衝撃!?落下する者達
今回、新しいライバル達が登場します。よろしくお願いします。
「見ろよあの屋台!美味しそうな物たくさんあるぞ!」
「ラルフ、お菓子はミーが買ったでしょ?まずはこれを食べようよー!」
「そ、そうだな。ミーが買ったお菓子食べようか。な、タルト!」
「かめー!」
僕達は今、街を観光中!皆でお菓子を持ちながら、自由に歩き回ってるんだ。僕が食べてるのはポップコーン。口でとろけて甘くておいしい!
「あ!あそこは武器屋さんですね。ちょっと見てきます!」
「ティムは短剣が得意だもんね。ミーも道具を補充しておこうかな?」
僕とミーさんはそれぞれ別のお店で商品を探す。一番はブレードだけど、短剣は使いやすいからね。ちゃんと用意しておこう。
「やっぱ美味しいな!続きはどうする?」
「宿屋に帰ってからだね。今は他の参加者を観察だ!」
道具を揃えて合流だ!ここに来た人達は皆、試験を突破している人達。自信がある人達に違いない、気をつけないと!
「ライバルがたくさん。レル、僕達も負けないようにしよう!」
「わん!わん!」
「おーい!ティムー!」
「びー!びー!」
「ティム様ー!」
「あっ、皆!」
声を掛けてきたのはリッチ達だ!皆手にアイスを持ってる。
「観光は楽しいのう!食べやすいデザートがあるのじゃ!皆もどうかな?」
「ティム様、一緒に食べませんか?勿論お二人も!」
「びー!びー!」
「ど、どうするティム?さすがにミー、そろそろおなかいっぱいかも。」
「ぼ、僕達はもう食べたので、それはサキさん達が食べた方が。」
「そ、そうですか……。」
サキさんはしょんぼりと頭を下げた。申し訳ない事しちゃった……。
「で、では!あの人達に食べてもらいましょう!」
「あの人達……サリア!」
サキさんが指差したのはサリア達だ!二人で本を読みながら、街を歩いてるんだ!
「あのー!サリアさん!」
「ん?どちら様ですか?……アンタはサキっすか!って事はティムも一緒っすね!」
「サリアも観光?もしそうなら一緒にどう?」
「いえ!あーし達はあーし達でのんびり見て回るっす。ティム達もそっちで楽しむといいっすよ。」
サリアは少し距離を開けてるみたい。ここでは僕達はライバル、それも納得できるかな。
「ほう。ティムに犬っころ!お前達もここに来たのか!」
「がうー!わん!わん!」
「ギルも久しぶりだね!僕達は今観光に来てるんだよ!」
「ウム!我らもそうだ。ハイシンの題材になるからな。お前達も配信者として箔が付いてきたようだ、流石ティムだな!」
「わん!わん!」
「犬っころ、お前もだぞ。その調子でパートナーを支えてやれ!」
「わふー!」
「あ、あの!」
サキさんがサリア達に近づく。その手にはデザートが!
「サリアさん、ギルさん!よければいかがですか?」
「あー。あーし達はいいっすよ。もうお腹いっぱいっすからね。」
「そうだな、我も遠慮しておこう。お前達で買った物だ、お前達が食べた方が良い。」
「そうですか……では、私達が頂きますね。ティム様、それでよろしいでしょうか?」
「はい!サキさん、びー君、どうぞ!」
サキさんはスプーンでデザートを取り、一口。あれはアイスだったんだ。真っ白でとろっとしてるクリームがおいしそう!びー君も一口……僕もご飯のお供に買おうかな?
「さて!ではあーし達はここで失礼するっす。皆も大会、頑張るっすよ!」
「負けないぞ!俺達だって特訓したんだから。な、タルト!」
「かめー!」
「おい、何だあれ?」
「塔の頂上か。何だか変だぞ?」
「揺れてるわね……ねぇ、誰か居るんじゃない?」
「そういう事もあるだろ。何かやってるんじゃないかな?」
周りの人達が話し合ってる。塔に何かある……?
「何だ何だ?塔の上?ミー見えるか?」
「えっとね……見えた!てっぺんで誰かぶら下がってるよ?」
「上で!?何でそんな事を!」
上を見ると、うっすらと影が一つ。……いやいやどうして!?あそこから落ちたら大怪我で大会どころじゃないよ!何を考えてるの!?
「あー。変な奴が出てきたっすね。」
「サリア?どういう事?」
「こういう大きなイベントの時には、あんな感じの変な奴が出没するっすよ。あの動きはおそらく……情報収集ですかね。」
情報収集?ぶら下がるのがどう繋がるのさ!?
「不思議そうっすね。あそこから落ちたらどうなりますか?」
「大怪我だよ!早く助けなきゃ!」
「そう、それっす!あの高さ、落ちたら相当負担がかかるっす。それを受け止めるなら?」
「決まってるよ!魔力を込めて防御で受け止めるんだ!後は魔法を使ったり、僕達なら魔装を使えば!」
…………あっ。
「その通りっす。普通には助けられない。だからこっちの手の内を明かす事になるんですよ。心配しなくても、そういう奴は頭が良いっす。もし誰も来なくても勝手に助かるっすよ。」
「なら平気だな。俺達だって受け止めたら反動凄いし……。」
「でも……。」
「あっ。手が離れたわ!」
「落ちてくるぞ……おい、アレ一人じゃないよか?」
「どうやら二人みたいだな。一人が支えてたみたいだ……ならヤバいんじゃないか?」
「落ちてきたっす。さあ、この作戦はどんな奴が考えたっすかね。」
「サリア、そんな事言ってる場合じゃ。」
人影の高度が落ちてきた……だんだんと見えてきたぞ……!
「女の子と……男の人?」
見えたのは水色の髪の女の子に、同じ水色髪の男性……待って、あれは!
「嘘でしょ!?絶対演技とか作戦じゃ無いよ!」
男性は体から煙が出てるし、女の子の体の真ん中に赤い染みが付いてる!あの大きさ、きっと怪我をしてるんだ!
「やっぱり危ない!助けなきゃ!」
「ティム!それを含めても、奴らの作戦かもしれないんですよ!?」
「それでも行かなきゃ!今ならまだ間に合う!レル、力を貸して!」
「わん!わん!」
レルの力を借りて、僕は体中に魔力を込める。落ちる位置を予想して……
「本当に行くんですか!?もしティム達が怪我をしたらあーしは……」
「絶対大丈夫だよ!僕達を信じて!」
「わん!わん!」
「……そうっすね。アンタはここで話しても止まるような男じゃ無いっす。ならティム、レル!絶対に無事に帰ってくるっす!」
「うん!」
「わん!わん!」
足に魔力を動かして、高速移動だ!僕達のスピードならなんとか間に合うぞ!
「急げ、急げ……!」
高度はどんどん下がってくる……さっきよりもはっきりと見えてきた!
「間に合う、もう少しだ!」
二人は……手を繋いでる?だから最初一人に見えたんだ!
「着いた……えっ!?」
手が離れた!?二人の体が当たって、男の人が変な方向に!?
「そ、そんな!」
「わふ!?」
建物の屋根の方だ、あれじゃレルも追いつけない!
「ど、どうしよう……僕が跳んでも空中じゃ受け止められないかも、でも誰か行かなきゃ!」
レルに女の子を任せて、ここは僕が行くしか……
「オラァ!邪魔だお前らァァァァ!外野は引っ込んでろー!」
「わふ!?」
い、今の声は何!?後ろを見ると……男の人が近づいてる!?
「そこのガキンチョ!上から来る奴はお前に任せる!アイツはオレ様に任せろ!」
「あ、え!?」
「ボヤッとすんな!集中が切れたらお前も死ぬぞ!」
「は、はい!レル、一緒にお願い!」
「わん!」
何だか分からないけど、今なら受け止められる!魔力を集めて、タイミングよく!
「レル!サポートお願い!」
「わん!」
女の子が来た!足を踏ん張って、手を伸ばして!
「せーのっ!」
ガンッ!
「んーーーー!」
全力で受け止めるんだ!でも重力が凄い!
「痛った!今だよレル、お願い!」
「わん!わん!」
勢いは落とせたけど、支え切れずに後ろに倒れる。それをレルのもふもふがふわっと包み込んだ。
「わふー!」
ぺたん。
「れ、レル!」
「わん!わん!」
僕と女の子はレルの背中にいた。……やった、間に合ったんだ!
「やったよレル!」
「わん!わん!」
「うっ……がはっ!」
「ま、まずい回復魔法を!」
女の子は血を吐いた、今の衝撃でダメージがあったに違いない!胸に手を当てて、魔力を送り込むんだ!
「ふう……ふう……レル、そのまま支えてて!」
「わふー?」
「うぅ……すぅ……。」
これで落ち着いたかな……?でも傷口は大きいから、早く病院に!
「おーいガキンチョ!こっちは終わったぞ!男は無事だー!」
「こ、こっちもです!でも病院行かないと!」
「マジか!待ってろ今行く!」
建物の奥から声が聞こえてすぐに、空中に影が出来た。それが降りてきて……
「よっと!」
「あ、あの!ありがとうございます!」
「礼は後だ!さっさと連れてくぞ!」
「はい!」
「でもよ……。」
な、何だろう?
「その動き、ナイスだったぜ!お前みたいのが大会に出るなら、オレ様も楽しめそうだ!」
「あ、ありがとうごさいます。」
「病院はこっちだ、ひたすら足を動かせ!」
「はい!」
あの高さから落ちた人を受け止めて、息を切らしてない……相当体力がある人だ、この人も大会に?
ううん、今は病院だ!急がないと!
「わん!わん!」
「レル!この人を乗せて病院へ!あの人を追って!」
「わふー!」
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