配信テイマー、強敵と対峙する!
次回で二回戦目は終了の予定になります。遅くなってしまって申し訳ありません。
「いそげいそげー!おーい、ティムー!」
「うけー!」
「あ、アオハ君にシロメ?どうしたの?」
「わふ?」
僕達が闘技場の中心に向かってると、アオハ君達がこっちに走って来た。二人とも慌ててる、何かあったんだ!
「大変なんだよ!今怖い人に追われてるんだ!ソードもやられちゃったんだよ!」
「えっ、ソードが!?」
そ、ソードが負けちゃった!?う、ううん、そんな訳無い!ソードは剣聖だし、特訓も欠かさずやってるし、それに強いんだ!
……でもアオハ君達が嘘を言うとも思えないし……
「よし!なら僕達が戦うよ!その人今どこに居る?」
「後ろ後ろ!すぐにこっちに来るよまっすぐ向かってきてるんだ!」
「落ち着いてアオハ君!それなら横から攻撃だ、先制攻撃で相手の勢いを止めるよ!」
「わん!わん!」
「あ、ありがとうー!じゃあ、僕達は一度息を整えるよ!落ち着いたらすぐ助けに行くよ、皆で戦えばきっと勝てる!だからここはお願い!」
そう言ってアオハ君達は走って行っちゃった。でもアオハ君がここまで慌てる相手なら、一筋縄ではいかないぞ!
「レル、一緒にやろう!同時に攻撃だよ!」
「わん!わん!」
二人でブレードを持って、お互いに魔力を纏う。息を吸って、吐いて……
「行ける!レルお願い!」
「わん!」
僕達は一気に高速移動!アオハ君が来た道を戻ると、確かにこっちに来てる人が居る!
「あれはニールさん!?もしかしてさっきの強い風も……?」
参加者さん達をまとめて吹き飛ばしたのなら、やっぱり簡単に勝てる相手じゃない!
「横に跳ねて、一気に斬るよ!」
「わん!わん!」
僕達は今居る場所から大きく横に動いて待機。ニールさんは本当に真っ直ぐ進んでる…………
そろそろだ……
うん!このタイミング!ちょうど直線、最短距離だ!
「突っ込めー!」
「わふー!」
全力で走ってニールさんを攻撃だ!このスピードなら、気づいても対応出来ないぞ!
「ここからは僕達が相手だ!絶対に勝つぞ!」
「なるほど良い考えだ!だからオレ様が反撃出来なかったんだな!」
「ま、まあそうなんですけど……」
うん、ちゃんと攻撃は出来た。でもニールさん、剣を使って防御姿勢をとってたんだ!すぐに対応してきて僕達が攻め切れなかったのもあるね……。
「本当に楽しいな!じゃあ無駄話はこれくらいにして……始めようか!」
「は、はい!よろしくお願いします!」
お互い剣とブレードを構えて、相手を睨みつける……どう動いてくるんだ……!
「先攻はオレだ!」
「来た!」
速い、ジャンプしただけでもう目の前に!?
「オラァ!」
「えいっ!」
僕達の攻撃が空中でぶつかり合う、それと同時にニールさんの剣が振動し始めた!
「ゆ、揺れるー!?」
「オラオラオラオラァ!オレの力はこんなもんじゃないぜ!」
「ま、まともに持てない!この勢いは!?」
ガタガタ揺れて上手くブレードを握れない!一度離れよう!
「……はっ!」
「おっ!」
無理やり後ろに下がって一呼吸……ってまた来た!
「あの剣聖も同じ手を使ってきたな!だが離れてどうする?攻撃出来るか?」
「心配ありません!僕達の力なら!」
「ガゥゥゥ!」
「そうかパートナーか!」
直線上に挟み込んだぞ!僕が前、レルが後ろから攻撃だ!
「上手いな!だがまだ足りない!」
えっ!?今度は剣を地面に刺した!?
「この上に乗って、ほらよっ!」
「うわっ!?」
「わふっ!」
け、剣から跳び上がった!?で、でも僕、今手首を押さえられてる!?
「い、痛っ!」
「お前は首だ!悪いがブレードを持たせるつもりは無いぞ!」
「ガゥゥゥ……。」
「そこだっ!」
「惜しいな!」
まさか……一瞬で動いて僕達を抑えたんだ!反撃のキックは体で止められた、全然効いてない!
「ならこれなら!」
今度は空いている手で短剣を持ってニールさんに投げる!でもこれも弾かれた!
「オレは丈夫なんだよ、これくらいじゃ効かないぜ!」
「…………。」
「ん?諦めたのか?」
落ち着いて、僕はブレードを片手で握ってるんだ、地面を揺らせば……!
「どうする?このままギブアップか?」
不完全だけどやるしか無い!片手に魔力を集めるんだ!
「グラウンドブレイク!」
「おおっ!?」
これだけ近い距離なら絶対に隙が出来る!
「や、やるじゃねぇか!この場で技を使うなんてな!」
「今だー!」
手が離れた、ここで僕は両手でブレードを握るんだ!
「うりゃぁぁぁぁ!」
「くっ!」
今度はちゃんと当たった!胴体に直撃だ!
「吹き飛べー!」
「うおぉぉぉ!?」
勢いに乗せて横に薙ぎ払う、それからニールさんに向けて高速移動、腕に張りついた!
「これならどうです!」
「お、お前まさか!?」
がっちり腕を掴んで、勢いを使って地面に投げるんだ!
「お返しです!」
体を捻って態勢を崩す、それから地面に叩きつけた!
「ぐあっ!?」
「今だよレル!」
「わん!わん!」
「おい嘘だろ!?」
地面に倒れたニールさんにレルのブレードも直撃だ!両手でガードしたニールさんは地面にめり込んで……
「く、クソォォォォ!」
「ガゥゥゥ!」
それからガチンと音がしてレルが後ろに下がった。これで決まったはずだよ!
「レルー!お疲れ様ー!」
「わん!わん!」
相当深く押し込んだから出る事は難しい…………よね?
「勝った、勝ったんだ!やったよレルー!」
「わん!」
「いやーまいった!身のこなしもパワーも大したもんだ!」
「……えっ、何で!?」
……目の前にはニールさん。確かにやっつけたと思ったのに……
「普段の力がこれほどのレベルなら、魔装だっけ?配信でやってた本気の状態!あれならどんなに楽しいんだろうな?」
「あ、あの。そう言われても……」
「な、な!オレ待ってるからさ、今度は魔装で勝負してくれ!頼む!」
「えぇ……。」
こ、ここを越える為には、もう使うしかない!これ以上押し込むのは無理そうだもん!
「わ、分かりました!準備しますから少し時間を下さい!」
「良いぜ!準備出来るまで、他の奴らには指一本触れさせないからよ!」
「レル、お願い!」
「わん!」
僕達は魔装を展開する為に深呼吸。ここで僕達の力をニールさんに、それと観客席の人達に見せつけるんだ!大丈夫、僕達は強いんだ、凄いんだ!
「ここを越えて、目指せ優勝だよ!」
「わふー!」
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