少年テイマー、新たなライバルに出会う!
後二話ほど続いた後、闘技大会に入る予定になります。よろしくお願いします。
「こ、これで終わりましたね。」
「ああ!怪我は心配無いぞ、大会当日には間に合うだろうな。」
「わん!わん!」
僕と男の人は街の病院に駆け込んで、さっきの二人の手当てをお願いしたんだ。そうしたらすぐに準備してくれた!大会で怪我人が出ても良いように、用意をしてあったんだ!
「お前も大した事無くて良かったよ。腕は大丈夫の様だな。さーてオレは帰るか。明後日が楽しみだ!」
「あの!」
「ん?」
「手伝って頂いて、ありがとうございました!」
僕はお礼を一言、すると男の人が僕の頭をポンと叩いた。
「気にすんな!オレが勝手にやっただけだ!あの二人強そうだし、戦いた……早く治るといいな!」
「は、はい。」
「って訳でオレは行くぞ!」
外に向かって走る男の人は、最後にこっちを振り返って、グッと拳を突き出した。
「オレの名はニール!お前は?」
「はい!僕はティムです!この子はパートナーのレル!よろしくお願いします。大会、お互い頑張りましょうね!」
「ああ!お前と戦うのも楽しみにしてるぜ!じゃあな!」
行っちゃった。それじゃ僕達も戻ろう、あの二人はきっと大丈夫だ!
◇◇◇
さっきの塔の側に戻ると、皆一斉にこっちに来てくれた。心配かけちゃったから、反省しないと。
「あっ、帰ってきたよ!」
「かー!かめー!」
「先生、大丈夫だったか?あの人達は?」
「はい。あの二人は大会当日までには治りそうです!ミーさん、ラルフさん。心配かけてすみません……。」
「ううん!ミーもラルフも心配してなかったよ?ティムならきっと平気だって思ってたから。」
「まあな。でもサリアは凄く心配してたぞ?」
「と、とにかく皆無事で良かったっすよ。全く……アンタは本当にお人好しっすね。レルもお疲れ様っす。」
「わん!わん!」
「うん……ごめんねサリア。ギルもびっくりしたでしょ?」
ギルの顔を見ると目を閉じてじっとしてる。怒ってるのかも……。
「だが我としても助かったぞ。あの二人も相当強い筈だ。戦う機会が無くなるのは困るからな。」
怒って無さそう!良かったー!
「ならギルが行けば良かったじゃないっすか!?ティムの事何だと思ってるんですかね!?」
「怒るなサリア、何事も無く済んだのだ。それに我はティムの心配はしていない、絶対に大丈夫だからな。」
「もう……でもこれで安心っすね。ティム、あーし達はこのまま観光に戻るっす。アンタはどうしますか?」
「僕達もラルフさん達と観光の続きに行くよ!リラックスしたいからね!」
「なら……」
サリアとギルはお互いに顔を見合わせ、フッと笑った。
「では、ここで別れるっす。あーし達は知り合いでも一切手は抜かないっすよ!覚悟は出来てるっすか?」
「もちろん!僕達は負けないよ!」
「わん!わん!」
「ウム、良い返事だ!我らも思う存分愉しもうではないか!」
「サリア、また明後日!」
「ええ!健闘を祈るっす!」
それから二人は歩いて街の奥に。僕達は観光の続きだ!動いたらお腹空いちゃった、何か買ってこよう!
「わん!わん!」
「そうだね!サキさん、さっきのデザートやっぱり食べたいです!どこに売ってましたか?」
「は、はい!こちらですティム様!」
「俺達も続きだ!皆で回ろうぜ!」
「かめー!」
「うん!みんなで歩くと楽しいよねー!」
「びー!びー!」
「ワシもワシも!美味い店があるのじゃ、後でどうかな?」
サキさん、びー君、リッチも合流!まだまだ時間はあるから、皆でのんびりと歩いて行こう!目指せおいしい物、配信の題材にもなるぞー!
「あらー。騒ぎになってると思ったら、あなた達だったのねー。」
あっ、誰かがこっちに来たみたい。誰だろう?
「あらー。君達はラルフとパートナーの……タルトよねー。」
「え、はい。えっと、あなたは?」
ラルフさんに話しかけてきたのは、ふわっとした緑色の髪の女の人。背中には……槍?この人も参加者なんだ!
「緊張してきたわ……お姉さん配信見てるのよー。よければ一緒に配信しない?」
「えっ!?俺で良いの?」
「もちろん!それと……もし良ければパーティーを組んでみない?きっと楽しいと思うわー。」
「ま、待った!俺はそういうのは遠慮してるんだよ。まだ」
「そ、そうなの?残念ねー。なら配信だけでもどう?おいしいデザートあるから、一緒に撮ってみない?」
「せ、先生?どうしよう?」
ラルフさんは心配そうな顔をしてるけど、それだけ配信の人気が付いてきたって証拠だ!皆ラルフさんの事を注目してるんだよ!
「僕達は待ってますから大丈夫です!思いっ切りアピールするのも手ですよ!」
「そうか……分かった!俺ちょっと行ってくる、すぐ戻るから!あの、彼らから見える場所で良いかな?俺この後、予定があるんだ。」
「かめー!」
「もちろんよー。あらー、二人はティムとミーねー。有名人に会えて、私もう一生分の運使っちゃったかな……ハァハァ。」
女の人はぶつぶつ呟きながら、ラルフさん達を近くのお店に連れて行った。
(ねーティム、ラルフ大丈夫かな?騙されたりしないよね?)
(大丈夫ですよ。人の目もたくさんありますし、配信で撮っていれば証拠も残ります。僕達も見張りますから、ラルフさんの安全は保証されてますよ!)
(わん!わん!)
あの女の人、悪い人では無さそう。だけど警戒だけはしっかりとしておこう。
「やっぱりだ、あの子はティムだぞ!この前ドラゴンを倒したテイマーだ!おーい!話聞かせてくれよー!」
「あそこに居るのはミーよ!生で見るのは始めてだからサインを貰わなきゃ!」
い、今の騒ぎで周りの人達が集まって来た!?でも、これはアピールのチャンスだ!
「ミー達も明後日の大会に出るよー!みんなよろしくねー!」
「よ、よろしくお願いします!」
ラルフさん達を観察しながら、僕達は他の冒険者さんと交流だ!ライバルがたくさん居る、明後日の大会……絶対に勝ってみせるぞ!
「ハァハァ……ラルフ、このデザート食べてくれないかしらー?」
「これか?……美味しい!バニラアイスとミントが合わさって、スーッとするよ!何か気持ちいいな!」
「かー!かー!」
「喜んでもらえてお姉さんも嬉しいわー。」
「教えてくれてありがとう!えっと……名前聞いてなかった。」
「私はレニー。見ての通りゆるーいお姉さんよー。」
◇◇◇
「うっ……。」
「おきた?」
「ああ。そうだ、俺達は奴に落とされて……!」
「ここはあんぜんだよ?」
「そのようだな。ここは……病院か。だがどうして俺達が?」
「はこんでくれた人がいたよ。」
「……そうか。うっすらと見えていたよ。強そうな男と……女の子。ブレードウルフも一緒だったな。」
「とってもつよくて、とってもやさしい人だったね。」
「俺が間抜けだったんだ。先に仕掛けてくる奴の事が頭に無かった……お前を助けてやれなかった、すまない。」
「わるくないよ。わるいのはあの人だもん。」
「とにかく、あのままでは死んでいただろう。彼らには借りが出来たな。もし何かあれば、俺達が力になろうと思う。それでいいか?」
「うん。わかった。」
「……もう少し休もうか。大会は明後日だ。」
「うん。いっしょにがんばろう?」
「ああ!」
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