第二回戦終了！そして三回戦目へ！
「それでは生き残った方達はこちらに集まってくださいー！倒れた人達はこちらで保護してますからねー！不正は駄目ですよー！」
「レルー！頑張ってねー！」
「ほら行け行け！もう終わってるから、あのメイドの所に行っちまえ！」
「わふ。わん！わん！」
ルーの呼び掛けに応じて、戦いに勝った人達が続々と闘技場の中央に集まっていく。でも人数はあんまり居ないや。
「随分減ったな。あっちこっちで勝負してたわけだ！」
「あっ！」
ソードだ！中央に歩く人達の中に居る！
「アオハ君とシロメも！二人とも合格したんだ！」
「あの二人も中々強かったぞ。ダメージは受けなかったがな！」
「ギョッ！」
「あ？」
ニールさんの後ろから声が聞こえた。……サハギンさんも！
「ギョッ。ギョッ。」
「はい。僕は脱落ですけど、合格おめでとうございます！」
「ギョッ！」
水かきで僕の両手をぶんぶんと上下に揺らす。嬉しそうで僕も嬉しい！
「ギョッギョッー！」
「頑張ってくださいー！」
「……なあアイツなんて言ってた？」
「次に進めたから、このまま優勝目指して頑張るぞって言ってました。」
「良いねぇ。ならオレ達は見物といこうか！」
「はい！皆頑張ってねー！」
僕達はまず怪我を治そう。そうしたら皆の応援をしなきゃ！
◇◇◇
「わ、わん。わん？」
「レルー！こっちこっち！」
「うけー！」
「わふ？わん！わん！」
レルはアオハとシロメに合流、二人の側でルーを待つ事にした。二人は身体中傷だらけだが、特に気にしていない様子である。
「ごめんねレル……ティムの事助けに行けなかったよ。ラストスパートで皆張り切ってて……」
「うけー……。」
「わふ！？わん！わん！」
「お、怒ってない？」
「わん！わん！」
レルは首を縦に振る。それを見て二人はホッとしたのか深呼吸をし始めた。
「ふーっ。ここからが本番だ！レル、一緒に頑張ろう！」
「うけー！」
「わん！」
「あっ、皆さんも合格ですね！」
続いて合流したのはティムの弟、ソード。彼も身体中ボロボロになっていたが、フラフラしながらも問題無く立っていた。
「ソード！？変な人の攻撃は大丈夫だったの！？」
「はい。全部の魔力を使ってガードしたので何とか……それからは煙に紛れてこっそりと移動して、逃げ続けました。」
「乱戦だったからねー。上手く避けたんだ、さすが剣聖様！」
「ハハハ……それで兄上はやはり駄目ですよね……？倒れて少ししたら、ルーさんが駆け寄ってました。」
「うん。脱落になっちゃった。本当にごめん……。」
「いえ。兄上は気にしてないと思います。これは戦いですから。」
「そ、そっか。強いなあティムは。僕も見習わないと。」
「ギョッギョッ。」
「……ギョッって聞こえた？今何か言った？」
「ギョッ。」
そして合格した者達が中央に集まった時……
「はい！皆様お疲れ様でした！バトルロイヤルはここで終了になります。」
ルーが空中から現れ、皆を見渡しながら説明を始める。
「残った皆様は、今はのんびりとして頂いて構いません。怪我をした人は病院で治療しますので申し出て下さいね！次の日程はまた後で説明しますので！」
「ねえ！あの二人は駄目なの？普通にこっちを見てるよ？」
「アオハさん、でしたね。ティム先……さんとニールさんは戦闘不能ですから、ここで脱落になります。本当は次に進んで欲しいんですが、ルールですので……」
「やっぱり駄目なんだね……え？」
アオハが顔を下に向けると、すぐ側から異様な気配を感じ、再び顔を上げた。
「や、やったぞ！俺は生き残った！待っていろクズ共！次の会場で皆殺しにしてやるぜ！俺は勇者だぞ！最強なんだ！」
「ゆ、勇者！？ティムが倒したはずなのに！？」
「ギョッ！ギョッ！」
「使えない奴らのポーションを奪って回復しただけだ、俺は勇者だからな！文句があるなら始末してやろうか？」
「こ、こんなのでも次に行けるのにティム達は駄目なの！？」
「も、申し訳ありません！申し訳ありません！これもルールですので、私の方では何とも……そ、それでは（勇者を除いた）皆様。お疲れ様でした！」
ルーは平謝り、小声で何か呟いた後に解散を宣言し、空を飛ぶ。王達の居る席へと報告に向かう様子を見ながら、アオハは激怒していた。
「僕悔しいよ！そりゃ立ってた方が勝ちって言ってたけどさ！一度ティム達に倒されてるはずだよ！」
「アオハさん。兄上やニールさんは動けなくなってしばらくした後に脱落しました。おそらくそれが規則、ルーさんは手を抜いてないでしょう。ならあの勇者は……」
「倒れてすぐに人のポーションで復活したの！？」
「状況判断も戦士の素質と言う事でしょう……悔しいですが。」
「わふ……」
「ギョッ……」
「うけー。」
うなだれる五人。だがすぐに皆で顔を合わせる。そこには決意の意思が籠もっていた。
「なら、次に勇者にあったら僕達がボコボコにしてやるんだ！ティムの分も念入りにね！」
「うけー！」
「俺もです。兄上の名誉の為にも、剣聖としても、あんな男に負けるつもりは無い！」
「ギョッギョッ！」
「わん！わん！」
「そしたら次は皆と勝負だ！優勝は僕達だよ！」
「ええ！皆さん、お互いに頑張りましょう！」
「うん！」
それから五人は一緒に病院へ向かう。傷ついた体を動かしながら、次の戦いへの闘志を燃やすのだった。
「あ、ティム達はもう居ないや。きっと行っちゃったんだね。」
「俺達も急ぎましょう！他の方達の戦い、病院の配信で見れるはずです！」
「わん！わん！」
「ギョッギョッ。」
「わん！わん！」
「うけー！うけー！」
「えっシロメ本当！？き、君がティム達を助けてくれたんだね！本当にありがとう！」
「そうなんですか！？俺からも言わせてください！ありがとうございます！」
「ギョッ！」
◇◇◇
「それでは三回戦目に進みましょう！名前の書いてある人達はこちらにお願いしますー！」
続いてルーは三回戦の為、空中に映像を映す。そこに書かれた名前の参加者は、続々と闘技場に降りていく。
「つ、遂に俺達の番だ！皆油断するなよ！ここを越えれば先生を超えた事になるんだ！」
「かめー！」
「何言ってんだお前。今のままじゃ一生ティム君には勝てねぇぞ。」
「ラルフ、ロットンー。ようやく順番がきたんだから早くいこうよ！ミーはこの時を待ってたんだから！」
次に挑むのはラルフとタルト、ロットン、そしてミー。ティムの友人達が一斉に動き出すのだった。
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