表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
配信テイマー、我が道を行く!〜戻って来いと言われても知りません!僕は大切な仲間と一緒に冒険してるんだから!  作者: ゆん。
第三章

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

30/278

少年テイマー、街のリーダーと対面する

「ご馳走さまでした。」


「ご馳走さまっす。やっぱりここの料理はおいしいっすね!」


「どうもどうも。うちの料理は世界一だよ。」


 僕達はご飯を食べ終わり、今は余韻を過ごしている。サリアは店主さんとのんびり話しているけど、僕はさっきの光景がずっと気になっていた。



「シャーユがここに……。何かあったのかな?」


「気になってるのか、ティムよ。」


「ギル?……うん。どうしてここに勇者が来るのかなって。他のメンバーは居なかったから、一人で来たみたいだし。」


「そうか。」


 シャーユは勇者パーティーのリーダー。なのにどうして一人で……?それが気になっているのを伝えると、ギルもそれに同意してくれた。








「確かに気にはなるな。だが、今は調べようがないから、お前は今を楽しんでおけ!……いや、そうだな。一度あそこに行ってみるか。」


「えっ?それってどこ?」


「なに、気分転換だ!お前に紹介したい奴も居る。サリア、お前はどうする?」


「もちろんあーしも行くっすよ。レルもどうっすか?」


「わん!わん!」


 話がとんとん拍子に進んでゆく。今から行く場所ってどこなんだろう?


「よし、決まりっすね!店主さん、お代はここに置いていくっす。また後で来るからよろしくっすよ!」


「あいよ。また後でね。」


「あっ、お金なら僕が出すよ!」


「気にしないで下さいっす。これはあーしからティムへのお祝いなんですから!」


 サリアがお金を店主さんに手渡し、再び僕の手をとる。そしてレルも一緒に、ギルの言う場所に向かう事になった。










 ◇◇◇


「大っきい建物!ここがギルの言ってた所?」


「ああ!早く入るぞ!」


「わん!」


 ギルに連れられて入ったのは立派な建物。受付には青い髪のお兄さんと、忙しく働いている職員さん達が目に入った。


「カイン、居るか?我が来てやったぞ!」


「ギル!?今日は何の用事だ?」




 受付のお兄さん……カインさんはギルと拳を突き合わせる。この二人は知り合いみたい。僕に紹介したい人って、多分この人なんだ!


「今日はお前に来客だ!ティムを連れて来たぞ!」


「ほう……この子がお前達がいつも言ってるテイマー君かな?」


「ああ!ティムはサリアに匹敵するテイマーだ!実力は我が保証しよう!」


「そうか。始めましてティム君!俺はカイン、この街を仕切ってるんだ。よろしく!」


「は、はい!僕はティムです。よろしくお願いします!」






 良かった、優しそうな人だ!この人が街のリーダー、失礼が無いように気をつけないと。


「ハハハ!そんなに固くならないで大丈夫だよ!それでギル、今回は何の用なんだ?」


「ウム。お前の元に来ているクエスト、ティムも受けられるようにして欲しいんだ。」


「クエストを?ここは誰でも受けられるように準備してるから、いつ受けに来ても大丈夫だが……。」


「本当ですか!?」


「ああ!一応ちゃんとした冒険者かを確認するけどね。」


 やった……!ここでクエストが受けられるんだ!これでリースさんに迷惑をかけずに済む!


「ありがとうございます!ギルもありがとう!」


「気にするな!我とお前の仲だからな。」


 するとカインさんはまじまじと僕の顔を見つめていた。……そうだ、ご飯を食べたばっかりで顔を拭いてない!何か付いてたら恥ずかしいな……。







「しかし興味深い。ギルが推すほどの実力者なら熟練の冒険者だと思っていたが、まさかこの子とはね。」


「強さに年は関係無かろう。ティムは強い、それだけだ。」


「なら……ティム君!どうかな、俺とちょっと勝負してみないか?」


「えっ!?カインさんとですか!?」


「うん!俺も腕には自信があるんだ。ギルが認める冒険者の強さ、それを是非確認させて欲しい。そうしたらクエストを受けられるように手配するよ!」




 カインさんとの戦い……やってみよう!そうすればテイマーの理解者がもっと増えるかもしれない!それなら……。


「分かりました!でも、一つ条件を付けてもいいでしょうか?」


「条件?何だい?言ってみてくれ。」


「その戦いの様子、配信してもいいですか!?」


「えっ!?は……配信だって!?」


「あー。ティムは最近配信者を始めたっすよ。カインは昔、凄腕冒険者として名が通っていたから、配信すれば宣伝になるんじゃ無いっすか?」


「サリア。昔って、俺はまだ三十代だぞ?ふむ……。」


 カインさんは僕の条件を聞き戸惑っていた。いきなり過ぎたかな……?やっぱり失礼だったかもしれない。






「ご、ごめんなさい!急にこんな事を言ってしまって。」


「いや……面白い!俺の力を公の場に出せば、侵略への抑止力にもなるだろうし是非やってみたい!……しかし配信とは君も大胆だな。いや、先にやろうと言ったのはこちらだ、お互い様かな?」


 カインさんはニヤリと笑っていた。配信すれば外に力を示せる!それに僕もテイマーの強さを皆に伝えたい!


「では、準備が出来たら言ってくれ!俺はいつでも大丈夫だからね!……じゃあ俺は今日の仕事を終わらせて来るよ。またな諸君!」


「よ、よろしくお願いします!」


「我も少し手伝ってやるか!お前達は先に帰っていろ!」


「あーい。それじゃお疲れ様っす。」


 カインさんは建物の奥に入っていった。よし、僕も早速準備だ!頑張ってクエストを受けられるように、そしてテイマーの凄さを伝えるんだ!


「サリア、僕頑張るよ!カインさんに勝ってみせるから!」


「その意気っす!応援するっすよ!」


「うん!」


「さーて!あーしは配信準備っす!忙しくなるっすよ!」


 試合の日が楽しみだなあ!早く準備を済ませないと!
















 ◇◇◇


「それでギル、わざわざ手伝いに来てくれる訳無いよな。何かあるのか?」


「ああ、勇者の事だ。最近ここに来て狼藉を働いているだろう?だが、ここに来るメリットが思い浮かばないのだ。」


「確かに……ここは吹きだまりの街だ。高貴な身分の方が来る所では無いな。」


「何か理由があるのだろう。しばらく部下を借りるぞ、外の見回りは我がやってやる。お前は試合に集中することだ。」


「助かるよ。全く……何を考えているのやら。」


 建物の奥の部屋で話しているギルとカイン。二人は勇者の動向に警戒を向けていた……。

今回も読んで頂き、ありがとうございます。続きが気になる、面白かったと思って頂ければ幸いです。もしよろしければ、ブックマーク、評価を入れて頂ければ嬉しく思います。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ