少年テイマー、これからを考える
「この馬鹿者がァァァァァァ!!」
僕は父上に怒鳴られてしまった。そして父上は僕に近づき……。
「あんな奴らの言う事なんぞ気にするな!ティムよ!」
頭をそっと撫でられた。
「えっ……えっ?」
「そうですよ兄上!」
続いてソードもやって来る。
「ど、どうして……僕は剣聖のスキルを」
「それがどうした!そんなの気にしなくていい!それに……。」
父上は一息ついて、僕を抱きしめた。そしてソードも、僕の肩に手を置いた。
「私は嬉しいぞ、ティムよ!我らの家系は剣術の名門。言い換えればそれ以外の才能は無いに等しかった。だが、お前はそれを打ち破ったんだ!お前は私達には無い才能がある。それを活かせるよう、頑張るんだ!」
「そうです兄上!剣聖は俺に任せて下さい!兄上には兄上の出来る事、それがきっとあるはずです!」
「父上、ソード……。」
それを聞いて、僕は涙を流していた。皆はゴミスキルって言っていたけど、このスキルにしか出来ない事がきっとある。僕はそれを見つけて、二人に負けないような一人前の戦士になろう。そう決めたんだ。
それから数日後。僕は家を出る為、家の外に立っていた。父上とソードは玄関の前に立って、こちらを見ている。
「兄上!本当に行かれるのですか!?」
「うん!僕に出来る事、それを探してみたいんだ!だから父上、僕は外の世界を見たいのです!それに、僕がいると、迷惑がかかるかもしれません……。」
「我が子がいて迷惑な事などあるものか!だが……それなら行って来い!家の事は私達に任せておけ!な、ソード?」
「……はい!兄上が頑張っている間、俺達が家を守ります。だから!」
ソードは僕の手を握って、それから拳を突き出した。
「兄上、ご武運を!」
「うん!ソード、行ってきます!」
僕もソードの拳に拳を当て、返事をした。二人の期待に答えられるよう、頑張らないと!そう目標を立て、僕は旅に出たんだ。
そして僕はブレードウルフのレルと出会って、勇者パーティーに入る事になった。これからたくさん勉強して、役に立ちたい。そう思ってたけど、結局追放されてしまった。これからどうしよう……?
「わふー!」
「わっ!?」
レルが僕の顔をペロペロと舐める。それにびっくりして飛び起きると、空には太陽が昇っていた。……もう朝になってたんだなあ。
「おはようレル!足は大丈夫?」
「わふー、わん!」
包帯を巻いた足をパタパタと動かして、元気をアピールするレル。良かった!大怪我じゃなかったんだ!そして安心した僕達は森を出て、道を歩きながらこれからを考えてみる事にした。
「そうだレル、これからどうしようか?」
「わん?」
「僕、もう勇者パーティーには居られないんだ。それにあの国にも入れないし……。」
「わん?」
首を傾げるレル。どうしようかな?そう僕達が考えていると……。
「それなら、配信者になってみるのはどうっすかねー?」
「えっ!?」
僕達の前に出て来たのは、一人の女の子だった。