大会当日!勝負の舞台、水上都市スタージウム!
「皆ー!起きろー!」
「わん!わん!」
「かめー!」
「むにゃー。もうすこしねかせてー。」
「おはようございます、ラルフさん!遂に今日ですね!」
遂にこの日が来た!僕達は昨日準備を済ませて早めに寝たんだ。でも緊張であんまり眠れなかった……ミーさんもクッションを抱いて目を細めてる。緊張してたんだね。
「いつ連絡が来るか分かんないから、早めに魔導パソコンを開くぞ。ミーも早く下に来いよ!」
「はーい。おやすみー。」
「ラルフさん、僕は朝ごはんを貰ってきますね!」
「頼む先生!こっちは俺に任せてくれ!」
一度顔を洗って、ご飯の用意をして……朝から忙しくなるぞ!
「さー今日もがんばろー!ミーの配信は新しい境地に進むんだよ!」
「俺達もだ!どこまで行けるか力をぶつけてやるさ。目指せ優勝、な!タルト!」
「かめー!」
「僕達も!目指せ優勝!」
「わふー!」
「あっ!始まったみたい、早速見てみようよ!」
ラルフさんの後ろからミーさんが報告!それに合わせてラルフさんがパソコンを操作して……
「よし、見るぞ!」
「気合いをいれてこー!」
「ふー。落ち着いて落ち着いて……。」
画面を見てると……来た!ライアとルーだ!二人とも笑いながらこっちを見てるぞ!
◇◇◇
「そろそろ始まりますよお嬢様!準備はよろしいですか?ドレスに汚れは無し、髪のツヤもよし!歯磨きちゃんとしましたか?」
「ルー、お前は儂の保護者か!?それくらいちゃんとしているのじゃ!」
「でも保護者みたいな物ですよ?お嬢様の事は私にお任せください!」
「ルー……うん!頼りにしてるのじゃ!さて……では見た目がバッチリ決まった所で、始めるのじゃー!」
「皆様おはようございます!遂にこの日がやって来ました!皆様はもう、大会の場所には着いてますよね?」
「きっと大丈夫なのじゃ!では早速始めるのじゃ。」
「この場所に来れているなら、すぐに分かると思うのじゃ。なので……ここに集まるのじゃー!」
「そう、他の建物よりも目立つ塔!ここから更に街の奥に入って行って下さいね!そうすれば目的地が見えてきますよ!」
「大きい会場になってるから皆入れると思うのじゃ!詳細はこっちで伝えるから、早速集まってくれー!」
「地図はこちらです!皆様の出場、お待ちしております!ここに貼り付けて……」
「儂らも向かうぞ!皆の顔を見てみたいのじゃ!では会場で会おうなのじゃ!」
「待って下さいお嬢様!まだ配信中ですよ!ああ、もう行っちゃった!?…………ええと、私とライアは先に行きますので、皆様も早めにお願いします。では、会場でお会いしましょう!」
◇◇◇
「配信終わったな。ここって一昨日行った場所だよな?」
「だねー。場所は分かるし早く行ってみよう!」
魔王達が配信していた会場……あそこは僕達が観光した広場の奥にあるんだ、すぐに行こう!
「準備は完璧です!行くよレル!」
「わん!わん!」
「誰が勝っても恨みっこ無しな!行くぞタルト!」
「かめー!」
「「「目指せ優勝ー!」」」
「わふー!」
「かめー!」
「というわけで、ミー達もう会場に着いたよ!みんなも着いてるかな?」
「ミー!あそこに皆集まってるぞ!まずはあそこに行ってみようぜ!」
「はーい!みんなも集まれー!」
僕達は一昨日と同じように進んで広場へ。前はここを回ってたけど、今回はもっと奥だ。ミーさんはカメラを操作しながらのんびり歩いている。
「先生、俺ワクワクしてきたよ!早く始まらないかな?」
「皆さんが着くまで時間がかかると思いますし、落ち着いて行きましょう。僕達も楽しみです!」
「わん!」
「あー見えた!きっとあの場所だよ!」
ミーさんが指さした先には、巨大な……ドーム?周りが丸い壁で、硬そうな柱がいっぱいあるみたい。
「入り口はあそこみたいです。入ってみましょう!」
「ああ!進めー!」
「わん!わん!」
「かめー!」
「ミーも楽しみ!どんな人達がいるのかな?」
入り口をくぐって中に入ると、凄い広い!冒険者さんがいっぱいだ!
「結構来てるんだな!この人達全員と戦うのか。」
「まだ戦いの内容はわからないよ?まずはあの中に合流しよう!」
ちょっとずつ奥を目指す僕達。周りの人達にぶつからないように。
「おや、皆さんおはようございます。」
「あっ!」
声が聞こえた方を見ると、そこには茶髪の女性……マイラさんだ!余裕たっぷり、腕を組みながら周りを観察してる!
「マイラさん!」
「やはり到着しましたか。でも競争は、私の方が早かったようですね。」
「何を!だったらマイラはいつ着いたんだ?」
「初日ですよ?」
「ま、負けた……。」
「かめー。」
落ち込むラルフさんをタルトがポンポン叩く。マイラさんは強敵だし、できれば勝負は後の方に……
「よっ諸君!準備は出来たかな?」
「やあロットンー!ミー達は完ぺきだよ!」
「そいつは良い!俺も完璧だからな、良い勝負になりそうだ!」
ロットンさんは腕を振るってアピールしてくれた。ロットンさんとも当たるかも、対策考えないと!
「レル、落ち着いてる?僕緊張しちゃって……。」
「わふー!」
「わ!?レルー!くすぐったいよー!」
レルは僕にぽふっと体をくっつける。暖かくて気持ちいいなぁ。
「ありがとうレルー。リラックスできたよー。」
「わん!わん!」
「おおーーー!来たのじゃ来たのじゃ!皆聞こえておるかのー!儂参上なのじゃー!」
声が響いてきた!?上?違う、前から?
「この声はライア!?ど、どこ?」
「わ、わふ?」
「遂に来やがったか。お前達もう少し前に行くぞ!この調子だとすぐに始まりそうだ!」
「前!?ロットンお前どこに行くつもりなんだ!」
「あそこだラルフ。明らかにあの場所だけ雰囲気違うだろ?」
ロットンさんの目の先には、椅子が置いてある。あの場所は丁度中央?こういう発表って一番端っこからやりそうだけど……
「とにかく急げ!距離近くねぇと話が聞こえないかもしれないからな!」
「ラルフはやくはやく!置いてっちゃうよ?」
「お前達早すぎるんだよ!せ、先生は大丈夫か?」
「な、何とか。レル、僕達も急ごう!」
「わん!」
や、やった!走って行って、何とか椅子の近くまで来れたぞ!結構高い位置にある……
「さあ、どーんと登場じゃー!魔王の姿、その目に焼きつけるとよい!」
声がさっきより近い!やっぱりここに来るつもりだ!
「……わっ!?」
「来たよみんな!びっくりしてない?ミーはだいじょうぶ!」
「ぼ、僕達は大丈夫です!」
「わん!」
「この位どうって事無いぜ!」
「私も同じくです。」
「ラルフは?」
「お、俺も平気だ!それより、あれ見てみろよ。」
「かめー!?」
あれ、何か煙が出てきた……席を覆ってもくもくと昇って……
「おい!急に煙立てるな!前が見えねぇだろ!」
「こういう演出は大切なのじゃ!早く席に着くのじゃー!」
「私の席はここね。明るくなったらパッと登場しましょうか!」
「私も着席したぞ!実に良い企画だ、お前も早く座るといい!」
「どいつもこいつも!ここだ、って痛ぇ!何でアタシがこんな目に……。」
「どれ、私も座ろう。」
「あ、では私も。お嬢様も早く!」
「儂も座ろうではないか!…………あれ、儂の席は……?」
何か聞こえてきた……王様達かな、何やってるんだろう……。
「皆様お待たせしました!これより闘技大会の開会宣言をさせて頂きます!」
聞こえた声はルーの声!煙が薄くなって……両手を膝の上に乗せて、上品な格好で座ってるみたい。
「よく来てくれた、実に嬉しいぞ!ここからが本番だ!目いっぱい楽しもうではないか!」
「皆の熱い戦い、期待してるわよ!名誉と報酬、誰が掴むのか……私達も楽しみね!ほらドレイクも。」
「アドリブか、アドリブなのか!?…………ええい、お前達!アタシ達がここで見守ってやる!存分に戦え、強さを証明してみせろ!」
「私も剣聖として、この戦いを目に焼き付けよう!皆も楽しんでくれ!」
シンマ様、ジュリア様、ドレイク様、それに父上も!?王様達が挨拶をして、周りは一気に盛り上がった!
「うう……何で儂の席が無いのじゃ……儂の席……」
「お嬢様、しゃがんでいる場合じゃありませんよ!開会の挨拶をお願いします!……それでは主催者の代表として、ライアから挨拶をさせて頂きます!さあ!」
「…………了解なのじゃー!皆の者、今から始まる戦い、栄光を掴む者達の晴れ舞台じゃ。皆の強さを世界に知らしめてやるのじゃ!それでは…………今この場、海上都市スタージウムにて、闘技大会の開催を宣言するのじゃ!」
「「「「「「「「「「おおおおおおおおおおーーー!」」」」」」」」」」
宣言と同時に煙が吹き飛び、堂々とした王様達が姿を現す!
いよいよ始まるぞ……僕達の戦いが!
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