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配信テイマー、我が道を行く!〜戻って来いと言われても知りません!僕は大切な仲間と一緒に冒険してるんだから!  作者: ゆん。
第十一章

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見習いテイマー、ピンチを切り抜ける!

 巨人は再び立ち上がり、俺達を見下ろしていた。関節部分は壊れてるのに、普通に立ち上がったって事かよ!?


「タルト、俺に力を貸してくれ!あの巨人、俺達で倒すぞ!」


「かー!かー!」


「その調子だよラルフ!」


 タルトの背中に手を乗せて力を借りる。今度は俺の番だ!


「作戦はどうする?ミーは何をすればいいかな?」


「奴は機械で出来てるんだよな?なら、電撃を当てれば動きは鈍らないか?」


「なるほど!外は頑丈でも中なら……やってみよう!ミーは変身するからここはおねがい!」


 ミーは後ろにジャンプして息を整え始めた。変身するまでは俺達が相手だ!


「行くぞ、ブレイブソード!」


 魔力を剣に集めて巨人に走り込むんだ、遠くに居たらまた撃たれる!


 ウィィィィン。


「腕が!でも避けられるぞ!」


 急いで奴の腕を避け、まずは足元に到着。さあどうする、ミーもロットンも、普通にはダメージを与えられなかったんだ!


「まずは一回攻撃だ!喰らえっ!」


 ガチン!


「……やっぱり駄目か!」



 うん、俺に奴を倒す事は無理だ!考え方を変えよう!


「これを使えば!タルト、引っ張ってくれ!」


「かめー!」


 俺が投げたのはロープだ、これをタルトに咥えてもらって、



「走れー!」


 足に魔力を込めて走るんだ、いつもより速いぞ!


 ウィィィィン。


「当たらないぞ!」


 奴の足元をぐるぐると回ってロープを巻き付ける。奴は体を回転させて俺を追うけど、この動きなら何とかなる!





 やった、奴の足をロープで丸く縛ったぞ!だけど動く相手だし緩い場所もある、そこは……!


「そろそろ良いかな?タルト、回転してくれ!」


「かめー!」


 タルトに頼んで高速回転をしてもらう。タルトの体が少しずつ浮き上がると同時に、巨人の足は少しずつきつく縛られていく。


「後は俺が耐えられるかだ。それっ!」


 魔力を足に込めてロープを引っ張る、俺がタルトに負けたら縛れないんだ、何とか耐えるんだ!



 もう少し、もう少し……





「来たっ!今だタルト、突っ込めー!」


「かめー!」


 ロープで巨人の足を縛り、一気に体がぐらついた、ここで俺とタルトで同時攻撃だ!


「かめーーーー!」


 タルトが回転しながら胴体に直撃、後ろへ倒れ込む。


「ここで俺が!」


 後は俺が足を狙う。関節を完全に壊せば戦いやすくなる!


「ブレイブソード!」


 ロットン達が狙った関節に剣を突き立てると、バチバチと火花が上がる。き、効いてるよな?


 ドガァァァァン!


「うわぁぁぁ!」


 ば、爆発した!?巨人は……仰向けになったまま立ち上がれない。





「やったぞ!これでミーに繋げられる!」


「かー!かー!」


「ミー、そっちはどうだー!」


「ちょうどいいよ!ミーも手伝ってあげよう!」


 急いで巨人から離れてミーに声を掛けると、返事と同時に、俺の横にミーが現れる。もふもふに覆われたミーは俺の頭をポンと叩いた。


「……ミー?」


「頑張ったからほめてあげよう!後はまかせなさい!」


「お、おう。」


「じゃあ行ってくるね!」


 あっ消えた。ってもう奴の頭上に!


「ニャァァァァァァ!ライトニングネイル!」


 爪を頭に突き立てると、そこから轟音が響く、あちこちに電流が流れ、ミーと巨人の身体がピカッと輝いた。


「動き回ると電気を流せないけど、今なら狙い放題だよ!まだまだー!」


 電流を流し続けるミー。それから数十秒位か、巨人は黒焦げになって動かなくなっていた。











「ラルフー、おつかれさまー!」


「ミーもお疲れ様、タルトもありがとうなー!」


「かめー!」


 ぺたん。バチッ。


「ありゃ、ラルフ疲れちゃったかな?」


「ああ、もうへとへとだよ。」


 タルトと一緒に戦ったから、魔力もほとんど無くなっちゃったよ。でも俺達も、ちゃんと足止めが出来たんだな!


「もう時間だよね?みんなの事をルーに言わないと!」


「そうだな。合格した参加者まで狙うなんてどういう事なんだ?故障とかか?」


「わかんない!でも今は休もう!」


「かー!」


 バチッ。
















 バチッ。


「……なあさっきから何か聞こえないか?」


「バチバチ聞こえるね。何だろう?」


 俺達は巨人の方を振り返る。何ともなさそう……



「いや、巨人からだ!」


「えっ!?」


 巨人の頭、まだ動いてるのか!?ミーが止めたのに!?


 バチッ、バチッ。


「ガタガタ震えてるぞ、まずい!」


「ど、どうしよう?ミー魔力使い切っちゃったよ!?」


「ポーション無いか?お前なら持ってるだろ?」


「じゅ、準備で全部飲んじゃったよ!」


 う、嘘だろ……!?







 バチッ、バチッ、バチッ。



「音の間隔が短くなってきた。これ爆発するのか?」


「ど、どうしよう!?今は跳ぶのもだめだよ!?」


 冗談じゃないぞここまで来てやられるなんて!






「かめー!かめー!」


「タルト!そうか、分かった!」


「ラルフ!?」


 俺達はミーの前に立つ。さっき庇ってもらったんだ、今度は俺達が!



 バチッ、バチッ、バチッ、バチッ。


「た、タルト、頼む!」


「かめー!」


 テイマーはパートナーと協力すれば、凄まじい力を発揮できる。俺達もティム先生達みたいに……あの巨人の爆発くらい、止めてやるぞ!



「タルト、俺と息を合わせてくれ!一緒に防御するんだ!」


「かめー!」


 俺は背中に手を乗せて、そっと目を閉じる。魔力を二人同時に合わせれば!






 バチッバチッバチッバチッバチッバチッバチッ




「やろうタルト!俺達なら出来るさ!」


「かー!かー!」


 それからすぐ。俺達の目の前が爆風に包まれて真っ白になった。その衝撃で俺の手はタルトの背中から離れて……でも、俺何かに触ってるよな。これは一体……?











「爆発するのは頭だけにしてもらうわー。胴体は切り離すわよー。」


スパッ。












「かめー!」


「ラルフ、ラルフ!しっかりして!」


「あらー。頭だけの爆発でこんなに強いのねー。全身が爆発したら大変だったわー。」


「うう。タルト、ミー、それに……レニー!?」


「あらー。おはようラルフー。」


「お、俺は?」


「大丈夫よー。皆ちゃーんと守れたわよー?」


「そ、そうだ!俺タルトから手が離れて……大丈夫だったかタルト?」


「かー!かー!」


「そうか、良かったー!」


 出来たんだ……俺達にも出来たんだ!



「ん?じゃあ俺の手は何を握ってるんだ?」


 俺は手にしてる物に目を向ける。甲羅の模様の描かれた、頑丈そうな板。ん……




「な、な、何だこりゃぁぁぁぁぁぁ!?」


「か、かめー!?」












「み、皆さーん!こ、これにて試験は終了でーす!」



今回も読んで頂き、ありがとうございます。続きが気になる、面白かったと思って頂ければ幸いです。もしよろしければ、ブックマーク、評価を入れて頂ければ嬉しく思います。

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