ってみた、結果はどうでしたか?」






 カインさんはコホンと咳払いをして、結果を教えてくれた。


「うん!もちろん合格さ!いつでもクエストを受けに来ていいよ!」


「ほ……本当ですか!?やったー!やったよレルー!」


「わふー!わん!わん!」


 僕とレルはギュッと抱きつき、地面を転がった。カインさんも何だか嬉しそう!



「しかし、本当に強いな。テイマーの力、恐るべしと言った所だね。」


「はい!僕もレルも、時間を掛けて少しずつ練習したんです!」


「だろうね!……それにしても、煙幕にはびっくりしたよ。どんな仕掛けかな?」


「はい。事前に薬品を塗ったんです。街で売ってる火薬を使わせてもらいました。後は煙玉を括りつけた短剣を投げて、爆風で煙を運びました。」


「万一に備えての準備か……うん、良く出来てたよ!」


 カインさんは手を叩き、僕達を褒めてくれた。そして僕の手をとって、上空に掲げたんだ。


「ティム君、それとレル君!今日はありがとう!皆も二人に拍手ー!」






「君、凄いじゃないか!本当に強いんだな!」


「見た目も可愛いし、ファンになっちゃったわ……。」


「いい戦いだったぞー!」


 見ていた人達からの言葉と拍手が僕達に来ると、僕は何だか……すごく嬉しい気分になった!テイマーの強さ、分かってもらえて嬉しいな!


「ティム!お疲れ様っす!やっぱり強いっすね!」


「サリア!うん、レルのおかげでちゃんと戦えたよ!サリアもありがとう!応援してくれたでしょ?」


「もちろんっすよ!あーしもティムの強さを再確認したし、もっと頑張るっすよ!」


「うん!……そうだ、魔導カメラを回収しないと!」





 そして僕がカメラに手を掛けようとした時……外から轟音が響き渡ったんだ。

今回も読んで頂き、ありがとうございます。続きが気になる、面白かったと思って頂ければ幸いです。もしよろしければ、ブックマーク、評価を入れて頂ければ嬉しく思います。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ