予備試験終了!今後の日程は
「レルー。もふもふー。」
「シロメももふもふだよー。」
「わん!わ、わん?」
「うけー?」
「どうしたの二人とも?」
僕とアオハ君はレル達の様子を見て、すぐに立ち上がる。この感じ、もしかしてライア?
「皆、お疲れ様なのじゃ!時間が来たから、ここで終了なのじゃー!」
「そうか、もう一時間経ったんだね。」
「じゃあ近くに行こう!シロメ行くよー!」
「レルも早く!皆と合流しよう!」
「うけー。」
「わん!わん!」
会場に響くライアの声を聞いて僕達は走り出す。あっ、ラルフさん達だ!
「先生!何か発表するみたいだ。こっちこっち!」
「頑張ったなティム君!まずは魔王からの話を聞かなきゃな。レル達も早く来てくれ!」
「ラルフさん、ロットンさん!あ、ミーさんは?」
「はーい、ここだよ!みんなで結果発表を聞いてみよう!」
僕達が集まってすぐ、頭上からライアの気配が迫ってきた。ふわっと浮いた状態でこっちを見下ろしているんだ。
「さて、これで試験は終了じゃな。まずはミミックを回収するのじゃー!」
「ミミミッ。」
「はい!ではこちらへ!」
ライアの言葉と同時にルーが現れ、ミミックを持って移動した。ミミックは足をバタバタさせてるね。
「では、今後の日程を伝えるのじゃ!最初に言った通り、ミミックによって舞台が違うのじゃ。全部で四つ、勝つ為の条件が違うからそれに合わせて動いてもらうのじゃ。」
「はーい!」
「はいラルフさん!何か質問があるようじゃな!」
「なら舞台の内容教えてくれよ!準備しておきたいんだ。」
「それは駄目なのじゃ。ここで見る能力は状況対応能力!どんな試験になってもいいように、備えをきちんとするのも実力なのじゃ!」
「そうか……実際の依頼じゃ何が起こるか分からないからな。あらゆる事態を想定しろって訳か!」
「そうなのじゃ!分かってもらえて嬉しいのじゃ!では今日はおしまいなのじゃ。皆解散痛い!?」
ライアの後ろからルーが出てきて、頭をポコンと叩く。その顔はちょっと怒ってるみたい。
「そんな適当でどうするんですかもう!……皆様!集計をしますから、明後日もう一度こちらへお願いします。その時までに舞台を整えておきますね。詳しい事は当日ライアに説明させますから!」
「ルー痛いのじゃ!もうちょっと手加減して欲しいのじゃー!」
「お嬢様がちゃんとお伝えしないからです!さあこちらへ来て下さい!……皆様はここで解散になります。自由時間、ちゃんと楽しんで下さいね!」
「ではみ、皆明後日なのじゃ!こ、怖いのじゃー!?」
ルーに引きずられてジタバタするライア……空を飛んでるけど、引きずるで合ってるかな?
「何か適当だったな。でも明後日かー。なら明日が空くな。タルト、俺達何して過ごそうか?」
「かめー。」
「ミーは特訓しないよ?もう仕上げてきたから、明日は観光を配信するのだ!」
「俺は仕事をしておくか。田舎の町役場からわざわざ来たんだ、ここの風景とかをもっと見ておきたい。」
「で、ロットンの本音は?」
「珍しいもん食ってみたい。」
ラルフさん達楽しそう!僕達は何をしよう?
「レルはどうしたい?特訓?それとも観光?」
「わん!わん!」
「うん!ならのんびり過ごそう!武器の調整もしないとね!」
僕達は宿屋の周りで体を休めて、使っちゃった短剣も補充しよう!
「なあ、アオハ達はどうする?」
「そうだねー。僕達はご飯をたくさん食べようかな。体力つけて次のステップに行くよ!」
「うけー。」
「カズハはどうするんだ?」
「私は……適当に過ごすよ。こういうのはその時に思いつく物さ。」
「ま、お互い頑張ろうぜ!でも一番を取るのは俺達だ、タルト行くぞ!」
「かめー!」
皆で予定を考えるのはやっぱり楽しい!でもここからはライバル同士!
「僕達も負けないぞ!でも、とりあえず宿屋に帰ろう、レル!」
「わん!わん!」
「向こうはだいぶ賑やかっすね。ギル、あーし達はどうするっすか?」
「我らは我らだ。好きにやらせて貰う。そうだろうカイン?」
「そういう事!俺が優勝するから、サリア達は準優勝を狙うと良いよ!」
「言ったっすね。優勝はあーし達っす、覚悟するっすよ!」
「では私は適当にやりましょう。楽しむ事が一番ですよ。」
「マイラ、貴様自分が上だと考えているな?我らの強さを甘く見ない事だ。」
「それは楽しみです。他の方達は……どうでしょうね?」
◇◇◇
「いや、実に満足!ここに来た者達は全員合格したではないか!」
「あれ合格って言うのか?途中から強い奴に任せる戦法が流行ってただろ?」
「それも作戦よ。誰が強いか見極める目があるのは強さの証拠でしょ?」
「皆生き残ったのじゃ。次が楽しみなのじゃー!」
「…………。」
各国の王達がそれぞれの感想を語る中、一人拳を握り震えているのは剣聖ガイア。会場を見て、ワインを飲む、そして拳を握る。嬉しそうに動作を繰り返していた。
「ティム、ソード!二人とも頑張ったな!だが本番はここからだ、悔いのないようにな!私も悔いのないようにのむとするか!」
「ガイア大丈夫か!?飲み過ぎだろ!?」
「自分の子供達が頑張ってるからね。親として嬉しいのよ、きっと。えいっ。」
「何したんだジュリア?」
「酔いが回ると明後日が台無しよ。ちょっと回復魔法をね。」
「お前器用だよなぁ。」
ガイアを囲むドレイクとジュリア。そこへライアが走って近づく。
「さて、儂らは明日会場の設定をしなければ!皆にも手伝って欲しいのじゃ!」
「了解した!私達も主催者として、継続してサポートしよう!実に楽しみだ!」
「勿論手伝うぜ?参加者の奴ら、どう絞ってやろうかな!」
「当然付き合うわよ!こちらも楽しまないと!」
「あ、あの!何か盛り上がってますけど、ちゃんとした会場をお願いしますよ!主役は彼らなんですからね!」
そして王達が語り合う中、ミミックの紙を精査しながらルーが叫ぶのだった。
◇◇◇
「クソッ!皆生き残りやがった!このままだと俺が優勝出来ない!」
「心配ありません、……様。これが居ればすぐに解決します。」
「ウォォォォォォォォォ!!」
「そうだな!この闘技大会、優勝するのはこの俺だ!」
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