表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
配信テイマー、我が道を行く!〜戻って来いと言われても知りません!僕は大切な仲間と一緒に冒険してるんだから!  作者: ゆん。
第十一章

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

244/279

魔王の思惑と……開幕、闘技大会!

「では、ルールを説明しよう!心して聞くのじゃ!」


 ライアの言葉に、僕達は一斉に耳を傾ける。大会の内容は……?










「大会はまず、皆の勝負する舞台を決める所から始めようと思うのじゃ。舞台は幾つか用意してある。皆で選んだ舞台……ここで勝ち上がった者達で戦い続けて、人数を絞っていくのじゃ。最終的には……これは後で考えようかの。」


「それでは皆様、何か質問はありますか?」


 ルーがこっちに向けて問いかける。何を聞こうかな……まず舞台を決めるってどういう事だろう?


「は、は」


「はーい!ちょっと気になったら質問するぜ!」


 ろ、ロットンさん!?






「はい!どうぞ!」


「まず俺達の戦う舞台、それはどうやって決めるんだ?まさかくじ引きやジャンケンじゃ無いだろう?」


「無論じゃ!これも大会の一部ゆえ、特別な試験を用意してあるのじゃ!ルー、お願いするのじゃ!」


「はい、ただいま!」


 ルーがヒュッと姿を消す。上にいる王様達は特に驚いてないみたい、もう準備は出来てるって事?




「お嬢様ー!用意出来ましたー!」


「ご苦労さまなのじゃー!それでは映してくれー!」


「了解でーす!」


 ルーの声が、ドームの端っこから聞こえた!な、何が来ても驚かないぞ!かかってこい!


「おい!あれを見ろ!画面が上に出てきたぞ!」


「これは配信かしら?何を見せるつもりなの?」


 冒険者さん達が上を見ると、そこにはルーの映像だ。足元には……宝箱?



「皆さんにはまず、これをお配りします!お嬢様、お願いします!」


「聞こえたのじゃー!では、これを受け取るのじゃー!」


「わ、わっ!?」


 ライアが頭上に紙をばらまいた!?たくさんの紙が空を飛んで、一気に広がった!


「皆、まずはこれを取るのじゃ!一人一枚、ちゃんと確保するように!」


「せ、先生!早速始まったぞ!?」


「わん!わん!」


「取れた!ラルフさんも早く!」


「お、おう!」


 僕達はひらひらと落ちる紙を一枚取る。レルも一枚咥えて、背中のもふもふにそっと隠した。


「レル、それで大丈夫?」


「わん!わん!」


「それなら平気だね!」


 周りを見ると皆、紙を拾っている。少し時間が経つと、ライアは再び口を開けた。


「皆拾ったかの?そうしたら名前を書いて、魔力を込めるのじゃ。それでは試験内容は…………」


 魔力を?とにかくやっておこう。紙に名前を書いて、魔力を込める。これでいいのかな?












「ルーの持っている宝箱、それにその紙を入れるのじゃ!」


「宝箱?」


 冒険者さん達の目は、ルーの側にある宝箱に移る。装飾の違う宝箱が、四つあるんだ。


「この宝箱は今後の舞台を設定する為に必要なのじゃ。宝箱ごとに舞台が違うから、好きな物を選ぶのじゃ。名前が入れられなければ……その人は失格になる!以降は観客として楽しんでもらうのじゃ。」


「…………って事は、ルーと戦うって事!?待て待て勝てるわけ無いだろ!?」


「もう、ラルフは反応が大げさだよー。ミー達が力を合わせれば平気だって!」


「いえ!私は参加しませんよ?今回は運搬係だけやっています。」


 画面の向こうからルーが答えた。じゃああの宝箱はどうやって守るの?試験なら、必ず仕掛けがあるよね、トラップ、それとも別に守る人が……















「さて、こんな物かの。固い説明ばかりでも退屈じゃろう。ここにいる皆は準備も万全と思うし、そろそろ始めるのじゃー!」


「待った!ちょっと言いたい事がある!」


 ろ、ロットンさん!?また!?


「ふむ。何か気になる事がある、という事じゃな?」


「ああ。今回の予備試験…………随分えげつない事をすると思ってな。」







「え?儂そんなつもりは無いのじゃ。だって適と」


「そう急かすなよ。ここに来るまでに色々考えたんだ。どうしてこんな内容になってるのか。」


 そうだ、僕も思ったんだ。試験の中でロットンさんもシュリちゃんも、何かに気づいた様子があった。魔王が考えた試験、やっぱり……!








「この予備試験、規定の日までに会場に到着する。これが内容だったよな。」


「その通りじゃ!」


「魔王であるアンタが提示した能力、それはスケジュール管理と身体能力だ。表向きはな。」


 お、表向き?


「ロットン、それってどういう事?」


「ラルフ、それと参加者の皆も。おかしいとは思わなかったか?ここは海の上にある街だ、地続きじゃない。空でも飛べなきゃ……本人の力だけで来るのはめちゃくちゃ難しいんだよ。」


「えっ?だから?」


「お前どうやってここまで来た?」


「船は埋まってたからな……だから、シュリの仲間のワイバーン達に助けてもらったんだ!もう二日経ってるんだよな。あの二人も大会を見学してくのかな?」


「そういう事だ。」


 ど、どういう事?


「まともに来るのは厳しいからな。必ず誰かの力を借りる事になる。手段の確保、物資の調達色々な。」


「確かに。俺達もシュリが居なかったら危なかったな。シュリって地竜の国では偉い魔法使い…………おい、まさか……。」












「そう!本当に求められてた能力は……






 これまでの冒険者としての実績、それか身体能力だけじゃない高い実力だ!」



 ………なるほど!そういう事なんだね!






「知らない奴に協力を要請されても、普通は警戒したり断るだろ?でも信頼関係があるなら、力を貸してくれるかもしれない!そしてその信頼関係は、実績で少しずつ積まれる物だ。依頼をクリアした[実績]があれば……!」


「ああ!じゃあ!」


「そう!ここに来る移動手段を用意出来るだけのコネクション、それを頼める位の冒険者としての実績!或いはそんな物必要無いと言えるだけの、圧倒的な強さ!それを試す物だったんだ!」


 ぼ、僕達じゃ気づけなかった……ロットンさん凄い!それに、それを仕込んだライアも!





「お嬢様、そこまで考えてたんですか!?私は適当に考えたのかと……流石お嬢様です!」


「えっ?」


「えっ。」


「……そ、そこに気づくとは、大したものじゃ!やはりここに来ただけはある!その通りじゃ!」


「お嬢様?」


「だから俺達はアンタに宣言するぜ!この闘技大会、俺達が主役だ。必ず成功させて……そして優勝してやるさ!そうだろ皆!」




「「「「「「「「「「「おおおおおおおおおーー!」」」」」」」」」」」


 ロットンさんが一気に勢いをつけた!これも作戦!?なら僕達も、一層気を引き締めなきゃ!





「では、皆の気合いが乗ってきた所で、大会を開始するのじゃ!心してかかるが良い!」


「……お嬢様、時間は何分にしますか?」


「一時間位で予定してるのじゃ!それでは……」





「闘技大会、スタートじゃー!」




「「「「「「「「「「「「「うおおおおおおおおーー!」」」」」」」」」」」」」










「俺が先だー!」


「ここは私が先よー!」


 一斉に動き出した冒険者さん達。でもここは待った方がいい!ライアが油断出来ないのは改めて分かったし、宝箱が置いてあるだけなんて絶対に変だ!


「この紙を入れればクリアだ!俺が一番乗りだ!」


 一人の冒険者さんが、宝箱に手を掛ける。ぐいっと箱を開けて腕を








「ほぎゃっ!?」


「キャッ!?な、何!?」


 ぼ、冒険者さんが吹き飛んだ!やっぱり仕掛けがあったん…………






「な、何あれ!?ティム知ってる?」


「え、えっ?」


 ミーさんが不思議そうにこっちを見る。だって……






「ミミッ?」


 あの宝箱、足が生えてる!?

今回も読んで頂き、ありがとうございます。続きが気になる、面白かったと思って頂ければ幸いです。もしよろしければ、ブックマーク、評価を入れて頂ければ嬉しく思います。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ