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配信テイマー、我が道を行く!〜戻って来いと言われても知りません!僕は大切な仲間と一緒に冒険してるんだから!  作者: ゆん。
第十一章

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見習いテイマー、巨大ハンマーを突破する!

「出遅れた!急ぐぞタルト!」


「かめー!」


 三回戦目がスタートだ、でも俺達完全に遅れちゃったよ。まずはあそこか。


「ここを登ればいいんだな。タルト背中に掴まれ!」


「かー!」


 まずはピンク色の壁だ。ここに掛かっている梯子を登るんだ。


「いち、に。いち、にっと!絶対に追いつくぞ!」


 …………俺達必死に登ってるけど、直接魔法で浮いたり、ジャンプしてる奴も居るんだろうなあ。でもこれが一番安全だよ。












「そろそろかな。ここを登ったら試験開始だ!」


「かめ!」


 ここで最後だ。一番上の手すりに手を掛けて、頭をそっと出す。……皆何やってるんだ?震えてる?



「何よあれ!?」


「こ、これを超えろって言うのか!?」


「……何だろうな。俺達も上に登ってみるか。」


 登り切ってから皆と同じ様に前を見る。……俺達より先に行ったのに誰も進んでないのか?



「うわぁぁぁぁ!?」


「…………へ?」


 い、いまなんかいた?……ヤバいぼーっとしてた!今絶対何か飛んできただろ!?


「ああああぁぁぁぁ…………」


 声がだんだん小さくなって……下か!居た!参加者が地面に!


「この高さから落ちたのか!?一体何にやられたんだ?」


 あの人は……大丈夫そうだ、普通に立ち上がってる!良かった!


「ラルフ気をつけろ!こりゃ骨が折れるぞ!」


「ろ、ロットン!」


「あれにやられたんだ、どう突破するかな。」


「あれ?」


 と、とりあえず皆が見ている場所をもう一度見てみるか。








「何だあのハンマー!?巨大すぎるだろ!」


 まず見えたのは直線に伸びる道。広さ的にはまあ余裕がある。問題は……


「何でハンマーがぶら下がってるんだ?」


「俺が知るか。だがスピードも厄介だな。」


 道の上に屋根があって、ぶら下がった丸いハンマーが道に沿うように揺れている。ここを通ったら弾かれるって事か。


「誰かが止めてる間に行ければ……」


「それも手だが消耗が大きすぎるぞ?」


「あ。なら普通にくぐれば!」


「それが出来れば一番良いがな。ま、始まったばかりだ、ここは待機しておこう。」


 ロットンのんびりし過ぎだろ……早くゴールまで行かなきゃ行けないのに!


 びー。


「何か言ったかロットン?」


「俺は何も話してねぇぞ。」


 びー!


「……誰か叫んでるのか?いや、この声はびー君だ!」


 俺達の横を通り過ぎたのはびー君!?このまま道に突っ込むつもりだ!


「び?びー。」


「びー君!?あ、危ないぞ戻って来い!」


 ハンマーの直前で止まって、動きを見てるのか?にしても対処法があるか?


「び!びー!びー!」


「ほ、本当?」


「……ラルフ、びー君何て言ってるんだ。」


「えっと、攻略法が分かったって言ってるみたいだ。」


「びー!」


 びー君?端っこに移動したのか?


「び、び、び、び。」


「タイミングを測ってるのか?でもハンマーの動きは早いぞ?」


「びー!」


 びー君は地面スレスレに降りて………動いた場所は壁と床の端にある直角だ!


「びー。」


 低空飛行で直角を通るびー君。そうか!あそこ隙間があるんだ!


「びー!びー!」


「ず、ずるいぞ!自分だけ先に行く気か!?」


「魔物の方が有利って事!?なら……」





 急に視線が集まったな、って何で皆俺達を見るの…………?


「ラルフ!アンタならこれくらい簡単だろ?何とかしてくれないか!」



「い、いやいや待ってくれ!俺よりもタルトの方が強いんだよ、俺はまだまだで……」









 あっ。











「それだ!タルト、良い作戦を思いついたぞ!」


「かめ?」


「ロットンも来てくれ!」


「お、どうやらアイデアが浮かんだようだな!分かった、聞いてやるよ!」


「頼む!まずは俺達が……その後お前が出てくれれば…………」


「おお、良いんじゃないか?その方法なら俺も魔力の消費を減らせるし。」


「決まりだ!早速やろう!」


 いいぞいいぞ、良い作戦だ!他の皆はまだ気づいてないみたいだし、俺達見習いテイマーだって出来るんだって見せてやるぞ!











「奴ら何をするつもりなんだ……?」


「注目しておきましょう!あのラルフがやるのよ!」


 見られてる……でも悪い気はしないな。






「場所はここでやろう!タルト、力を貸してくれ!」


「かめー!」


「俺はここか。こっちはいつでも良いぜ!」


 俺達の場所はハンマーから少し離れた場所だ。何かあると怖いし距離は取らないとな!ロットンは……ハンマーのすぐ近くだ。


「さあタルト、俺の力を存分に使ってくれ!あのハンマーに向けて攻撃だ!」


「かめー!」


 俺はタルトに魔力を貸して、力を溜めてもらう。その後は口を大きく開けて、ハンマーに向けるタルトが主役。狙うタイミングはハンマーが上がりきった時だ!



「こっち来て、戻って、こっち来て、戻って……!」


 振られたハンマーが後ろに戻って、一番上まで上がった!


「今だタルト!全力でやってくれー!」


「かめー!」


 タルトの口から砂のブレスが放たれた!それがハンマーにぶつかり勢いを抑える!


「撃ちまくれタルト!俺達なら出来るぞー!」


「かー!かー!」


 それから数回ハンマーに向けてブレスをぶつける俺達。……やっぱりな!ハンマーの勢いが落ちてるぞ!


「ロットンここだ!頼む!」


「ったく、デキる役場職員は辛いねぇ!ほら、これで良いんだろ!?」


 ロットンは地面に手をつけて魔力を込める!ここがチャンスだ、上手く決めてくれよ!


「グランドバインド!」


 来た、土で出来た腕がハンマーを握って止めた!勢いはあるけど、これでロットンの消耗は結構減ったはずだ!


「少し勢いが残ってるぞ!こりゃキツイか!」


 そう言うロットンには焦りの様子は一切無い。まだ余裕を残してるなんてやっぱり凄い奴だ……。







「捉えた!ここで止めるぞ!」


 良し!完全にハンマーを止めた!ちょっと地面に近いけど、今なら通り抜けられる!


「ロットン!俺達先に行ってるよ!」


「おうさっさと行け!ここは俺に任せろ!」


 さあ先に進もう!タルトと一緒にしゃがんでっと……






「……っておい!?どうなってるんだ!?」


 いつの間にか前には参加者がたくさん!待て待て待て、俺達が止めたんだぞ!?


「俺が先だ!」


「私が先よー!」


 次々と抜ける参加者達。まさか……抜け方に気づいて押し付けやがったのか!?時間が無いぞ!



「ラルフさん!タルトさんにロットンさんも!」


「考えたのう。じゃが先を越されておるぞ!」


 あ、現れたのはサキとリッチ!二人とも心配そうにこっちを見てる……


「ラルフさん大丈夫ですか!?こんな大きなハンマーを……」


「いいから早く行ってくれ!長くは持たないよ!」


「でも……」


「行くぞサキ!ワシ達で邪魔をしてはいかん!」


「は、はい!」


 ふ、二人とも行ったな。次は俺達だ。


「くぐれタルトー!」


「かめー!」


 急いで向こうに抜ける俺達。後はロットンだけだ!



「ロットンー!大丈夫かー!」


「ああ!パッと見た感じ、残ったのは俺だけみたいだ。じゃ……抜けるか!」


 魔法を解除したロットンはすぐにこっちに走る。動き出したハンマーをギリギリで避けて滑り込んだんだ!



「やった、やったなロットン!でも……お前一人なら地面に潜って通れたんじゃないか?」


「こんなカラフルな床、何があるか分かったもんじゃない。魔法ならともかく俺は潜りたくねぇな。」


「そ、それもそうか……っておい!」



 皆先に行ってる!早く追いつかないと!


「ロットン、一緒に行くぞ!」


「かめ!」


「ったく、俺まで出遅れるとはな!後で何か奢ってもらうか!」


「わ、悪かったよ!とにかく走れー!」


「おう!」


 次は何だ!?まあ、何が来ても俺達で突破してやるさ!




「そうだろ、タルト!」


「かめー!」




今回も読んで頂き、ありがとうございます。続きが気になる、面白かったと思って頂ければ幸いです。もしよろしければ、ブックマーク、評価を入れて頂ければ嬉しく思います。

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