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配信テイマー、我が道を行く!〜戻って来いと言われても知りません!僕は大切な仲間と一緒に冒険してるんだから!  作者: ゆん。
第十一章

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試験後半、走るミミックを狙え!

遅くなってしまって申し訳ありません。今回もよろしくお願いします。

「よーし!入れろ入れろー!」


「こっちもやるわよ!」


 試験が始まってから早くも三十分。ミミックの攻略法が判明し、冒険者達は素早く行動に移っていた。


「足止めは俺達がやる!力に自信がある奴は着いてきてくれ!」


「ミミッ!」


 複数人の冒険者がミミックを囲み、魔法や飛び道具で拘束する。その隙に別の冒険者が捕まえて、口を開いた。


「開けたぞー!早く入れるんだー!」


「「「「おおーー!」」」」






「ミミ。ミミー。」


「何か食べるスピードが落ちてるぞー!早くしたほうが良い!」


「ミミ。」


「また口を閉じちゃったよ!ほらおいしいぞー!」


「ミミ。」


 別の場所ではミミックの食べたい物を持ち寄り、次々と食べさせていく。食べ物と引き換えに紙を貰うミミックは、少しづつ動きが鈍くなっていた。


「最初の一匹は遠くに逃げちゃったな、何とか追えるか?」


「追っても駄目だ、時間が無駄になる!だが他のもそろそろ……」


「残ったのは、あの一体よね……。」


 クリアした冒険者達はミミック達を観察する。時間が経って口の開きが鈍くなるミミック達、残ったのは…………






「アイツは……手強いぞ。」


「ミミミッ!」


 足の生えたミミックは冒険者達を蹴り飛ばしながら、元気に会場を走っていた。






















 ◇◇◇



「買ってきましたカズハさん!アオハ君も出して!」


「うん!早く試験を終わらせちゃおう!」


「ティム、アオハ!ありがとう、でももう良いかな。」


 僕達は急いでミミックの欲しい物を買ってきたんだ!でもカズハさんは冷静にミミックを見ていた。何かあったんだね。


「どうしたのカズハ?これを使えば紙を入れられるでしょ?」


「あれを見てくれ。ちょっと難しそうだと思わないかい?」


「あれ?どれ?」


「ミミー。」







 アオハ君と一緒にミミックを見ると、ミミックはすやすやと寝息を立てていた。おなかいっぱいになって、眠くなっちゃったんだね。





 …………じゃああのミミックには頼めないかな。えっと、他のミミックを探さないと!


「ミミッ!ミミッ!」


 ……僕達の狙ったミミックは、壁によじ登ってこっちを見下ろしている。


「ミー……。」


 ラルフさんの方のミミックも固まって動かない。これは……




「さて、どうしようか。攻撃の威力と力は別物、私では身構えたミミックの口は開けられないかな。」


「ねぇティム。あの三人無理やりこじ開けるのって、残り時間で行けるかな?」


「結構きついと思う。皆必死に閉じると思うし、さっきみたいな不意打ちももう効かないよ!」


「ひっくり返った子を二人がかりで押さえても、すぐ閉じちゃったからね。じゃあどうしよう?」


 作戦にカズハさんを入れるのは難しそう、カズハさんは開いたミミックに紙を入れるんだ、自由に動けるように待機してもらって……












「おー。随分クリアした者が出てきたのじゃー!」


「な、何!?ライア!?まだ時間があるのに!」


 頭上には再び画面が現れ、ライアの姿が!何を企んでるの?









「さて。その様子を見ると、順調に紙を入れる事が出来ているようじゃな。」


「どう見たらそう見えるのさ!こっちは今困ってる所なんだよ!」


「うけー!」


 アオハ君とシロメが猛抗議、それを見たのかライアはふっと笑った。



「ミミック達、だいぶ疲れてるみたいなのじゃ。そろそろ休ませてあげないといけないのじゃ!」


 そう言うと、指をパチンと鳴らす。




「「「ミ?」」」


 …………えっ!?ミミックが消えちゃった!


「この子達は儂が確保したのじゃ!紙は規定の枚数まで溜まったのじゃー!」


「ええ!?待って待って!それじゃカズハは失敗なの!?」 


「ふふふふ!心配無いのじゃ!時間はたくさんあるし、ミミックはまだ居るのじゃー!」


「ど、どこ?どこ!?」


「落ち着けアオハ、あそこだ!」


 カズハさんの見ている方向を覗くと、そこには確かにミミックが居た。でも……










「ミミミッ!」


「…………残ったのはあのミミック!?」


 そう、残ったのは足の生えたミミック!あちこち動き回って、冒険者さん達を翻弄してるんだ!


「ここまで来れた諸君ならきっと何とかなるのじゃ!不意打ちも交渉も通じぬが、まあ頑張るのじゃ!」


 ライアがそう言うと、画面が消えちゃった……


「な、な……」









「「「「「「「「「何とかなるかーー!!??」」」」」」」」」


「ミミミッ!」


 一斉に声が響き渡る。それを聞いてミミックは距離を取り、背中を向けた。


「ミミミッ!」


「あっ逃げた!さっきの話を聞いてたんだよ!ミミック逃げる気なんだ!」


「もう迷ってられない、強引に止めるよ!レル力を貸して!」


「わん!わん!」


 僕はレルから力を借りて、足に魔力を集める。さっきみたいに高速移動で接近できれば!


「せーのっ!」


「わふー!」


「ミミミッ?」


 僕達は全力でダッシュ!でもミミックの方が速い!


「ならこれでどうだー!」


 僕は短剣をミミックに投げるけど、宝箱の体にカチンと弾かれて下に落ちちゃった。


「ミミミッ!」


「いいぞ!このタイミングだ!」


「ミミミッ?」


 そう、僕の投げた短剣には爆薬が付いている。それもいつもより多く!事前に準備しておいて良かった!


「この位置なら!もう一本!」


 僕はもう一本短剣を投げる。目的は落ちた短剣!



「レル!走ってー!」


「わん!わん!」


 投げた短剣が当たって、火花が出る。それが爆薬にかかって……





 ドカァァァァァァァン!!






「いっけぇぇぇぇーー!」


 爆風で一気に接近、これならミミックに追いつける!


 僕はブレードに魔力を込めて、ミミックに叩きつける!


「うりゃぁぁぁあ!」






 ガチン。





「……えっ?」


「ミミミッ!」


 止められた!?宝箱に傷が付いただけで、ダメージになってない!


「ミミミッ!」


「ギャッ!」


「わん!」


 蹴られた僕の側にレルが近づき、もふもふで受け止めてくれた。


「ありがとうレルー。でもこのままだとカズハさんが!何か良い方法あるかな?」


「わふー?わふーわんわん!」


「やっぱり!うん、やってみよう!」


 ブレードで押すのは駄目だったんだ、ならこれを使おう!


「レル、準備しよう!これならきっと勝てる!」


「わん!わん!」




 僕達テイマーの奥義、魔装を使うんだ!ダメージは無くても、ひっくり返せば口を開けるはず!


「魔力を合わせるよ。レル、お願い!魔装展開!」


「わふーわんわん!」














「ティム!少し待ってくれ!」


「え?カズハさん?」


「私は一度向こうに行ってくるよ。君達はここに居てくれ!」


「え、えっ?カズハさん!?」


 どうしたんだろう、急に走って行っちゃったよ!



「ティムー!追いついたよ、急に走って行くんだもん!」


「うけー!」


「アオハ君、カズハさんが!」


「分かってるよ。ほらあれを見て!僕達がやるより、もっと確実だと思うよ?」


「あれ?」





 …………本当だ。あの二人がやるなら間違い無い!


「僕達は一度待機だよ!今のうちにティムも体を休めて!」


「う、うん。」


 僕はレルと一緒に地面に座って、様子を見る事に。この勝負、しっかり見ておかないと!だって……











「おや。私達、他の皆さんから注目されている様ですね。」


「そろそろ俺も動かないとね!マイラ、そっちはどうする?」


「お手並み拝見……では勿体無いですね。ここで私も準備体操をしておきましょう。」












 ヘルキマイラのマイラさん、それに元Aランク冒険者である、あのカインさんが動くんだ!絶対に見逃さないぞ!



今回も読んで頂き、ありがとうございます。続きが気になる、面白かったと思って頂ければ幸いです。もしよろしければ、ブックマーク、評価を入れて頂ければ嬉しく思います。

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