少年テイマー、疑問と成果を再確認する
ダンジョンの調査が終わって数日。僕達は現在ご飯を食べてます。今日は僕が料理を作ったんだー!
「どう?レル、僕のご飯はおいしいかな?」
「わん?わん!」
僕はリースさんの盛り付けを参考にサラダを作った。レルはおいしそうに食べてくれるから嬉しいな!……ちょっと崩れてたから最初は変な顔してたけど……。上手く盛るのはコツがいるんだよね。
よし、他の二人のご飯も出来た。早速教えてあげよう!僕は家のドアを開け、二人を呼ぶことにした。
「マイラさーん!びー君ー!ご飯出来たよー!」
「びー!」
「おお、出来ましたか。今行きますよ。」
そう!二人っていうのはポイズンビー君とヘルキマイラさん!二人もこの村に住むことになったんだ!とりあえず、それぞれ種族から名前をとって、びー君とマイラさんになったんだよ!
「さて、行きましょう!びー君、掴まって下さい。」
「びー!」
マイラさんは畑仕事の途中。振り下ろしていたクワを地面に置き、僕の家に入った。
「今日はジャムを塗ったパンとスープです。リースさんがジャムを作ってくれたんですよ!」
「パンは買ったものですよね。つまりティムはスープ担当ですか。」
「はい!それではどうぞ!」
「ふむ。…………なるほど、リースには及びませんが、なかなかの美味です。野菜をもう少し煮てはどうですか?」
「びー!びー!」
「は、はい……。」
やっぱりリースさんには敵わないや!もっと腕を上げないと……。
「皆さん!外の木から果物取ってきましたよ!」
「「おー!」」
「わん!」
「びー!!」
リースさんはカゴを持って家にやってきた。早速食べよう!それと、中断しちゃった話もしないと!
「ティムさん、一つ質問があります。」
「はい!」
「ティムさん、この前の成果報告で王国の言葉が出た時、顔が青くなってましたが……?」
「あっ……それは……。」
「ご、ごめんなさい。言いにくい事でしたら、別に構いませんから!」
「あ……いえ、大丈夫です!お話しします!」
僕は[王国]の単語が出てきた時、顔が青くなっていた……その理由を皆に説明した。
「そんな……テイマーだから追い出されたんですか?でも、ティムさんはお仕事頑張ってきたんですよね?」
「はい……。でも、滅ぼすべき魔物と一緒にいると、パーティーにとって不都合らしくて。それに僕の役割も、誰でも出来るから不要みたいです……。」
「ふむ。魔王を倒す勇者パーティーの立場は分かります。ただ、普通に人と共存している魔物も世界には大勢いるはずです。魔物全体を敵に回す必要は無いのでは?」
「そ、そうですよ!レルちゃんとマイラさんみたいに、良い魔物もいるんですから!」
マイラさんは更に話を続ける。
「……勇者パーティーは、ティムの追放は王も了承している、そう言っていたのですね。」
「はい。」
「勇者には王を騙してでも追放したかった、或いは王の方に何か理由があるのかもしれませんね。テイマーを外に追い出したい何かが。」
「そ、そんな……。」
マイラさんは腕を組みながら話を続けている。テイマーってそんなに悪いスキルだったのかな……?
「では、こうしましょう。ダンジョンの警戒は私がやります。王国への報告は一度待って下さい。」
「マイラさんがですか?」
「はい。私が見張っていれば、魔物達も悪さは出来ないでしょう。畑仕事と並行してやらせてもらいます。リース、それでよろしいですか?」
「は、はい!是非お願いします!」
マイラさんの提案にリースさんは喜んでいる。マイラさんはヘルキマイラだから、ある程度の魔物なら簡単に追い払えるし、畑仕事も手伝ってくれるならすごく助かるよ!
「後は……この玉ですね。ティム、心当たりは?」
マイラさんが次に切り出した話は、ダンジョンの戦利品について。魔物を倒した時に出た、黒い玉の事だね。
「多分魔石だと思います。でも、こんなに綺麗に落ちる事はほとんど無いので、自分でも驚いてます。」
「これは何かに使えそうですか?」
「うーん。魔石は武器とか防具の材料になるから、いい値段で売れるんです。ひとまず保管して、お金が足りなくなったら持って行こうと思います。」
「それが良い。必要になる時に使えば良いのです。……それではこれで話は終了ですね。私は畑に戻ります。自分の蒔いた種が育つ、何だか親になった気分ですよ?」
「あっ、私も行きます!」
「びー!」
マイラさんは家のバケツを持って外へ。リースさんとびー君も一緒について行く。何だか楽しそうだな。……よし、僕も気持ちを切り替えよう!次は何を配信しようかな?ダンジョン配信かな、僕達の生活を撮ろうかな?色々試してみないとね!
「な……何だこのイケメン!?誰だお前は!?」
「ちょっ、この美人さん誰っすか!?こんな人前居なかったっすよね!?」
「誰ですか貴方達。今私は忙しいのです。」
えっ!?外から声が聞こえた!僕は何だろうと思って外に出ると、…………そこには僕の知っている人達が立っていた。
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