ライバルだらけ!?見習いテイマー、第三回戦に挑む!
ここからしばらくの間、ラルフ視点が多くなります。よろしくお願いします。
「おおおおお!頑張ったなティム!ソードも見事なものだ、無事に合格出来た!」
「実に素晴らしい戦いぶりだったな。だがニールも素晴らしい!引き分けだが事実上の勝利だ、あんな逸材に会えるとは!」
「ニールはアタシの国の冒険者さ。強いのは知っていたがここまでとはな!アタシも嬉しいもんだ!」
剣聖ガイアと王であるシンマ、ドレイク。三人は大会を観戦し、興奮を隠せないでいた。一方魔王ライアは進行を務めるメイド、ルーと共に話をしている。
「先生が……失格じゃと!?」
「はい。それで勇者シャーユが次に進んでいますね。」
「まさか勇者が残るとは思わなかったのじゃ。腐っても勇者と言う事なのか……。」
「ティム先生、そしてニールさんの戦いは見応え抜群でしたね。それだけに失格なのは残念ですが。」
ルーは顔を伏せるが、ライアはグラスを揺らしながらにっこりと笑っていた。
「まあ、先生の目標……テイマーの強さを伝える事は、ほぼ完璧に出来たのじゃ。二人も覚悟の上で一騎打ちをしたはず、だから問題無いのじゃ。では!儂らも次に行くのじゃー!」
「次?ああ、次はいよいよあの人が出るんですよね!」
「そう、あの人が出るのじゃ!先生を見つけるきっかけになったラルフさん!楽しみじゃな!」
「それでは私は戻りますね。皆様、まだまだ勝負はこれからですよ!」
ルーは両手を握りしめ、体の前にポンと出してアピール。王達も楽しみに闘技場を覗いていた。
「分かってるよ。ここからもっと面白くなるぜ!」
「実に楽しみだ。次の戦いは……」
「これは手強いな。皆生き残れると良いのだが。」
「ではでは!三回戦目、スタートなのじゃー!」
◇◇◇
「俺達集合場所間違ってないよな?ここで合ってるよな?」
「かー?」
俺達は指示された場所に集まって、試合の開始を待っているんだ。でも全然来ないな。あのメイドはどこへ行ったんだ?
「かめー!?かー!」
「タルト?そうか来たんだな!」
「お待たせしましたー!皆様集まりましたねー!」
物凄い魔力だ、遂に始まるのか!魔王のメイド、ルー。奴が俺達の頭上に現れて、地面にスッと降りてきたぞ!
「皆様準備はよろしいですか?このまま続けて三回戦目に入りますよ!」
「もちろん!俺達なら大丈夫だ!」
「かめー!」
俺とタルトはやる気満々だ!どこからでも掛かってこい!
「俺達も行けるぞー!」
「さっさと始めようよー!」
「他の方も問題無さそうですね。まあ、続けてやるのは二回戦目でも分かってると思いますから。では……始めましょう!会場はこちらです!」
そう言ってルーがパチンと指を鳴らすと、目の前が真っ白に……!
「な、何か出てきた!?何だこれ?」
俺達の前にはカラフルな建物が!でもこれ、中には入れないな。窓もドアも何も無い、奇妙な建物だ。
「皆様のスタート位置はこちらです!ついてきて下さい!」
ルーの案内で俺達は歩き出す。一番端に階段がある、これで上まで上がるのか。
「よっと。結構高いな。タルト怖くないか?」
「かめー!」
俺達は上に進んでいく。ここもカラフルだ、何か目が疲れる……下を見ると結構な距離だ。落ちたら痛いぞ!
「では!三回戦目はここ、アスレチックでのレースを行います!ここからスタートになりますので、建物の反対側にあるゴールに向かって下さい!」
「もちろんただのレースではありません。途中には仕掛けもありますし、ここも時間制限付きですから。時間は一時間、今から五分後にスタートです。では私は最終確認をしてきます!」
「あっ。」
ルーの奴、空を飛んでアスレチックを確認してるのか。ここからじゃ全体は見えないな、作戦をどう立てようか……
「なあロットン、ミー。これはどう見る?」
「そうだな、アスレチックとは驚いた。おそらく目の前の仕掛けへの対応力と、乱戦での動きを見るんだろう。一回戦と二回戦の複合だ。」
「見てみて!あそこ楽しそうだよ!ミー早くスタートしたいー!」
ミーの指差した場所を見ると、丸い足場が複数動いていた。……もしかして、あれを渡って行くのか!?
「ラルフさん、ロットンさん、それにミーさん!」
「あ、サキ!サキもこっちに居たのか!」
「はい。私だけじゃなくて、びー君とリッチさんもですよ!」
「びー!びー!」
「やあ諸君、元気してた?」
「や、やったぞ!皆が居れば心強い!」
コツン。
知ってる人達が居ると安心するよな。って思ってたらロットンに肩を叩かれた。何だ一体?
「気をつけろよ。この中だと間違いなくお前が一番弱いからな。乱戦は避けるようにな?」
「お、お前正面から言う奴があるか!いや事実だけどさ、俺達だって格段に強くなったんだからな!」
「かめー!」
「そうよー。戦いにおいては、油断が一番の敵なんだからー。」
…………何だか間延びした声が聞こえたぞ。最近聞いた声だな。
「………あ。」
そこには緑髪の女性が立っていた。ほっぺを膨らませて、手にはお菓子……待て待てもう始まるんだぞ!?
「あ、アンタは……レニー!」
「皆かわいいわね。ハァハァ……見ているだけで元気になるわー。」
「ら、ライバルが多すぎる……。」
「焦らない焦らない。ゴールすればいいのだから、のんびり行きましょー?」
この様子は……強者の自信って訳か。だけど俺達だって!
「タルト!皆に負けないよう頑張ろうな!」
「かめー!」
ライバルが多いとか関係無い!俺達がここを越えれば良いんだ!
「や、やってやるぞー!」
「かー!」
「おー!ミー達に追いつけるよう頑張ってね!」
「その意気だぜラルフ!ま、俺が先だがな。」
「お前らさぁ……」
そ、そろそろスタートだよな……先に抜け出した方が良いか?それとも後ろから様子を見るか?作戦は
あっ、ルーだ。
「さあ、時間が来ましたね。確認は完了です、それでは皆様、健闘を祈ります!いざ……スタート!」
「「「「「「「「「「「おおおおおおおおーーー!!!」」」」」」」」」」」
…………急すぎるだろ!?そこはよーいスタートじゃないの!?
「た、タルト行こう!」
「かめ!」
完全に出遅れた!か、必ずここから追いついてやる!
「負けてたまるか!俺達が必ず勝つからな!」
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