見習いテイマー、第二の仕掛けに挑戦する。
「やったー!ラルフさんいい調子です!」
「負けるなラルフー!俺達が応援してるぞー!」
「大丈夫ですよ、きっと合格間違いなしですぜ!」
三回戦目が始まってからしばらくが経った。ティムとラルフ達を応援するリース、モブロウ、モブスケの三人は、ラルフの活躍を見て声援を送っていた。
「でもティム兄貴は負けちまいましたね。勝負しなけりゃ合格間違い無しだったのに。」
「言うなモブスケ、あそこで逃げたら男が廃るってもんよ!兄貴は見事だったと思うぜ!」
「ティムさんはきっと大丈夫です!今はラルフさんを応援しましょう!」
「おう!」
「ですぜ!」
「……あれ?」
三人で観戦を続けていると、その席に小さな足音が近づいてきた。段々とそれは大きくなって、三人の隣で止まった。
「ここだね!ちょっとお隣よろしいですか?」
「お、誰だ?ってモブスケどうしたその顔?」
「あ、あ……兄貴この人は!」
「だから誰だって聞いて…………おお!?」
「二人ともどうしました?」
「あっ。」
「こんにちは、貴方がリースさんですね!ティム君から話は聞いています!」
リースと丁度目が合ったのは、地竜の国の魔法使い、シュリ。彼女は挨拶をした後隣の席に座り、お菓子を背負ったカバンを広げた。
「今はラルフとミーの二人ですね。ティム君は残念だったけど、ここは二人を応援しましょう!」
「あの、シュリさん、ですよね。ティムさんの配信で見ました!でも、二人とも知り合いなんですか?」
「ええ。グランド王国に行った時とここに向かう時に会いました!二人とも強い方達ですよね!勿論ティム君も!」
「はい!皆凄くいい人達なんです!……私もおやつを持ってきました、一緒に食べませんか?」
「いただきます!」
リースとシュリはお互いに話しながらお菓子を口に入れる。それをモブロウとモブスケは笑いながら観察していた。
「兄貴、二人とも楽しそうですぜ!」
「同じ話題があると盛り上がるよな。俺達も楽しもうぜ!」
「へい!」
◇◇◇
「追いついたぞ、今度は何だ!」
「落ち着けラルフ。ここでも皆止まってるようだな。」
「皆酷いよな、俺達に全部押し付けやがった!」
「向こうの作戦だろ。気にしてたら体力が続かないぞ。」
「お前は良いよなあ、元々強いんだから。」
「それほどでもない。」
「…………。」
話をしながら前を見ると、そこにはさっき見た丸い足場が五つある。全部動いてるのか。
「見ろよあの壁!切れ込みが入ってるぞ!」
「これも何かの仕掛けなのかしら……?」
他の参加者が話してるのはあそこか!足場の先に壁がある。そこにドアみたいな線が引いてあるんだ。
「まずは俺が行く!こうだ!」
参加者が一人、足場を跳びながら進んで行く。それから一番壁に近い足場に止まり、体を揺らしながら壁を観察していた。
「何か、何か無いか!スイッチとか、ヒビとか!」
お、おいおい足が揺れてるぞ!大丈夫なのか!?
「どこだ、何か無い……おわぁぁぁあ!?」
また落ちた……ここ高いから戻って来るの大変だし、ノーミスで進まなきゃならないぞ!
「難しそうだな……」
「はーい!今度はミーがしらべてあげよう!えいっ!」
「お、お前危ないぞ!」
ミーの奴、簡単に言うけどバランスが
「えいっ、とうっ!やっ!」
そうだ運動神経凄く良いもんな。心配なさそうだ。三つの足場を順番に飛び越えて、すぐ奥に到達した。
「うーん。あれだよねー。」
片足立ちで顔を壁に近づけるミー。切れ込みをジッと見て、首をかしげて……
「わかんないや!一度戻るね!」
片足立ちからジャンプで、一気にここまで戻って来た……本当凄いよな……
「どうだった?」
「最初の人の見立てどおりかな?あの壁が開くのはまちがいなさそうだよ!仕掛けはついてないから、こっちに無いかな?」
俺達の居る場所を調べ始めたミー。そういえば地面にスイッチがあるとか、柱に仕掛けがあるとか本で読んだ事ある!俺も調べてみるか!
「俺も一緒に行くよ!タルトはここで待っててくれ!」
「かめー!」
「やれやれ、俺もここで待機かな。走って少しだけ疲れたし。」
タルトとロットンにはここで待ってもらってっと。
「じゃあ行こう、必ず何かあるはずだ!探せ探せー!」
「ほほう。皆頑張っておるのう!」
「リッチさん。今度は私が調べてみます。」
「おや?サキも調べるのかな?何か気になる事でもあったのかな?」
「あ、あの……ミーさんが足場を進んだ時、一つが光ったような気がしたんです。」
「本当かの!?それならワシも行こう!飛べるから落ちる事は無いじゃろうし、ワシらが適任じゃ!」
「ありがとうございます!一緒に行きましょう!」
「皆よりも早く合格するぞ!出発じゃー!」
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