表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
配信テイマー、我が道を行く!〜戻って来いと言われても知りません!僕は大切な仲間と一緒に冒険してるんだから!  作者: ゆん。
第十一章

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

238/279

街での観光、予期せぬ再会。そして……

今回久しぶりに、元勇者パーティーのメンバーが登場します。よろしくお願いします。

「むー。」


「にゃぁー。」


「わふー。」


「かー。」


 ぎゅーっ。


「あ、暑い。何でこうなったの……?」













「みんな起きて!もう朝になったよー!」


「おはようございますミーさん。レルもおはよう。」


「わん!わん!」


 昨日は楽しかったなあ。僕達はたくさんご飯を食べてから、ラルフさんの取ってくれた宿屋に直行!早く寝ることにしたんだ。そして今日は!





「さー街を歩くよ!みんな準備はいい?」


「僕達はいつでも行けます!」


「わん!わん!」


「かー!」


「ではしゅっぱつ……ラルフ?まだ寝てるの?」


「もう少し、後三十分だけ……。」


 ラルフさんは枕に抱きついてごろごろと動いている。昨日はずっとボートの運転をしてたから、相当疲れてるんだ。


「ミーさん、ラルフさん疲れてるみたいです。もうちょっと休みましょうか。」


「そうだね。ミーは体を動かすけど、ティムも一緒にどう?」


「はい!早速やりましょう!」


 僕達は一度外に出て体をピーンと伸ばす!今日も天気が良いし、散歩にはもってこいの一日だよ!






「おはよう!二人ともありがとな、だいぶスッキリしたよ。」


「おはようラルフ!ではしゅっぱつだー!」


「ラルフさん、お願いします!」


「おう!荷物を持つのは俺に任せてくれ!」


 ラルフさんが起きてからはあっという間。手早く食事を済ませて、外の景色を眺めながら歩いている。朝の会場はあんまり人が居なかったから、ご飯はほとんどお肉にしちゃった!おいしくてまだまだ食べられそう!



「やったー!昨日の配信凄い盛り上がってるよー!」


「俺の方もだ!一緒にやると見てくれる人も増えるよな!」


「僕もです!皆で食べると楽しいですよね。」


 ご飯と配信の感想を話していると、目の前に小さな屋台が出てきた。あ、ミーさんの目がキラキラっと輝いた。


「見て!お店でお菓子売ってるよ!みんなで食べようよー!」


「お前、今食べ終わったばっかりだろ!もう食べるのか!?」


「うん!ミーのおなかは丈夫なんだよ!行ってくるね!」


 ミーさん行っちゃった……僕達はここで待とう。




「ラルフさん。大会はもうすぐですよね。僕だんだんと緊張してきました。」


「先生もか。俺もドキドキが止まらないぜ!でも、今までの冒険で強くなったんだ!やれる所までやってみるよ!」


 僕達もそうだ。配信者になってテイマーが凄い事を伝える……僕達の当初の目標。今までの配信でだいぶテイマーの事を知ってもらえた、今回の大会で結果を残せば目標を達成できる!


「はい!やれるだけやってみましょう!目指せ優勝!」


「ああ!目指せ優勝!」


「かめー!」




「グルルル……グガァァ!」


「ぎゃっ!?レルどうした!?」


「レル……あっ!?」


 え、レルが急に唸り声を……この感じ、誰か来る!


「レル、力を貸して!」


「わん!」


 力を借りてからブレードを手に。一体誰が……この感じ、知ってる感じだ。まさか……!















「もう、早くしないと……あっ。」


「どうした?まだ日はある……あ。」


「………先生、あの二人って。」


「……はい。」


 僕達の前に現れたのは……






「マーチ、ケビン……」


 かつて同じ勇者パーティーに所属していた二人。魔法使いのマーチ、武闘家のケビンだった。













「みんなー。買ってきたよーってあれ?」


 スッ。



「……あの二人、ティムの元仲間だよね。ちょっと観察してみよう。」









「な、何でここに二人が?」


 一瞬ビクッと体が動いた。で、でも大丈夫。僕達は強いんだ、凄いんだ!自信を持て、僕達なら大丈夫!


「あ、アンタも来てたのね。その……。」


「ティム。俺達も出るのさ、この闘技大会にな。」


「ふ、二人も出るの?シャーユ」


 僕はシャーユの名前を出した時、王国会議のシャーユが言った言葉を思い出した。


「そっか……二人も勇者パーティーを抜けたんだね。」


「ええ。今は謝罪行脚中よ。あちこちを回って依頼をこなしながら、迷惑をかけた人達に謝ってるのよ。」


「勇者パーティーの時、俺達は本当にどうしようも無かったんだな。旅を始めてから改めて感じている。自分を律していたお前は立派だった、今になって痛感してるよ。」


「本当よね。」


 見た感じ、二人とも以前とはまるで違う。どこか顔が穏やかになってるっていうか、前よりも落ち着いてるみたい……。



「今回ここに来たのは、莫大な報酬の為。壊した物や取り上げた物を弁償する為に、お金が必要なのよ。」


「それと自分を鍛える為だ。以前お前と魔王の戦いを見て、そしてお前の配信も見て、このままじゃ駄目だと思った。修行も兼ねて出る事にしたんだ。」


「…………。」


 どうしよう、言葉が出てこない。二人とも、シャーユの悪事には関わってないんだよね。それでも……。




「グルルル……。」


「そうよねレル。私達それだけの事をしてたのよね。……ごめんなさい。」


「俺達はもう行く、お前も頑張れよ。……本当にすまなかったな。」


「う、うん。」


 ふーっと息を吸って、僕は二人をじっと見た。やっぱり雰囲気は変わっている。二人は立ち直ろうとしてるんだ。なら僕が出せる声は……!







「お互い頑張ろうね。でも、優勝は僕達が勝ち取ってみせるよ!」


「………!そうね、私達だって負けないわよ!」


「……マーチと同意見だ!俺達も優勝を狙って行く、お前も勝ち上がって来いよ!」



 二人は笑顔になって歩いて行った。今までの事もあるけど……まずは一歩。これで良かったんだよね、きっと。













「先生、大丈夫なのか?あの二人、先生の事を。」


「かー……。」


「わふー……。」


「その、まだもやもやしてますけど……あの二人は変わろうとしてるのが分かったんです。だから、お互いに頑張ろうって言ったんです。僕も負けない……これは宣戦布告です!」


「そっか、流石先生だな!でもライバルはここにも居るぞ!この俺がな!」



「みんな!お菓子買ってきたよー!」


 ……ミーさんの声だ!買い物終わったんだ!


「はーい!さあ先生、観光の続きだ!」


「はい!」











 それから僕達は歩いて、街の中央へ。昨日はあんまり見れなかったけど、カラフルな建物に澄んだ青空、まるで絵画のような綺麗な場所だよ!歩くだけで楽しい気分!


「おおー!おっきいー!」


「ここがこの街の名所か。街のシンボルって奴かな。」


「わん!わん!わふー!」


「かー!かー!」


「かっこいい……。」


 そして今現れたのは、大きい塔。周りの建物と比べても圧倒的な高さだ!


「えっと、パンフレットによるとね、夜はここの光が船の案内をしてくれるみたい。灯台って事かな?」


「僕達が見たのはここの光だったんだ。ありがとう!おかげで辿り着けたよ!」


「わん!わん!」


 周りにはたくさんの人が居る。観光で来てる人も居るね、塔の周りはとても広い道が輪っかみたいに囲んでいるよ。


「あの塔が中心って事ね、ならここ一周してみようぜ!右から行こう!」


「かめー。」


「ラルフ、ここは左からだよ!」


「わん!」






「右!」


「ひだりにしないと持ち上げるよ!」


「左にしよう。」


 僕達はのんびりと散歩を続ける。本当に楽しいな!

 気分を切り替えて、ここは思いっ切り息抜きしよう!























 ◇◇◇



「ここが最上階か。随分登ったな。」


「うん。でもこれがひつようなの。」


「後はここから飛び降りればいい。それで戦力を探るんだな。」


「きっとだれかが助けてくれる。そうしたら、その人のつよさがわかるよね?」


「万が一の時は俺に任せろ。絶対お前に怪我はさせないからな。」


「がんばってね。」


「人は集まって来たな、タイミングは俺が…………誰だ!?」









「ウオォォォォォォォ!!」


 ガキン!


「しまった!逃げろ!」


「あ、あぶな」


「ウオォォォォォォォォ!」


 グサッ。


「がっ!?うう……だ、だめ!にげて!」


「な……き、貴様ァァァァ!」


 ガキン、バシッ、ザクッ…………












(いいぞ、まずは二人、このまま参加者を始末するぞ!優勝は俺達の物だ!」)


(はい、……様!)

今回も読んで頂き、ありがとうございます。続きが気になる、面白かったと思って頂ければ幸いです。もしよろしければ、ブックマーク、評価を入れて頂ければ嬉しく思います。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ