表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
配信テイマー、我が道を行く!〜戻って来いと言われても知りません!僕は大切な仲間と一緒に冒険してるんだから!  作者: ゆん。
第十一章

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

278/280

第四回戦目、開始……終了!

「ラルフさんすごい!本戦を突破しましたよ!」


「へい!リース姉貴の応援のおかげですぜ!しかし兄貴、あれは何ですかね。俺には盾に見えるんですが。」


「モブスケもそう思うか。俺も同感だ、だが平べったいな。」


 三回戦目が終わってすぐ。リース、モブロウ、モブスケの三人はラルフ達の合格を喜んでいた。その横では……





「サンドタートルの甲羅に似た模様……タルトの力を更に引き出したんだ、このピンチの中で!流石ティム君の弟子だね!」


「シュリさん?」


「リースさん、ラルフ達は休んでいるみたいですし、ここは次の本戦を楽しみましょう!」


「は、はい!次はマイラさんが出るんです。彼女も私の村に住んでいるんですよ?」


「えっ!?……そ、そうだ。うん!ティム君の配信で一緒に居るのを見ましたから!……リースさん、村の場所ってどの辺りですか?」


「えっ?場所ですか?うーん……」


 しばらくの沈黙の後、リースは口を開けた。






「内緒です!」


「えー!?」


 そして二人はお互いの顔を見合わせる。




「あっ、シュリさん、さっきよりも楽しそうですね?」

「はい!皆さんと話すとドンドン楽しくなってきます!それで村の」


「二人とも、もうすぐ始まりますぜ!」


「見ようぜ見ようぜ!マイラ姉貴の晴れ舞台だ!」



「「はい!」」


 四人はマイラ達の活躍を期待しながら、次の戦いを待つのだった。












 ◇◇◇


「ふぅ。バラバラのパーツを集めるのは大変ですよ、もう!さて、そろそろ司会を始めなければ。個人的に一番楽しみです!」


 一方、ルーはシンマに機械の残骸を届け、今は闘技場に居る。待機している参加者の顔を、うっとりとした表情で見つめていた。




「伝説の冒険者カインさん。ヘルキマイラのマイラさん。元勇者パーティーメンバー、マーチさんとケビンさん。ティム先生のお知り合い、カズハさん!実力者ばかりで……私も参加できれば良かったのに。」


 そしてため息をついた後、空を飛んで参加者達の所へと向かっていった。












 ◇◇◇


「さーて!いよいよ俺の番だ!皆に凄い所を見せてやるぞ!」


「私も楽しみです。強者との戦いは胸が躍りますよ。」


「マイラ、俺に勝てるかな?」


「カインこそ、油断大敵ですよ?」











「どうしたマーチ?不安そうだな。」


「そう見える?まあ……ティムが負けるなんてね。」


「だが俺達の目標は変わらない。優勝して賞金を得る事だ。」


「分かってるわよケビン。賞金で迷惑かけた人達に補償をして、それからティムに、ね。」


「……どうやら時間のようだ。負けるなよ!」


「え!?ま、任せなさい!」












「他の参加者は皆手強いのだろうな。勝てる気がしない。ならこの作戦で行こう。メリットは皆にある筈、後は内容次第か……」












◇◇◇


「それでは皆様!第四回戦を開始しますよー!」


 闘技場に降りてきたルー。彼女が説明を始めると、周りの参加者達が一斉に目を向けた。


「これが本戦の最後になります。皆様へのお題は……バトルロイヤルです!二回戦目と同じ様に戦闘を行い、生き残った方々全員が合格になります!」




「またかよー!さっきやっただろー!」


「だがチャンスだ!俺達の強さを見せつけるぞ!」


「制限時間は先程と同じ一時間です。確認が終わったら早速始めますよー!」


 ルーは一旦周りを確認する。ほとんどの参加者はやる気充分、戦いの準備は完璧に整っていた。




「皆様問題無さそうですね。それでは……スタートです!」


「「「「「「「「「「おおおおおおおおおおーーー!!」」」」」」」」」」


 ルーが号令を出すと同時に一斉に参加者が動き出し、戦いがスタートするのだった。















「これで良し。後は皆様の戦いを見学しましょう!ある意味一番楽しみだったんですから!」


「待ってくれ皆!私の話を聞いて欲しい!」


「えっ。」












 ◇◇◇


「待ってくれ皆!私の話を聞いて欲しい!」


「あれは……カズハ?どうしたんだろう一体。」


「一度戦うのをやめてくれ!少しだけで良いんだ。」


「……だそうですよ?カイン、どうしますか?」


「…………そういう事か!マイラも理解しただろ?」


「…………成る程。少し残念ですが、次に進めばもっと良い戦いになるでしょうね。」




 四回戦が始まった直後。闘技場の中心から大声をあげたカズハ。それに合わせて何故かカインとマイラは手を挙げた。





「あれは、カインが武器を降ろして手を挙げたぞ!」


「隣の女もだ!どういうつもりなんだ?」


 周りがざわつく中、カズハは一言。



「皆聞いてくれ!この第四回戦目……皆で合格しないか?」



「「「「「「「「「「「……えっ?」」」」」」」」」」」






「そう、皆が一切手を出さなければ良いんだ。これはバトルロイヤル、時間まで生き残れば勝利になる。皆で協力すれば次に行けるんだ!」


「おい!そんなの信用出来るか!そう言って不意打ちするつもりじゃないのか!?」


「そうだそうだ!」


「騙そうとしても無駄よ!」


 再び周りがざわつく中、カズハは深呼吸をして再び口を開く。




「皆がそう感じるのは当然だ。ほとんどの者が初対面、信用するのは難しいだろうね。でも、さっきまでの戦いを見ただろう?もし戦えば大量脱落は避けられない。それに……」


「「「「「「「それに?」」」」」」」





「私は自分の手の内を明かすのがちょっと……ね。仮にここで誰かが勝ち上がったとしても、見ている者に情報が入る。そうなると次が不利になるんだ。」


「「「「「確かに……!」」」」」


「……上手い事を考えたわね!ケビン、私達も手を挙げるわよ!」


「分かった。ここは乗るとしよう。」


「お、おい!元勇者パーティーの奴らも武器を捨てたぞ!」


「も、もしかして本当に、戦わないつもりなのか?」


 元勇者パーティーの二人の動きを見て、参加者達は少しずつ、カズハの言葉に耳を傾け始めた。



「さっきまでの本戦を見た皆なら分かるはずだ!ここを無傷で抜ければ、有利になるのは私達。何もしなくても次に行けるんだ、どれだけ得かは分かるだろう!まあ……」


 ここで長い間を取って、更にカズハが一言。







「どうしてもと言うなら、相手になるが……?」



「「「「「「「「「「!?」」」」」」」」」」


 落ち着いた、しかし自信に溢れた彼女の言葉を聞いて、参加者達はしばらく考え込む。そして…………










「ほ、本当だな?なら俺は動かないからな。だが手を出したら反撃するぞ!」


「そうか……皆が動かないなら、これは得だぞ、ここの合格は決まったような物だ!」


「なら私も!……ねぇ、折角だから話さない?」


「いいぜ!暇になるんだ、ちょっと時間を使おう!」


 緊張していた者達が次々と腰を下ろし、地面に座り込む。武器を降ろし、完全に戦意を無くした彼らは時間一杯まで語り合うのだった。












「ふぅ。上手く行ったかな。」


 カズハが汗を拭っていると、そこにカイン達が合流する。


「カズハ!やるじゃないか、この場を丸く収めるなんて!」


「後はこのまま時間が来るのを待つだけですね。お見事です。」


「カイン、マイラ!いや、これは貴方達のおかげだ。感謝しないといけないな。」


「しかし、手の内を明かしたくない、か。良い理由だな!」


「確かに。よく頑張りましたね。」


「は、恥ずかしいな……」














 ◇◇◇


「自分の手の内を明かしたくない、それは誰だって思う事。ここだけで利点を提示出来たわ。それに[相手をする]って言葉。聞いた参加者は怖いと思った筈。」


「カインとマイラが彼女に乗った。つまりこの二人と戦わなくとも次に行ける。同時に二人が戦いを避ける程の強者だと、印象づけた訳だ。」


「あのカズハって冒険者、肝が据わってるわね。一瞬で思いついたなら大したものよ。」


「油断出来ないな。だが、負けるつもりも無い、だろう?マーチ。」


「ええ!最後に勝つのは私達よ!……まあ今は座りましょう、ケビン。」













 ◇◇◇


「と、言う訳で皆様……第四回戦は終了になります……。」


 そして終了時間になり、暗い顔をしたルーが参加者達の上空に現れる。


「今回は全員合格、ですね……今後の予定を話すので、皆様しばらく待つようにお願いします……それではまた……。」


 軽く説明を済ませた後、ルーはフラフラと空を飛んで行った。





「何で司会者が落ち込んでるんだろう?」


「全員残った事が想定外だったのでしょう。そっとしておきましょう。」


 カインとマイラが一言呟き、第四回戦はあっさりと終了したのだった。














「間抜け共が。奴は所詮Cランク、ハッタリだと分からないのか?まあ、こちらとしても[手の内を明かしたくない]からな。そろそろ準備に移ろう。……様の為にも。」

今回も読んで頂き、ありがとうございます。続きが気になる、面白かったと思って頂ければ幸いです。もしよろしければ、ブックマーク、評価を入れて頂ければ嬉しく思います。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ