少年テイマー、明後日への思い
今回、久しぶりにティムの友人が登場します。よろしくお願いします。
「お、終わっちゃいました……?」
「びー?」
「その様じゃな。サキ、びー君。ワシらこれからどうするかの?」
「びー!びー!」
「わ、私達はティム様に合流します!リッチさんは?」
「ワシはサリア達……は何だか忙しそうじゃ。アオハ達の所に行こうかな?」
「それなら一緒に行きませんか?」
「びー!びー!」
「よし、では行こうか!皆の者進めー!」
◇◇◇
「ティム様ー!」
「びー!」
「サキさん、びー君も!」
僕達が予定を考えていると、サキさん達もこっちに向かって来た!どんどん賑やかになってきたぞー!
「やあ。ワシも来たよ!皆元気そうじゃな、ラルフ。」
「ああ、リッチも元気みたいだな!皆も突破したんだ、良かった良かった!」
「喜んでる場合じゃないぞお前。ここに居る誰が来ても負ける可能性高いんだからな。」
「そんな事無いぞ!……でも一足早く宿に帰るよ。俺達もうちょっと特訓してくる!」
「かめー。」
タルトを背負ってラルフさんが歩き出す。他の参加者さんも動き出したし、僕達もそろそろ移動しよう!
「僕達も行きましょう!ロットンさん、ミーさん、お先に失礼します!」
「おう!」
「いってらっしゃーい。」
「わん!わん!」
「サキさん達も一緒に!」
「は、はい!」
「びー!」
せっかくだし何か買って帰ろう!ミミック達が食べてたアイス、皆で食べたらきっとおいしいよ!
「じゃあ私達も行こうかな。皆、一足先に抜けさせてもらうよ。お互い良い戦いを!アオハ、シロメ、行くぞ!」
「うん、カズハ。ではまた明後日、すすめシロメー!」
「うけー!」
「ワシもこっそりと着いていくぞ!さらばじゃー!」
◇◇◇
「はいどうぞ!」
「ありがとうございます!レル、はい!」
「わん!わん!」
「サキさんとびー君も!」
「は、はい!いただきます。」
「びー!」
アイスを買って宿屋に向かう途中、街並みを見ながら歩く。空を見ると雲一つない晴天、明後日もこんな天気だと嬉しいな。
「サキさん、僕達明日は道具を揃えようと思ってます。サキさんはどうしますか?」
「私は……街を見て回りたいです。初めて来た場所ですし、色々歩いてみたいです。」
「びー!びー!」
「びー君も?うん!二人とも気をつけてね!サキさん、明後日もよろしくお願いします!」
「はい!よろしくお願いします!」
「わん!」
「あ?何だお前?オレ様に喧嘩を売ろうってのか!」
「何言ってんの!?先にいちゃもん付けたのそっちっしょ!こっちはいい迷惑だし!」
「……ティム様、今の声って……」
「……サキさん、やっぱり聞こえました?」
男の人達の言い争いの声が聞こえた!一人はつい最近聞いた声だ。でももう一人、この人は……!
「そうかそうか。ならその喧嘩買ったぜ!」
「話を聞かない奴だし!そっちが先だろ!」
「ティム様!」
「はい!」
街中で戦闘!?そうなったら周りの人達が危ない、止めに入らないと!
「レル、行こう!あそこを曲がった先だよ!」
「わん!わん!」
レルの力を借りて、ブレードを持つ。急いで走って、道の角に入る!
「一旦ストップ!街の人に迷惑かかるから駄目ー!」
「わん!わん!」
角を曲がってブレードを構えて、まずは威嚇から入
「あ?……何だティムじゃねぇか!どうしたこんな所に?」
「あー!ティムっちー!久しぶりっしょ!」
「わ……わっ!?」
「わふー!」
ガキン!
「あ、危ねぇ!?」
「おわっと、ティムっちどうしたのよ?」
ブレードはレルに防がれ、ガチャンと地面に落ちた。急に声かけられてびっくりしちゃった……反省しないと!
「ご、ごめんなさい!街の人達が危ないと思って!」
「あぁ……わ、悪い!こっちこそ悪かった、こんな所で騒いだらそう思うよな。すまん!」
「相変わらずティムっちは真面目だし!でも俺が居ればそんな事無いから!」
僕が顔を上げると目の前には、ここの街で会った男の人が居た……そう、ニールさん!それともう一人、この人は!
「ラーチャオさん!ここに来てたんですね!」
「そーいうこと!皆元気してたみたいだな!サキっちもびー君もひさしぶりー!」
「びー!びー!」
「ラーチャオさん、お久しぶりです!」
金髪でジャラジャラとアクセサリーを鳴らす男の人。ラーチャオさんだよ!地竜の国での冒険以来、久しぶりに会えた!
「そ、それでどうして二人はここで喧嘩を?」
「そりゃコイツが絡んできたからに決まってんだろ!オレ様は理由なく街で暴れたりしねぇよ。」
「だーかーらー!そっちが急に突っかかってきたの!言いがかりはやめて欲しいし!」
「あ!?だいたいジャラジャラジャラジャラうるせぇんだよ!」
「これが俺のファッションなの!勝手に近づいてきて音がうるさいとかヤバイ奴だし!」
「え、えっと……」
「わん?」
どうしよう、何か止める方法無いかな?早くしないと!
「あ、あのー。」
「何だ?」
「どしたのサキっち?」
「アイスあるので一緒に食べませんか?」
「旨い!いいじゃねぇかこれ、後で買ってこよう!」
「皆で食べると美味しいって訳よ!サキっちありがとな!」
「はい!」
「ラーチャオって言ったか。さっきは悪かったな。気が立ってたんだよ。」
「気にしない!そんな事もあるし!」
…………僕達は街のベンチで一休み。サキさんがアイスを勧めてから、二人は和解したみたい。この二人も次の試合に来るんだよね?あっ。
「ラーチャオさん、ここにはどうやって来たんですか?僕達船に乗れなくて……」
「そうなの?俺は船乗りさんの手伝いしながら来たんだし。簡単っしょ?」
…………そうかお客さんとは別に、船乗りさんの席は確保されてるんだ!何で気づかなかったんだろう!
「に、ニールさんは?」
「オレは空を飛んできたぞ。海を越えるなんて驚いたが、まあ何とかなったな。」
この人は空を……凄い人だ!
「今回の試験、ミミック抑えてくれたから簡単に紙入れられたよな!サンキューティムっち!もちろん皆の活躍もちゃーんと見てるし!」
「ありがとうございます!」
「明後日だったな……オレどのミミックに入れたっけ。忘れちまった。」
「集計されれば分かると思います。気長に待ちましょう!」
「だな。いい天気だしのんびりしとくか!」
「びー。」
「ティム様、お口にアイスが!」
「あ、ありがとうございます。」
空を見ながらアイスを食べる。太陽があったかいなぁ。
「じゃあ行くわ。お前ら精々オレを楽しませてくれよ?」
「望む所だし!」
「お互いに頑張りましょうね!」
「おう!アイスの借りは覚えとくからな!」
アイスが食べ終わると、ニールさんは街に戻って行った。皆合格したんだよね、次は直接ぶつかるかもしれない!
「負けられないよ!レル、早速準備しよう。僕達が優勝するんだ!」
「わん!わん!」
「俺もやっとくかな?ティムっち、サキっち、びー君も!どっちが勝っても恨みっこ無しだし!」
「よろしくお願いします、ラーチャオさん。ティム様、私も頑張りますから!」
「びー!」
「わん!わん!」
「そういやレルは初めましてだな!俺ラーチャオ!よろしくな!」
「わふー!」
さあ行こう!明後日が楽しみだ!
「テイマーか……実際見るととんでもない奴だ。オレも用意しないとな、こりゃ楽しめそうだ!」
◇◇◇
「何とか突破だ。明後日に備えて買い物を……ん?」
「ウォォォ……」
「だ、大丈夫かアンタ?道でしゃがんで……」
「ウォォォォォォォォォォォ!!」
「う、うわぁぁぁぁぁ!?」
ガツン。
「……まず一人だ。この調子で全員潰すぞ!」
「了解しました……様。参加者が居なくなれば、優勝は確定です!」
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